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第百一話

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「エルハ姉ちゃん、今日はなにー?」



   子供たちははプレゼントの中身を問う。



「はい、どうぞ。今日は猫さんですよー」



「わー、ありがとー」



    イサミはエルハが教会の建物内にてぬいぐるみや服、絵本を子供達に配るのを手伝っていく。



「おふたりとも、ちょうどお茶の時間ですしご一緒しませんか」



「いいんですか!?」



    シスターに言われ勇は食い気味になった。



「そうですね。ご一緒しましょうかしら」



    エルハは微笑んで頷く。実家ではないがそれを思わせる場所での休憩は彼女にとって落ち着くものなのだ。



「それで、婚約者さんはエルハさんとどのような経緯でお会いしたのかしら」



    後ろで髪を三つ編みにした妙齢のシスターが勇に問うた。



「ああ、エルハさんとは騎士学校の先輩と後輩で魔法の腕も良くて美人さんなので俺が声かけたんです」



   彼女はおおらかで母親のような包み込むような第一印象を勇に与えている。地球のともこの世界とも違うが勇は彼女が自分の母親ではと錯覚してしまうほどのオーラを放っていた。



「てかここ、先輩の育ったとこじゃないですよね。なのに実家みたいな感じてか安心しますね」



   勇は思わずそれを口にしてしまう。



「教会でも孤児院を兼任してるところはみんなそんな感じだよ」



「ええ、来る人達みなさんには安心感を与えたいですから」



    エルハとシスターが穏やかに答えた。



「それで、普段のエルハさんはどんな風かしら。イリーナさんからはよく聞きますが婚約者さんから見たらどうなのかしら」



   シスターはエルハの同僚の名前を出す。



「先輩は聖母のように優しく魔法を教えてくれたり包みこんだりしてくれるとてもいい人です」



「ふふっ、それは良かったです。いい人に巡り合わせたのですね」



    その答えにシスターは満足してエルハに言った。



「は、はい…………」



   エルハは母親に言われたみたいに恥ずかしくなる。
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