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第十五話二人目の結婚候補あり
しおりを挟む「む、そうか。つまり結婚する必要はなかったということか。すまない二人とも、今からでも婚約を破棄しよう」
国王はハリーの報告の次にイサミとアステリア王女の合体システムの報告を聞くと謝罪を示した。
イサミとアステリア王女の結婚はそもそも勇者としての力を得るためだ。実際にそれが手に入った以上結婚の必要はなくなっている。
「それは駄目です!イサミさんは渡しません!他の人と縁談しろなんて言われても断りますからね!」
アステリア王女はイサミの腕に抱きつき叫んだ。
「やめなさいあなた。あの子は元より婚約者を持たなかった身、今彼を手放したら跡継ぎがいなくなるわよ」
女王は優しく王を諌める。
イサミも顔をしかめた。王女との結婚とはいえ人の都合でそれを押し付けられまたその人間の都合で破棄されるなどいい気分ではないのだ。
「いや、それならそれでいい。なにしろ勇者殿、お前と結婚したいと言う王女がもう一人いてな」
国王は新たな話をしだした。
「さっきのは冗談ですか。ていうか結婚て!もう結婚相手いるのにまた結婚相手て!いくら俺が貴族だからて早すぎませんかね!?」
イサミは戸惑いのあまり相手が国王にも関わらず声を荒らげてしまう。
「勇者だからの。その国ローゼルトの王とは同盟を結んでいる。先日話したところ勇者殿との結婚を望む王族はそれを可能にしようという盟約をつけた。他の王国にもその手紙にも送っているのだ」
「他の王国………」
国王のさらなる情報にイサミは次の言葉がない。一人二人ではない、三人目の妻が来る恐れがあるのだ。
「で、ローゼルト王国からは誰が来るのです」
アステリア王女も不満げに問う。イサミを一人占めできなく懸念がでてきたのだ。
「お前もよく知るクリム殿下だよ」
「クリムちゃんですか。クリムちゃんなら、まあいいですかね」
アステリア王女はその答えに不承不承納得する。
「あ、やっぱ知り合い?」
彼女の答えぶりにイサミは問うた。
「幼馴染だよ」
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