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 フェルディナンドが、ノーハンを去ってから二週間。
 彼は、工作の為に連れて来ていた『私設騎士団』ではなく、アテムに待機させていた本物の私設騎士団を伴って王都へと戻って行った。
 アテムまで随行したロベルトによると、王宮で顔を見た騎士が何人も含まれていたと言うから、その実力はお墨付きだろう。
 噂を回す為だけに、二十名もの騎士を雇う発想にシャーロットは驚いたのだが、ノーハンにも他領にも、裏工作だと露見しないようにするには、これ位、当然だ、と、フェルディナンドは微笑んでいた。
 演技中のフェルディナンドは、如何にも頭の悪い人族第一主義の貴族に見えた。
 だが、それは誇張でも何でもなく、一部貴族の価値観だ、と聞いて、シャーロットは嘆息する。
 社交界の経験がほぼゼロのシャーロットであっても、マハト王国の歴史を見れば、ノーハンの、獣人族の重要性は判る。
 だが、それが届いていない人物が、決して少なくないと言う事は、やはり、ヴィンセントが言うように、交流が乏しいのが原因なのだろう。
「シャーロット様、ドレスのお色に合わせて、お化粧はこのようなお色味でいかがでしょうか」
 カーラとロベルトは、正式にノーハン領主館で雇用される事となった。
 カーラは、シャーロット付きの侍女。ロベルトは、ヴィンセントの従者として、だ。
 ヴィンセントの周囲の世話は、これまで、近習達が交代で行っていたが、彼等は護衛に専念し、ロベルトが専従の従者として仕えている。
 カーラは、以前から傍についてくれていたカトリと交代で、世話をしている。
 塔では不可能だったシャーロットの身の回りの世話が出来る事に喜んで、日々、精力的に動き回っていた。
 特に今日は、一層の気合が入っている。
「カーラに任せるわ」
「お任せ頂けるのは侍女冥利に尽きますが、シャーロット様のご希望はございませんか?」
「まだ、ドレスやお化粧の事は判らないもの…」
 カーラは、シャーロットのノーハンでの立場を鑑みて、シャーロットの呼称を『姫様』から『シャーロット様』に変更した。
 本来なら、ドレスと装飾品のコーディネートや、化粧の色遣いは、実際に行うのが侍女であっても、淑女教育の一環として受けるものだ。
 シャーロットは、学ぶ機会のないまま、ノーハンに来たので、カーラに学んでいる最中だった。
 カトリはメイドとしては優秀だが、貴族女性の世話に慣れているわけではない。
 ヴィンセントの母であるメリーダが領主館に住んでいた時には、侍女も置いていたそうなのだが、彼女達はアテムからメリーダと共にやって来て、メリーダがアテムに戻る時に同行したので、ノーハンには、貴族女性の侍女を勤められる人材がいない。
「では、練習致しましょうか」
 自信なさ気なシャーロットの顔を見て、カーラは微笑んだ。
 今日、シャーロットが纏うのは、落ち着いた山吹色のドレスだ。
 滑らかな光沢を持つタフタの生地が、腰のラインで切り替えられ、裾に向かって大きく広がっている。
 華奢な肩と胸元には、共布のフリルと布細工で作られた薔薇が飾り付けられており、下半身とのバランスを取っていた。
「アクセサリは、こちらの中からお選び下さい」
「これは、どうかしら?」
 見せられた中から、シャーロットが手に取ったのは、真珠だった。
「なるほど…では、御髪はまとめ過ぎず緩いアップにして、真珠で飾りましょうか。シャーロット様のチョコレート色の髪に、クリーム色の真珠がよく映える事でしょう」
 話しながら、カーラは丁寧にシャーロットの髪を梳くと、頭の高い位置に髪をまとめていく。
 下半分の髪で土台を作った上に、上半分の髪を緩くピンで留め、後れ毛を残して小粒の真珠のピンで飾ると、艶々とした髪の輝きが一層増すようだった。
 後れ毛も、丁寧に巻いて、ほっそりとした首筋を彩らせておく。
「今日は特別な日でございますから、お化粧も華やかに致しましょう。ふふ、ノーハンの方が驚かれますよ」
「そうかしら…でも、私はほら、このように幼い見た目でしょう?背伸びしているように見えない?」
「大丈夫でございますよ、初々しさを前面に押し出しましょう」
 色白のシャーロットの肌は、殆どおしろいが必要ない。
 肌の表面を整えると、カーラは楽しそうに化粧を施していく。
「カーラ…嬉しそうね」
「それは、勿論。シャーロット様をお美しく装うのが、長年の夢だったのですから」
 塔にいた間、王女として扱ってくれた限られた内の一人であるカーラ。
 彼女が喜んでくれるのであれば、この緊張しか感じない行事も、乗り切れるだろうか。
「まぁ、シャーロット様…とても、お美しいですわ」
 仕上げに一粒真珠の耳飾りと、一連になった真珠の首飾りを留めると、カーラは目を輝かせて感嘆の声を上げる。
「奥様、どうぞ、こちらへ」
 カーラの手伝いをしていたカトリが、にこにこしながらシャーロットを全身鏡の前に誘導した。
「まぁ…」
 鏡の中の自分を見て、シャーロットは絶句する。
 金よりも濃い山吹色のドレスは、ヴィンセントの鼈甲色の瞳になぞらえて選んだ色だ。
 全て共布で飾ってあるドレスよりも、王都の夜会で着たレースや宝石で美々しく飾った淡緑のドレスの方が、数段高価だろう。
 だが、しっかりと採寸し、体に合わせて仕立てたドレスは、シャーロットによく似合っていた。
 重いばかりだったドレスよりも、こちらの方がいい、と、シャーロットは心の中で呟く。
 色合いを優先して選んだ真珠も、落ち着いた雰囲気のドレスにぴったりだ。
「御屋形様が、惚れ直される事、間違いなしですわ」
 カーラが笑うと、カトリが、
「あら、大変。これ以上、御屋形様が奥様に惚れ込んでしまわれたら、お仕事をしなくなってしまうかもしれませんよ」
と、カラカラと笑う。
「…本当にそう思う?ヴィンセント様は、喜んで下さるかしら」
「えぇ、勿論ですとも!」
 不安そうなシャーロットに、カトリは、どん、と胸を叩いて応えた。



 応接間に一歩足を踏み入れたシャーロットは、部屋の真ん中にすくりと立っていたヴィンセントに見惚れて、足を止めた。
 緩く癖のある黒髪は後ろに流され、鼈甲色の瞳がよく見える。
 シャーロットとの結婚問題が片付くまで、やつれて憂いを帯びたた面持ちをしていたが、関係が改善されて以降は、食欲も戻り、睡眠もしっかり取れていた。
 その上、シャーロットへの愛を堂々と公言出来る事もあって、肌艶も良くなり、誰もが見惚れる精悍な顔立ちには、そこはかとなく色気も漂うようになっている。
 背が高く肩幅が広いヴィンセントには、礼装がよく似合う。
 黒のジャケットとトラウザーズは、特にデザイン性の高いものではないが、装飾を極力排しているからこそ、本人の秀でた容姿が目立っていた。
 唯一の装飾がジャケットの下衿に留められたラペルピンで、ペリドットの明るい緑が、艶のある黒い生地に映えている。
「…ロッテ」
 シャーロットがヴィンセントに見惚れていたように、ヴィンセントもまた、シャーロットに見惚れていた。
 嬉しそうに頬を緩め、エスコートの為に手を差し伸べると、シャーロットは彼の手にそっと己の手を重ねる。
「ドレスの色は秘密だと聞いていましたが…これは、私の瞳の色だと、自惚れても?」
「…っ、はい」
 気恥ずかしくて俯くと、ヴィンセントの視線に甘さが滲む。
「己の色を纏わせたい。以前は、そのような独占欲を、真の意味で理解する事が出来ませんでしたが…想像以上に嬉しいものですね」
「…ヴィンセント様も…その、ピンは…」
「えぇ、貴女の瞳の色を身につけたいと思いまして」
 二人で顔を見合わせて、照れたように笑っていると、ヘンリクが静かに声を掛けた。
「御屋形様、シャーロット様。前庭の準備は完了致しました。足をお運び頂いてもよろしいですか?」
「あぁ。ロッテ、準備は大丈夫ですか?」
「…はい。緊張、しますが…」
「大丈夫です、私が隣におります」
 ヴィンセントの腕にシャーロットが手を添えると、ヘンリクの誘導に従って表玄関へと向かう。
 大きく開かれた玄関扉の先には、丘一杯に集まった獣人族の姿があった。
「領主様!ご結婚おめでとうございます!」
 誰かが、声を張り上げると、その声をきっかけに、
「おめでとうございます!」
と、祝福の声が続く。
「こんなに…たくさんの方が…」
 胸が一杯になったシャーロットは、視界がじわりと滲んでいく事に気が付いた。
 ぱちぱちと瞬きをする様子を見て、ヴィンセントが微笑む。
「えぇ…嬉しいですね」
「はい…」
 今日は、ヴィンセントとシャーロットの結婚式が執り行われる日。
 マハトの結婚式には、誰でも立ち会う事が出来る。
 伴侶となる二人は、人々の前で、生涯支え合う事を宣言するのだ。
 ヴィンセントとシャーロットは既に、領主館の使用人の前で愛を誓い合い、書面上の婚姻が成立している。
 だから、フェルディナンドが乗り込んで来た時、シャーロットは「シャーロット・バーナディス」を名乗った。
 だが、お披露目とも言うべき結婚式は、まだ挙げていなかった。
 ヴィンセントが結婚する事、相手が人族である事は、領民に根回ししていたものの、確実にシャーロットの身が安全だと認められない内は、結婚式を挙げるべきではない、とヴィンセントが主張していたからだ。
 しかし、多くの人々が認めている方が、効果が大きい、とのフェルディナンドからの忠告もあり、きちんと形を整える事にした。
 シャーロットを、領主であるヴィンセントの妻として広く紹介しておく事で、ノーハンに侵入し、シャーロットの身柄を狙う輩から守る手立てが増える、と説かれたヴィンセントは、そろそろ反対意見も減って来ていますから、とのヘンリクの後押しもあって、頷いたのだった。
 二週間で仕立てる事になったシャーロットのドレスと、ヴィンセントの礼装は、王都の物程華美にならず、シャーロットは好ましく思っている。
「静粛に。これより、ノーハン領主ヴィンセント・バーナディス様と、シャーロット・エイディア嬢の結婚の儀を執り行います」
 進行役を買って出たヘンリクが、興奮して口々に話し出す人々を制止する。
 幾ら獣人族の視力が人族よりもよくても、丘の端から二人の姿を見る事は難しいだろう。
 だが、雰囲気だけでも味わいたいと、領主館に集った領民に視線を巡らせて、ヴィンセントは感慨深そうに口を開いた。
「我が愛するノーハンの民に誓う」
 シャーロットは、ヴィンセントの声がより遠くまで風で運ばれるように、さり気なく精霊に協力を頼む。
「私、ヴィンセント・バーナディスは、シャーロット・エイディアを妻として迎え、生涯、変わらぬ愛を捧げる」
 ヴィンセントに柔らかく視線を送られたシャーロットもまた、一つ頷くと領民に向かって微笑みかけた。
 本来なら、王女として生まれたシャーロットが求められる役割は、慈善に携わり、国民の心に寄り添う事だった筈だ。
 現場に赴くどころか、指導を受ける機会すらなかったシャーロットではあるが、王女の役割について、全く無知だったわけではない。
 精一杯の慈愛の笑みを浮かべたシャーロットは、領民へと語り掛ける。
「私、シャーロット・エイディアは、ヴィンセント・バーナディス様を夫とし、彼を生涯愛し、支える事を、ノーハンの皆様に誓います」
 広く丘を見渡すと、歓迎の表情を浮かべる領民が多い一方で、眉を顰める者も確かに見受けられる。
 ヴィンセントが話していた通り、課題がないわけではない事が、よく判る。
 だが、それらを踏まえても、シャーロットはヴィンセントの隣に立つ役目を、他の女性に渡そうとは、もう、思えなかった。
 共に支え合い、立ち向かう。
 誰よりも強く、誰よりも優しく、そして、誰よりも寂しがりやの彼を護るのは、自分だ。
 領民の前での誓いを終えた二人の前に、彼等を代表して各氏族の長が歩み出る。
「河馬族を代表して、お二人のご結婚を寿がせて頂きます」
「蛇族より、心からのお祝いを申し上げます」
 長達は、中立の立場を守る為か、過剰に祝福する様子も、また拒む様子も見せず、淡々と祝辞を述べては下がって行った。
「猫族より、お伺い致します」
 だから、最初から無表情の中に激情を込めた瞳をした男性は、目立っていた。
 三角形の耳と細長い尾は艶のある青灰色で、瞳は金色。
 癖のある金髪が、誰かに似ている…と考えて、カティアに似ているのだと気が付いた。
 カティアの身内なのだろうが、父親にしては若過ぎる。精々二十代だろう。
 他の氏族の長が、もう少し年配である事を思えば、彼は若いながらに実力者と言う事だ。
「…何だろうか」
 猫族の長の言葉に刺がある事に気が付いているだろうに、ヴィンセントは穏やかに男の言葉に問い返す。
「何故、カティアをお選びにならなかったのですか」
 カティアの名は、今、ノーハンで禁句となっていた。
 何しろ彼女は、領主の妻となる女性の情報を、悪意持つ人に売ったのだから。
 他の氏族の長が息を飲む中、ヴィンセントは憤るでもなく、静かに返答する。
「カティアを選ばなかったのではない。私にとって、ロッテ以外の女性は皆、同じなのだ」
 それは、綺麗事でも何でもなく、ヴィンセントの本心だった。
 世の中の女性は、シャーロットとそれ以外、この区分しかない。
「番、なのだと仰る?」
 彼の声が、強張る。
「半獣人である私と、人族であるロッテが、番だと声高に叫んだ所で、お前は納得しなかろう?」
 対するヴィンセントは、あくまで穏やかに言葉を返した。
「レイ。お前が、従妹であるカティアに何を聞いたのかは知らん。だが、カティアの願いを聞いた故に、推薦して領主館で勤められるようにしたのだろう?実際、ロッテが来るまでのカティアは、よく勤めてくれた。…だが、レイ。お前は、カティアが私に恋慕していたわけではない事を、知っていたか?」
「…え?」
 初めて、猫族の長――レイの顔に、戸惑いが浮かぶ。
「彼女は、ウィルヘルムにも言い寄っていた」
「!」
 愕然と目を見開いたレイに、他の氏族の長達の同情の視線が集まった。
 彼は、失恋に泣く従妹を思う余り、ヒトの気持ち等、他人にはどうしようもないと判っていながら、憤慨する気持ちをヴィンセントにぶつけた。
 だが、領主を慕っているのだと言う従妹の恋の応援をしようと、長の権限を使って領主館に送り込んだつもりが、彼女は純粋に領主を慕っていたわけではない、とは。
「私の心はずっと、ロッテのものだったから、どちらにせよ、彼女の気持ちに応える事はなかった。だが、そこに弟まで巻き込まれていたとなると…ただ気づかない振りをしていたのは悪手だったのだろうな」
 溜息を吐くヴィンセントの顔を見て、レイの顔色が青褪めていく。
 彼は漸く、自分の言い分が思っていた以上に言いがかりである事に、気が付いたのだ。
「…っ、他の猫族への咎は、ご容赦を。全ては、長でありながら真実を見抜く事の出来なかった私に…っ」
「心配無用だ。猫族の情の深さは知っている。お前はただ、従妹の願いを叶えたかっただけだろう?」
 俯いたレイの肩を、ぽん、とヴィンセントが叩く。
「カティアは今、姿をくらましているが、いずれは猫族の集落に戻るだろう。そうしたら、私の所に顔を出すよう、説得してくれればいい」
「…御意に」
 レイは、何かを振り切るように唇を噛み締めると、青褪めた顔のまま、ヴィンセントとシャーロットに頭を下げた。
「御前をお騒がせ致しまして、申し訳ございませんでした。猫族を代表して、お二人のご結婚を祝福致します」
 これで、カティアは、戻る場所を失った。
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