プリンセスクロッサー勇と王王姫纏いて魔王軍に挑む

第百三十八話

   そこでは水色のドレスを纏った銀髪の少女とメイド達が屈強な男達と戦っていた。



「な……………」



    オーガは口をあんぐりと開ける。アインガル帝国の皇族は銀髪と聞いていたのだ。まさかと思ったが豪奢なドレスを纏ってメイド達を連れて王城付近にいてはそうとしかありえない。



「ふっ」

「はぁっ！」



   その中の二人猫耳のメイドが爪を使いポニーテールのメイドが刀を使う応戦していた。



「やるねえお嬢さん達。だがそこのお姫様はもらったぞー！」



   屈強な男はそう叫びつつ皇女を狙う。



「はっ」

「しまった！」



   メイド達は迂闊だったと叫んだ。



   オーガは首を振って正気になるとニヤリとして凄まじい速さで走る。



   皇女らしき少女の前に立つと父親から貰ったキングブレードと名付けたものを皇女を狙う男にぶん投げた。



「がはっ」



   ブレードは腹部に刺さり皇女を狙い飛び上がっていたその男は落下してしまう。



「な、なんだてめえは！」

「なんて真似しやがる」



   仲間が死んだことで屈強な男達は声を上げた。



「俺か？俺は、オーガ。世界の、王になる男だ」



    オーガは顔を上げ男達を見下ろすように言い放つ。



「ははははは！」

「わけわかんねえ、なんだよこいつは」



    男達は困惑して派手に笑ってしまった。



「まあいい。てめえは今俺たちの大将をやった。どうなるか、わかってんだろうな？」



   男の一人は脅すようにオーガに言う。