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第四十六話クリム王女は勇者様の力になれない
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勇はそのままクリム王女の寝室に連れて行かれる。アステリア王女の部屋が青いのに対し昼間の内に部屋は赤い装飾に彩られ一部がオレンジとバランスが取られている。
そしてベッドに押し倒された。クリム王女は寝間着の肩に手を置き脱ごうとする。だがそれ以上動くことはできなかった。
憧れの勇者が目の前にいる、一夜を共にし女としての初めてを捧げられる。それは彼女にとって憧れのことである。
同時にとても恐れ多く緊張する。それは勇者というのが彼女にとってあまりに大きく偉大、遠い存在と思っていたからだ。
そのせいで口を硬くし震えてしまう。
勇は気まずくなり口を開く。
「あー、それ多分その気になるだけっていうかほんとにやる必要ないんだよ」
「あ、え!?そう、なのか?」
クリム王女は呆気に取られ口を開けたままにしてしまう。
「うん、だからそんなに緊張しなくていいよ」
勇の笑顔にクリム王女は胸を掴まれた感覚になる。緊張で止まっていた感情が羞恥心に染まり爆発し涙が流れる。
「やっぱ、むりー!あたしにはこんなの無理だよー!」
「あー、そこまで無理しなくてもいいかな。大丈夫、気にしないで」
勇の穏やかな表情にクリム王女の涙はさらに流れる。
「ごめんなー!勇者様ー!」
泣き叫ぶ彼女を胸に抱きながら勇は勇者の苦悩を実感した。モテるのもただではないと
そしてベッドに押し倒された。クリム王女は寝間着の肩に手を置き脱ごうとする。だがそれ以上動くことはできなかった。
憧れの勇者が目の前にいる、一夜を共にし女としての初めてを捧げられる。それは彼女にとって憧れのことである。
同時にとても恐れ多く緊張する。それは勇者というのが彼女にとってあまりに大きく偉大、遠い存在と思っていたからだ。
そのせいで口を硬くし震えてしまう。
勇は気まずくなり口を開く。
「あー、それ多分その気になるだけっていうかほんとにやる必要ないんだよ」
「あ、え!?そう、なのか?」
クリム王女は呆気に取られ口を開けたままにしてしまう。
「うん、だからそんなに緊張しなくていいよ」
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「やっぱ、むりー!あたしにはこんなの無理だよー!」
「あー、そこまで無理しなくてもいいかな。大丈夫、気にしないで」
勇の穏やかな表情にクリム王女の涙はさらに流れる。
「ごめんなー!勇者様ー!」
泣き叫ぶ彼女を胸に抱きながら勇は勇者の苦悩を実感した。モテるのもただではないと
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