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第百九十九話ローゼルト王国とマーダッド族の和平交渉

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「わたしは先代のマーダッド族のリーダー、マンダリンと申します」



    穏やかな雰囲気のマーダッドの父親が名乗る。



「ほう、リーダーの名前かと思っていたが部族の名前がマーダッドとはな」



   思わぬ事実にローゼルト国王は少々驚いた。



「我々のリーダーは決まってマーダッド、先代がマンダリンを襲名するようになっております。ではこちらを」



    マンダリンは説明すると手紙を差し出す。



    その中には行き過ぎた現リーダーや若者達の行動ゆえに今回の戦争が起きたこと、その暴走を止められなかったことへの謝罪、彼らもまたそれを反省していること、ゆえにその証として氷を持ってきたことが書かれていた。



「この氷は夏になっても滅多に解けず、冷房としても保冷剤やかき氷としても最適なんですよー。是非とも、受け取ってほしいものです」



   マンダリンは口でお詫びの品たる氷のプレゼンテーションをする。



「なるほど、面白い。国にはあまり被害はない、わたしは受けようと思うがどうする?」



    国王は側近に尋ねた。



「陛下がおっしゃるならよろしいかと」



    側近は静かに同意する。



「では貰おう。これを機に我が国と国交を樹立しようじゃないか」



「ありがとうございます!」



    国王が気分をよくして笑うとマンダリンは頭を下げる。
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