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第四十四話婚約発表

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  演奏会の鑑賞などを周り勇達はようやく城に帰還する。



   が、ことはそれで終わらず勇の婚約発表となる。クリム王女は騎士団員であるエルハが自分達と同じ場所にいることでアステリア王女に尋ねる。



「ああ、あの人も数に入ってるから」



   アステリア王女はそれから事情をクリム王女に説明した。



「昼間言ってたもう一人か」



    王女二人との婚約発表のはずが二名増えたことで騎士団員や貴族達は困惑する。



    だがエルハを知る騎士団員は違った。「まさか………」「やりやがったぜ」「キャー!素敵ー!」

「どういう技使ったの?」など驚きと歓声が混ざっている。



    国王からまず挨拶とエルハとリンネについての説明を賓客と騎士団員にした。



「えっと、イサミ・ユーディラドです。実家は領主やってます。勇者になって光栄の至りです。勇者の力を手にしたおかげで魔王軍とどうにか一戦やれました。この先強敵がどんどん来ると思いますが全部ぶっ潰して、本拠地もぶっ潰して王女の婚約者としての責任も、果たしてみせます!」



    勇は緊張しながら演説する。貴族達はやや勇が若いことに疑問でありそのぶっきらぼうな演説により不安が増える。



「アステリアです。勇者様の力になれてとても嬉しいです。国の代表として全身全霊で魔王軍に立ち向かいたいと思います」



    彼女の穏やかな演説は勇のそれで不安になった貴族達を安心させた。



    クリム王女も似たような言い方だが普段とのギャップがあるため勇やリンネには凄まじい違和感があった。



「リンネ・キカイニストです。勇者とは旧知の仲ゆえに婚約者に立候補させていただきました。家は兵器も開発しているためその面で勇者をサポートしたいと思っています」



   彼女の演説には客達はオーっと歓声を上げる。彼女が加われば戦いでは頼もしいことになるだろうと。



「エルハ・イノリント言います。えっと、イサミさんとは騎士学校時代の仲で、是非とも力に成りたく立候補しました。魔法が得意なのでその面で支えたいと思います」



    その演説には貴族の面々がやや不安になる。戦力面としては問題ないが家柄上平気なのかということだ。だが勇者が受け入れたということは度量が彼にあるのだろうとした。



   
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