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第百二十七話勇者っていうのはあくまで悪いやつをやっつけるものでとりあえず街の人から応援されとけばいいていう適当なのはなんか違うんだよ
しおりを挟む城から旅立つ勇達はハリーに案内され馬車に乗ることになった。
「なんで馬車?」
馬車に乗ると聞いた勇はハリーに問う。
「それはもちろん、勇者特務隊は国の誇りですからな。広く民達にその姿を見せなければなりません」
「それは嬉しいけどなんかめんどくさいつうかちゃっちゃと魔王軍倒した方が楽っつうか…………」
勇はあからさまに肩を落とした。
「え、勇くん勇者なのにそういうの苦手なの?草ゴリラと戦う時は気にしなかったじゃん」
アステリア王女は首を傾げる。
「いやそれでもうやったからもう満足かなって」
勇は目を細め首の裏をかく。
「君は本当に勇者に憧れていた男なのかい?」
ケイネスは日頃思っていた彼と違い瞬きした。
「勇者っていうのはあくまで悪いやつをやっつけるものでとりあえず街の人から応援されとけばいいていう適当なのはなんか違うんだよ」
勇は腕を組んで否定する。
「難しいな、君というものは」
ケイネスは片手を上に上げた。
歓声に手を振り馬車での移動を王都の出口まで行う。王都を出ても街の人々は勇達に手を振り歓声を上げた。
「なんていうか、わたしが勇者パーティの一人だなんて実感ないわね」
リンネはその声を後ろに受けながら言う。
「うーん、それこそ恐悦至極の光栄てところかな」
エルハは人差し指を立てた。
「あんた、意外と図太いわね。大人しい顔して恐ろしいわよ」
リンネは呆れてしまう。
「あたしは王女だからむしろ当然て気分だけどな」
クリム王女は誇らしく胸を張った。
「いや、でも生きてる内に魔王軍が出て世界救うなんてこと自体少ないじゃん」
アステリア王女は否定する。
「そう考えると俺たち、とんでもない時代の人だね」
勇も思わずありえない自体に笑った。
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