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第百六十四話アインガル帝国からの旅立ち
しおりを挟む「で、今日は何の用だ?」
「今は善の意志とだけ言っておく。ハーデルトの勇者とさっさと合流しろ。次奴と戦えば無事では済まない。両者で協力して魔王軍を、魔王パンドラドこと宵闇の王女を撃て」
そして現在、謎の女は長々と言い切る。
「聞こえたか?」
オーガのおぼろげな頭では理解に苦しんだ。
「もう少し分かりやすくいえ」
「しょうがないな」
フェイリーン皇女に眉をひそめられ善の意志は咳払いしてひとつひとつ解説する。
「質問は以上だ」
「そうか、くれぐれも頼むぞ」
善の意志はそこで光に包まれ消失した。
魔法陣もなしに起きたことにフェイリーン皇女は目を見開く。
「姫様ー!オーガ!こんなところにいたんですか」
そこで十三が城の方から駆けてきた。
「そろそろ行くか」
「ああ、さっさと飯にするぞ」
フェイリーン皇女に言われオーガも城に戻る。
朝食後、オーガが荷物を整えて部屋を出るとフェイリーン皇女が旅装束で外で待ち構えていた。
「そんな格好で、なんのつもりだ」
オーガは思わず目を見開いて問う。
「決まっている。お前一人で世界の王になれるとは思わんからな。わたしがついていってやる」
その言葉にオーガは思わず顔がほころんだ。
「好きにしろ」
階下に降りると今度は十三とマオも同じように荷物を背負っている。
「二人だけで行くなんて、寂しいですよ」
「姫様、我々もお供します」
マオと十三が言った。
「ああ、ついてこい」
フェイリーン皇女の言葉にオーガは俺の意志は無視かと眉を潜める。
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