プリンセスクロッサー勇と王王姫纏いて魔王軍に挑む

第八十二話

    朝になり勇が目を覚ますとリンネが既に起きており彼を見つめていた。



「おはよ。よく寝れたかしら」



   リンネは穏やかな笑顔で言う。



「ああ、おかげさまでな」



   勇も笑い返し呼吸を整えて起き上がった。



   リンネも起き上がって問う。



「調子はどう？」



「それも、問題ない。バッチリだぜ」



    勇は思わず満面の笑みになった。



「おはよ、二人とも。よく寝れた？」



    二人が部屋の外に出るとアステリア王女に声をかけられる。



「ああ、気合い十分だ」



「そ、それはよかったねぇ」



    自分以外の女と一夜を共にし大人の行為をした。そのことはアステリア王女から低い声を出させた。



    それは怨嗟やつらみとなり黒いオーラとなり外に漏れる。



「きょ、今日は王女殿下に譲りますわ。おほほ…………」



   リンネは思わず苦笑いで機嫌をとった。



「それなら許す」



   アステリア王女がフフっと声を出しながら笑顔になる。



   勇は勇者の苦労を垣間見た気がした。一人だけの女性を愛する必要はないがやはりこれは大変なことになるだろうと。



   その様子を見ながらクリム王女は大人の女性の持つ恐怖を感じていた。