プリンセスクロッサー勇と王王姫纏いて魔王軍に挑む

第百九話

    事情を聞いた勇とアステリア王女はひとまずその男の子達を連れてエルハと合流した。



    催眠術がかかっていると見たエルハは勇とアステリア王女が連れていた二人と自身が発見した子供達のそれを解除する。



    城に帰還した三人はエルハの直属の上司である回復班の班長に謝罪した。



「申し訳ありませんでした。わたしがいながら敵を逃がしてしまいした！」



「いえ、勇者である俺のせいです！」



「全てわたしの監督…………」



「待ってください！殿下にまで頭を下げさせるわけには行きません！まずは陛下に報告しましょう！」



   回復班の班長は流石に戸惑い両手を横に振る。



「うむ、みなよくやってくれた。これで敵の目的が判明したぞ。早速会議にかかるぞ」



    他の面々含め報告を受けると国王は喜んだ。



     王族と勇達食客、最高騎士団幹部を集めた会議にて仮面伯爵配下の敵、ハーメルイトンは子供達を利用し金銭、あるいは高価なものを家から集めようとしているという情報が共有される。



「しかし金銭そのものではなく高価なものもとは奇妙ですね。換金でもするのでしょうか」



   ハリーは敵の作戦に疑問を持った。



「いや、どうも違う気がします。仮面伯爵はイベントて言ってました。あれは多分愉快犯的なやつです、俺たちが困ってるのを楽しむようなやつに見えます」



    勇は敵上司の性格から動機を推測する。