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第六十二話

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「ミスったわ。ここらが引き時か?いいこと教えてやるよ」



    壊羅は一度呟くと勇に言った。



「興味あるな。魔王軍の話でもするのか?」



   勇はそそられる。



「魔王である女、パンドラドは性根が悪じゃねえ。あれも俺の神がやったんだぜ」



   とんでもない事実に勇達は目を丸くした。



「元は宵闇の国の宵闇の王女って言われたけどどうも彼女を上手く利用したらしくてな。一度国を滅ぼしたところをその憎しみだの絶望を糧にしてな」



「なにそのマッチポンプ。きも、ガチガチにきもいしどこの漫画だのアニメだよ」



   勇はその説明に凄まじく辟易する。



「ああ、アニメだとよくそういうのあるよな。マジだあるとは思わなかったわ。じゃ、俺はここら辺で」



    壊羅は軽く言うと素早く距離を取り去っていった。



「待て!」

「駄目!深追いはよくないよ」



    勇が追おうとするとエルハが止める。



「やったじゃねえか!貴族坊主!」



   冒険者達が勇に駆け寄る。



「勇くーん!

「勇者様ー!」



    そこへハリーの操縦する魔法の絨毯に乗ったアステリア王女とクリム王女が駆けつけた。



「ハリーさん、二人とも!」



    勇は合体を解除し三人に声をかける。



「イノリンテ班員達が外に出ていたため通報を聞いて先行させていたがどうやら無事だったようだな」 



    ハリーは事情を話しながら安心する。    
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