婚約破棄は、まだですか?

緋田鞠

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「失礼します、ユーキタス副団長!飛竜が!飛竜が厩舎におるのですが!」
 ノックと共に駆け込んで来た部下に、ジェレマイア・ユーキタスは深く溜息を吐いて、客人に詫びを入れた。
「…すまない。躾がなっていなくて」
「いえ、お構いなく。西域で飛竜は珍しいですからね」
 執務室に駆け込んで来た、まだ見習いに見える若い騎士は、ジェレマイアの向かいのソファに腰掛けたエディスを見て、明らかに、ヤバ、と言う顔をした。
「あれは、私の飛竜です。厩舎担当の方には許可を頂きましたが、何か不都合でもありましたか?」
「いえ…全然…」
 小さくなりながら返した騎士に、ジェレマイアは眉を顰める。
「リック。まずは、挨拶。それから、お詫びを。わざわざ、ラングリード東域騎士団長殿が助っ人として寄越して下さったんだ。無礼だぞ。エディス殿、これは、俺の従騎士のリック・シェダー。リック。この方は、エディス・ラングリード殿だ」
「東域より参りましたエディス・ラングリードです」
「自分は、ユーキタス副団長の従騎士を務めておりますリック・シェダーと申します!余りに見事な飛竜でしたので、興奮してしまい…!申し訳ありません!」
「…リックは、騎獣が好きなんだ」
 呆れ顔のジェレマイアが補足すると、あぁ、とエディスは頷いた。
「私がいる時でしたら、近くで見ても構いませんよ。ポチは、よく馴れておりますから」
「…飛竜に、ポチと名付けたのか?」
 突っ込みを入れたのは、リックではなく、ジェレマイア。
「えぇ。東国でよく、ペットにつける名だと聞きまして」
「ペット…?飛竜がペット…?」
 リックが、混乱した様子でぶつぶつと譫言のように呟いているのは意に介さず、ジェレマイアは苦笑した。
「ラングリード兄弟は、本当に規格外だな。家族全員が飛竜を持っている一家等、他にはおるまい」
「イエスタは、深淵の森に接する領地の中でも、特に飛竜の飛来が多い地ですから」
 飛竜。
 小型の竜で、人をその背に乗せて運ぶ騎獣になる魔獣の一種だが、人工的に繁殖させる事は、現在の所、不可能。
 自らの手で捕縛し、馴らす事が出来れば、どの騎獣よりも早い足となる上、寿命が長く体も強い為、一生の供となる、騎士達の憧れの騎獣であった。
 エディスを始め、ラングリード家の面々は全員、十五の時に飛竜を捕まえ、自らの騎獣として馴らしている。
 エディスとポチの付き合いも、もう十三年。
 気心の知れた仲だ。
 勿論、相手は魔獣なので、主人以外には懐かない。
 知識のある厩務員ですら、餌遣りが限界で、手綱を掛ける事も出来ないのだ。
「やっぱり、ラングリード兄弟…!では、貴方がラングリードの最終兵器ですね!」
 今さっき、注意された事を忘れたように、リックがはしゃいで声を上げると、ジェレマイアがジロリと睨んだ。
「お前はもう、口を開くな。俺が恥を掻く」
「あぅ…申し訳ありません、副団長…」
 エディスは、その様子をくすくすと笑って見ている。
「あの、でも…飛竜は是非、近くで見せて頂きたく…」
「お前は!」
「大丈夫ですよ。当面は、こちらにお世話になりますし」
 エディスが答えると、リックはきょとんと、大きな目を見開いた。
「そうなんですか?!」
「えぇ。父に、西域騎士団のお手伝いをするよう命じられまして」
「うわぁ、じゃあ、お暇な時に飛竜のお話を聞かせて下さい!」
「私の話でよければ、構いません。それにしても…何ですか?先程の、最終兵器と言うのは?」
 エディスが困った顔でジェレマイアの顔を見ると、彼は苦笑する。
「ラングリード兄弟は、お父上と共に、各地の騎士団を手助けしてくれているだろう?」
「えぇ」
「ラングリード家に七人兄弟がいる、と言うのは、何処の騎士団でも知っている。だが、派遣されてくるメンバーは、これまでずっと五人だった。まだまだ下がいるのかと思っていたら、先日、うちに来たキム殿が末っ子だと聞いてな。『人数が足りない。と言う事は、まだ一人、隠している!』と騒いだ者がいた」
「…おや、それは、とんだ肩透かしになってしまいましたね」
 エディスもまた、苦笑した。
 そして、リックに向けて、お道化たように肩を竦める。
「見ての通り、私は兄弟達よりも随分と体が小さいもので、過保護にされていまして。これまで、他の騎士団に派遣された事はないのですよ。東域での魔獣討伐経験はありますから、それなりに使えると思うのですが」
「それなり、ではないだろう」
 呆れたような目でジェレマイアに見られて、エディスは少しだけ、自尊心を覗かせた顔で笑った。
「…まぁ、膂力では劣りますが、勝っている点もあると自負しております」
「流石だな」
「ですが…」
 例え、一人前の騎士として戦う力があっても女では騎士になれないし、令嬢として暮らす事も出来ない半端者なのですよ。
 そう、情けない本音が飛び出そうになって、慌ててエディスは口を噤む。
「いえ、何でもありません。是非とも、副団長殿の指揮下で、お使い下さい」



 つい、三十分前。
 ポチに騎乗したエディスは、予定よりも早く五時間半で、西域騎士団の兵営へと到着した。
 六時間の道程の予定だったが、ポチの調子が良かったのと、追い風だった為だ。
 兵舎の前に大きく広がる前庭にポチを下ろすと、飛竜の接近に気づいていた厩務員が駆けつける。
「お疲れ様です!飛竜をお預かりしてもよろしいですか?」
 尋ねるのは、訓練中の騎獣の場合、厩舎に入るのを嫌がる事があるからだ。
「えぇ。ですが、厩舎までは私が連れて行ってもよろしいですか?初めての場所では、場所見知りをしますから」
 エディスが答えると、厩務員はキラキラした目でポチを見上げた。
「ラングリード家の最後の飛竜にお会い出来て、感無量です!」
「あぁ、貴方が西域の手練れ厩務員ですか。父達から話は伺っております」
 騎獣が大好きで、中でも飛竜が大好きで、飛竜の世話をしたいが故に厩務員になった、と言う男の話は、トマスや兄弟達からよく聞いていた。
 彼は平民で、飛竜が東域に多いと言う事を知らず、騎士団であれば、何処にでもいるのだと思っていたのだと言う。
 その結果、時折、助っ人に来るラングリード家の飛竜としか触れ合えず、真剣に転職を考えているのだとか。
「有難い事に、三回程、お会いすれば、房までは付き添えるようになりまして」
 飛竜の大きさや、見た目の恐ろしさから、慣れないと腰が引けてしまう厩務員もいる中、彼は熱心に飛竜の世話について学ぼうとしている、と、聞いていたが、間違いないらしい。
「この子は、ポチと言います。暫く、こちらに滞在予定ですので、お世話の補助をお願い出来ますか?」
「はい!喜んで!」
 エディスは、空いていた房にポチを連れて行くと、
「ここが暫く、お前の家だよ」
と、語り掛けながら、ポチの鼻先を撫でた。
 気持ち良さそうに、ポチもぐいぐいと鼻をエディスに押し付ける。
 真珠のように白く輝く鱗に、金泥のような瞳は、黒味がかった色の多い飛竜の中では珍しい。
 見た目よりも滑らかな、ひんやりとした鱗を暫く撫でてやると、エディスは最後に、ポンポン、と長い鼻づらを軽く叩いた。
 ポチの鞍を外し、括りつけていた荷物を外すと、おやつとして入れていた魔石を食べさせる。
「私は、エディス。お察しの通り、ラングリード家の者です。お名前を伺っても?」
「はい!俺…私は、ハインツと申します!よろしくお願いします!」
 エディスは、ハインツに残りの魔石を渡すと、鞍の手入れを頼み、兵舎へと足を向けた。
 玄関前の歩哨は、エディスが前庭に着陸した時から、こちらに注目している。
 飛竜に乗って来たのも見えていただろうから、不審者だとは思われていまい。
「東域騎士団団長トマス・ラングリードより、西域騎士団副団長殿に手紙をお持ちしました」
「はっ、どうぞ、お入り下さい」
 手紙の封蝋に捺された紋章を確認した歩哨が、慇懃にエディスを中へと誘う。
 エディスは、東域騎士団長であるトマスに許されて、特別に騎士服を着用しているし、普段は東域騎士団と共に魔獣討伐を行っているが、騎士ではない。
 サンクリアーニ王国では、魔獣が多く出没する為、騎士は男性に限定されている。
 女性は生物学的に男性よりも非力であり、尚且つ、血を繋ぐ大切な役割がある、と言う考えからだ。
 トマスは、エディスの能力を買って騎士団内の仕事をさせているが、息子として扱っているわけではない。
 幾ら団長権限があっても、騎士として登用しているわけではないのだ。
 その辺りの事は、例によって国王ナイジェルとの裏取引があるらしく、給料はちゃんと出ているし、騎士団預かりの身分もある。
 貴族女性が労働するのは賤しい、と言う考えからすると、こうして給料が出る事も異例であるものの、使える人材を使わない等、勿体ないし、一戦力をただ働きさせるわけにはいかない、とトマスが主張した結果だ。
 東域では、エディスの扱いについて知らない者はいないが、初訪問の西域では別だ。
 だが、騎士は男性、と言う固定概念があるのだろう。エディスを不審に思い、見咎める者はいない。
 中に入ると、細身で眼鏡を掛けた騎士が、エディスを出迎えた。
 身長はエディスよりも小柄、腕力でも勝てそうだ。
 体術よりも魔法を得意とする者も少なくないから、彼もそうなのだと思われた。
「副団長の所にご案内致します」
「お願い致します」
 ちら、とエディスを見るのは、黒髪赤瞳がラングリード家の特徴だと気づいているからか。
「ラングリード団長は、昨日、お帰りになったばかりですが…改めてお手紙を頂くとは、何かこちらに不手際がございましたでしょうか?」
「私も、内容については存じ上げないのです、申し訳ありません」
 実際、エディスは、何が書かれているのか知らない。
 西域騎士団に所属している騎士と婚約した、と聞かされ、更に、西域騎士団に行って来い、と言われれば、相手との顔合わせをするのかと思ったのだが、そう言うわけではないらしい。
 今朝、出立の時になって、副団長宛の手紙を持たされただけで、エディスがここで何をすればいいのか、指示は一つもなかった。
 そもそも、婚約者の名前すら教えてくれないのは、どうした事か。
 顔合わせが目的ではないと言うから、正式な紹介の場まで待てばよかろうと、敢えて、尋ねはしなかったけれど、滞在期間次第では、そうも言ってはいられないのではないだろうか。
 トマスの言葉が足りないのはいつもの事ではあるのだが、それにしても、適当過ぎると思う。
「いえ、こちらこそ、立ち入った事をお尋ねしました。こちらが、当騎士団副団長の執務室です」
 示された扉は、周辺のものよりも少し凝った彫刻が彫り込まれていた。
 執務室と簡易の応接室を兼ねているのだろう。
 東域騎士団でも、省スペースの為に同じ仕様になっている。
 王族の視察等、改まった面会をする際には貴賓用の応接室に案内するのだが、同じ騎士同士、尚且つ、気心の知れた東域騎士団団長からの手紙を運んだだけ、と言う事から、こちらに案内されたのだろう、と、エディスは考える。
「失礼致します。副団長、東域騎士団よりお客様がお見えです」
「入れ」
 中から聞こえた声は、とても落ち着いてはいるものの、想定よりも若いようだった。
 東域騎士団の副団長は、エディスの兄、アーサーが務めている。
 三十四歳のアーサーが、副団長としては若手なのだから、西域騎士団でも似たような年代なのだろうと思い込んでいた。
 だが、耳馴染みのいい低い声は、若々しい。
「失礼致します」
 開いた扉の向こうには、予想通り、簡易のソファセットが置かれており、その向こうにたくさんの紙束が積まれた執務机があった。
 書類に埋もれるようにして椅子に腰を掛けているのは、声の通りにまだ若い男性だ。
 エディスの推測によれば、二十代半ば。若く見えるだけにしても、エディスより上と言う事はないだろう。
 髪は雪のように真っ白で、眉も睫毛も白い事から、生まれつきのものだと判る。
 瞳は、金色。
 白に金とは、ポチと同じだな、と、エディスは独り言ちる。
「西域騎士団副団長のジェレマイア・ユーキタスだ。すまないが、立て込んでいる。仕事をしながらで悪いな」
 手元の山積みの書類から、申し訳程度に顔を上げて、ジェレマイアはそう言った。
「お初にお目にかかります。私は、エディス・ラングリードと申します。東域騎士団団長トマス・ラングリードより、副団長殿に書簡を預かって参りました」
 ジェレマイアは、エディスの挨拶に、僅かに目を見張って息を飲んだ。
 ラングリードを名乗りながらも、兄弟達と似ていない事に驚いたのだろう。
 エディスの性別を知らない人間に、似通った反応だ。
 大体はその後、首を傾げる所までが一連の流れなのだが、ジェレマイアは、それ以上の感情を見せる事はなかった。
 エディスは、案内の騎士にトマスから預かっていた封書を渡す。
 封蝋を含め全体を確認した騎士が、続いて、ジェレマイアへと手渡した。
「ダレン、飲み物を。エディス殿、手紙を読み終えるまで、そこで待っていてくれるか」
 ダレンと呼ばれた案内の騎士が、一礼して部屋を辞した。
 エディスもまた、軽く頭を下げて、ソファに腰を下ろす。
 ジェレマイアは、優雅な所作で封蝋を切ると、トマスからの手紙に目を通し始めた。
 東域から出ない上に、社交界での立ち位置が特殊なエディスは、貴族の情報に疎い。
 だが、ユーキタス家が代々西域騎士団を任されている筆頭公爵家であり、現在の当主であるティボルト・ユーキタスが国王の従弟であり、西域騎士団歴代最強と名高い騎士団長である事は知っている。
 当代の騎士団長は、『西の賢人』の異名で呼ばれる魔法騎士だった。
 サンクリアーニ王国では、殆ど全ての国民が魔力を持つが、高位の貴族程、魔力量が多い。
 魔獣の湧き出る深淵の森に囲まれたこの地で、国を興した者達の末裔が貴族となったのだから、当然の事だろう。
 ティボルトは、中でも圧倒的な魔力量と、卓越した攻撃魔法のスキルがあるのだと、エディスは父達より聞いている。
 ジェレマイアは、家名から、彼の息子だと思われた。
 だが、幾ら血縁であっても、実力がなければ役職がつかないのが騎士団だ。
 この若さで副団長の椅子を任されるとは、相当の手練れと見ていい。
 主な任務が魔獣討伐であるサンクリアーニ王国の騎士は、大別すると、武器を使う近接戦闘を得手とする者と、攻撃魔法を使う遠隔戦闘を得手とする者に分かれる。
 武器を使う者であっても魔法を使わないわけではなく、魔法を使う者であっても武器を使わないわけではない。
 ユーキタスを名乗るジェレマイアは恐らく、魔法を得意としているのだろう。
 対するエディスは、脳筋一家の名に恥じない肉体派だ。
 手合わせがしたい、と、うずうずと気持ちが浮足立ったエディスは、西域に寄越された理由を思い出す。
 今のエディスの役割は、西域騎士団の手伝い。
 何を求められるのだろう?と、視線を手元に落としたままのジェレマイアの姿を眺めた。
 柔らかそうな艶のある白髪は、首筋まで覆う長さがあり、よく手入れされているようで、室内でもきらきらと輝いている。
 頬に濃い影を落とす、伏せた長い睫毛。
 真っ直ぐに通った鼻筋、色の薄い唇、シャープな線を描く頬。
 男性の美醜に疎いエディスでも、彼が美男子である事は判る。
 副団長と言う地位から考えれば、騎士としての実力は確かなものだろうが、貴公子としての実力も、相当なものだろう。
「…何か?」
 些か、不躾に眺め過ぎただろうか。
 視線も上げずに問うてきたジェレマイアに、エディスは、
「いえ…」
と返した後に、誤魔化しても意味がないか、と開き直った。
「副団長殿は、相当な手練れとお見受けします。是非とも、手合わせ願えれば、と」
 対魔獣の訓練を行っている騎士同士であっても、試合う方法はある。
「ほぅ…?」
 ジェレマイアが、興味を持ったのか顔を上げた時に飛び込んできたのが、リックだったのだ。
 リックが騒いでいる事に気づいたダレンが慌てて駆けつけ、現在、ジェレマイアの執務室には四人が顔を合わせていた。
「エディス殿」
「はい」
 ダレンの淹れた茶を一口飲んで、エディスはジェレマイアの顔を見る。
「ラングリード団長から、エディス殿を西域騎士団の助っ人としてお貸し頂く事になった。団内でのエディス殿の処遇は、俺に任せて頂けるそうだ。問題ないだろうか?」
「はい、承知致しました。騎士団の仕事でしたら、前線からお茶汲みまで、一通り経験しておりますので、お申し付け下さい」
 出来れば、お茶は私に淹れさせて下さい。
 ダレンの淹れたお茶が余りに渋くて、エディスは心の中で付け加える。
 何で、顔色変えずに飲めるのだろう、この人達は。
「今年、西域で起きた異変については聞いているか?」
「当たり年、としか」
「そうか。西域が接する深淵の森には、地竜が眠っている。およそ百年周期で起きて活動するのだが、地竜の目覚めと共に、周辺の魔獣が活性化するんだ。地竜は、体を存分に動かしたら、また眠りに落ちる。期間はまちまちだが、長い時で二年は暴れたらしい。今回は、ラングリード団長とラングリード兄弟の助太刀の結果、想定よりもかなり早く眠ってくれたんだが、戦闘で大勢の騎士が負傷し、人員が不足している上に、地竜の魔力に触発された魔獣がまだ収まりきっていない。現在は、森から出て来る魔獣を警戒、討伐の繰り返しだ」
「なるほど。因みに、種類としてどのようなものが?」
「数が多いのは角兎と角狼だな。警戒レベルが上がるのは月狼以上」
 エディスは、軽く首を傾げた。
「…特に、普段と違うものが出ている感じではありませんね?」
「そうだな」
「量が、尋常じゃなく多いとか…?」
「誤差の範囲だな」
「えぇと…?では、父は何故、私を…?」
「たまには、東域以外の騎士団を見てみるのもいいだろう、と仰せだ」
「はぁ…」
 これでは、手伝いではなく、お客さんじゃないか。
 困惑が伝わったのか、ジェレマイアは小さく笑った。
「うちの団長なんだが、私用で王都に出ているんだ。傷病休暇を取っている者が多くて、俺一人では、手が足りない。俺の補佐として滞在して貰えると、助かる」
 ジェレマイアは、書類整理の続きをしなくてはならないと言う事で、面会はここで一旦終了。
 東域から到着したばかりのエディスの本日の仕事は、なし。
 明日から、書類整理の補佐をする事になった。
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