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 棘の繭とどのような関係があるものか、これ以上、草原が枯れる事はなかった。
 広範囲に渡り、葉は茶色く枯れ果てているが、根まで死んでいるわけではなく、土が汚染されているわけでもない、とは、領主館の庭師ガレンの見立てだ。
 今、丘の上には、カーシャで駐屯中にも使用した大きな天幕が張られている。
 六本の支柱に、分厚い丈夫な防水布を張ったものだ。
 不要な衆目を集めないよう、ウィルヘルムの近習の手で迅速に設営された。
 棘の繭は、文字通り鋭い刺に守られており、ガレンが薔薇の手入れに用いている革手袋程度では、貫通してしまった為、触れる事すら出来なかった。
 領主館の中に繭を移動出来ない以上、この場で可能な限りの保護をしなくてはならない。
「…ウィルヘルム」
 両腕を刺で傷つけ、血だらけになったウィルヘルムに、ヴィンセントが声を掛ける。
 一つ一つの傷口は、刺の太さに応じて然程大きなものではないが、如何せん、数が多い。
 ウィルヘルムは、傷の治療を受けながらも、繭から目を離そうとしない。
「これは…やっぱり、シャーロットなんだな」
 現場にいたのは、ウィルヘルムだけだ。
「だと、思う。悲鳴を上げたシャーロットの下…俺には、土の中から出て来たみてぇに見えたけど、刺の生えた蔓が、凄い勢いでシャーロットの体を覆い隠したんだ」
 ウィルヘルムの声は、震えていた。
 棘に覆いつくされそうになるシャーロットを、何とか引き寄せようとした結果の負傷だ。
「ごめん…兄さん。シャーロットを、守れなかった」
「…こんな事になるとは、俺も思っていなかった。お前が悪いわけじゃない」
「でも、俺の言葉がきっかけだと思うから」
 ウィルヘルムの言葉に、ヴィンセントが眉を顰める。
「シャーロットは…俺との結婚を受ける、って言ったんだ。兄さんが、シャーロットを守る為に考えた方法なんだから、それを受け入れないといけない、って。だから、言った。兄さんを好きなのに、それでいいのか、って」
「…それは…婚約者が、俺だと思っていたから…。彼女は誠実だから、婚約者を愛さねばならないと思っている。時間を置けば、お前の事を、」
「兄さんって、頭いいけどバカだよな」
「…」
「きっかけは、そうだったかもしれねぇよ。だってシャーロットはこれまで、男と会話した事なんかないんだ。でもさ…俺だって、兄さんがいない間、シャーロットを見てたんだよ。シャーロットの婚約者が兄さんだって知らない間も、ずっと、見てた。話がうまく進まなかったらどうしよう、って不安になりながら、それでも婚約者の無事を一生懸命願ってるあいつを、見てたんだ」
 ウィルヘルムが、ヴィンセントを睨みつける。
「兄さんは、バカだ。あいつが、あんなに兄さんの事を好きなのに、自分から手を離すような事をして」
「ウィルヘルム、」
「シャーロットはさ、兄さんが幸せになれるように、番に出会えればいいのに、とか言うんだ。本当は自分が、兄さんの隣にいたいのに。あいつは、兄さんの幸せは願うけど、自分が幸せになろうとは、欠片も考えてない。俺と結婚する、って言ったって、それは飽くまで、兄さんが望むからであって、自分が幸せになる為とか、ましてや俺を好きだからとかじゃないんだよ」
 それが、どれだけ、ウィルヘルムにとって残酷な事か、シャーロットは知らない。
 ウィルヘルムが、シャーロットを異性として慕い、幸せにしたいと考えている事など、気づいてもいない。
「きっかけが何であれ、シャーロットの気持ちは本物だ。俺が見る限り、兄さんだって、シャーロットの事が好きなんだろ。本気で気に入ったから、婚約者にしたんだろ。シャーロットの幸せとか何とか格好つけんなよ。好きなら、自分の手で幸せにしてやれよ!」
「好きと言う気持ちだけで幸せに出来るなら、とっくにそうしている!!」
 ヴィンセントの咆哮に、ウィルヘルムは押し黙った。
 ヴィンセントの目に浮かぶ痛みに気づいて、
「…ごめん」
 小さく謝罪する。
「もしも、俺が辺境伯じゃなければ、もしも、俺が半獣人じゃなければ、もしも…そんな、仮定を考えた所で意味がないんだ。シャーロットを確実に守り、幸せに出来る方法が、他に思いつかなかった…!」
「俺も、ヘンリクを説得するから、」
「ヘンリクだけ説得した所で、意味がない。ノーハンの領民全てとは言わんが、これ以上、人族の血の濃い領主を頂く事を是としない者は多い」
「それは…」
 そんな事はない、とは、ウィルヘルムには言えなかった。
 学校に通っていても、聞こえてくる声がある。
 「ウィルは最強の番の子なんだから、成人したら、辺境伯を襲爵するんだろ?」と、一片も疑わずに問うてくるクラスメイトや領民達。
 彼等は、これまでヴィンセントに守られてきたと理解している一方で、ヴィンセントの事をウィルヘルムが成人するまでの繋ぎとしか考えていない。
 ウィルヘルムだって、励んでいるつもりだ。
 だが、まだ兄には適わないと実感しているのに、まだ越えられないと思っているのに、一方的に期待を押し付けてくる。
 ヴィンセントの功績は純血の獣人族に勝るものなのに、ウィルヘルムが『番の子』と言うだけで、勝手に過大評価してくるのだ。
「シャーロットは…精霊の祝福を受けた娘と言う理由だけで、狙われているわけではない」
「え…?」
 シャーロットについて、詳細な話は聞いた事がないウィルヘルムが、顔色を変える。
 てっきり、強力な祝福の為に狙われているのだと思っていたのに。
「勿論、奴らは祝福を手に入れる事が狙いだろう。だが、それ以上に、彼女の身分が問題なんだ」
「身分…?」
 ちょっとした所作や言葉遣いから、貴族の令嬢だと思っていたのだが、違うのか。
 貴族籍にある者同士ならば、例え当主ではなくとも、結婚に何の障壁もない筈だ。
「シャーロットは、マハトの王女だ」
 ヴィンセントは、淡々と事実を述べる。
 ウィルヘルムは、驚いて目を見開いた。
「王女…?」
 十五歳のウィルヘルムは、まだ、王都を訪れた事はない。
 隣領アテムとは、メリーダの一件以降、疎遠になっている。
 当然、貴族界の繋がりもない。
 そんなウィルヘルムの元に、精霊に祝福された王女の話は、届いていない。
「シャーロットが…王女…?」
「そうだ」
「でも…家名が…」
「何処で誰に狙われるか判らない状況で、堂々と降嫁して頂くわけにはいかなかった。だが、仮の名と身分で過ごして頂いているとは言え、王家の姫。…爵位がなくては、とても、お守り出来ない」
 最後は、囁くような小声だった。
 シャーロットを守る為に、爵位が必要だ。
 だが、バーナディス辺境伯家の特殊な立場は、半獣人と人族の結婚をよしとしない。
 何故、ヴィンセントがウィルヘルムとシャーロットの結婚を強硬に進めようとしたのか、シャーロットが何故、諦めた顔をしていたのか、漸く理解出来て、ウィルヘルムは項垂れた。
「…でもさ、兄さん」
 暫く考えていたウィルヘルムは、静かに話し掛ける。
「シャーロットは…どうして婚約者を入れ替えなきゃいけないのか、判ってたから頷いたけど、心では受け入れられなかった。…だから、こうなったんだ」
 緑の棘で出来た繭に目を遣ると、ヴィンセントが、ぐっ、と唇を噛んだ。
 そうだ。
 この棘で囲われた繭は、誰にも触れられたくない、と言う拒絶の証。
 シャーロットは今、世界の全てを拒絶している。
 きっかけがヴィンセントにある事は、彼にも十分、判っていた。
「…俺が、逃げたからだな」
 ウィルヘルムは何も言わない。
 シャーロットを守る為、として進めた話が、シャーロットを傷つけた。
 シャーロットの幸せとは、何だったのか。
 一方的に、ヴィンセントが決めつけた結果が、世界の拒絶だ。
「シャーロット…」
 きちんと、話し合いたい。
 シャーロットがどうしたいのか、その希望すら聞く事がなかった事に、漸く気が付いた。
 彼女から先に拒まれる事が怖くて、冷静な振りをして、勝手に決めつけた。
 その行動が、彼女を深く傷つける事を、想像もしないで。
 そのまま、地面に座り込んで繭を見つめるヴィンセントを見て、ウィルヘルムはそっとその場を去る。
 ヴィンセントには今、シャーロットと向き合う時間が必要だ。



 ヴィンセントは、地面に座り込んで、じっと、繭を見つめていた。
 片膝を立てて、そこに顎を乗せ、身動ぎ一つしない。
 途中で何度か、従者が飲み物や食べ物を運んで来たが、一切、拒否した。
 繭の中にいるシャーロットは、何も口にしていないのだ。
 とても、喉を通る気がしない。
 繭を前にして、ただ手をこまねいていたわけではない。
 だが、小刀で棘を取り除こうとすると、切り取った端からシュルシュルと伸びて、同じように覆い隠してしまう。
 せめて、中にいるシャーロットの様子だけでも確認したいのだが、分厚い棘の壁に阻まれて、その希望は叶わなかった。
「ヴィンス」
 真夜中、ロビンが飲み物を運んで来たが、ヴィンセントは一瞥しただけでまた、顔を繭に向ける。
「少し、休め。お嬢様を助ける前に、お前が倒れるぞ」
「…離れたくない」
「ここでいいから、横になるだけでもしろ」
 ロビンは、手にしていた敷布をヴィンセントに渡した。
 ヴィンセントは、敷布と繭を交互に見て、思い悩むように眉を寄せる。
「…公表すべきなんじゃないか」
「何を」
「お嬢様が、お前の番だって。そうすれば、番至上主義の奴らは何も言えない」
「…俺は、シャーロットが番だと、口にした事があったか?」
「ないな。だが、そうなんだろ?十五年前のお前の話を聞いてたら、そうとしか思えない」
 十五年前、ザイオンに連れられて初めて王都に向かったヴィンセントは、帰宅するなり、『見つけた!』とロビンに報告に来た。
 何を、と問うと、すっごい可愛い子がいたんだ、と相手の可愛さを何処か照れたように、誇らしそうに語ったヴィンセント。
 彼女を見ているだけで、心が満たされる事。自分の手で幸せにしたいと言う気持ちが理解出来た事。どうにかして、求婚する権利が欲しい事。
 最後に、三歳と言う年齢を聞いて、これまで自分達の猥談に加わらなかったのは、幼女趣味のせいだったのか、とドン引きした。
 そんな話をした事も忘れていた四カ月前。
 ヴィンセントはナランとの諍いの最中、突然、王都の夜会に参加すると言いだして、周囲を戸惑わせた。
 仕方なく同行してみれば、どれだけ秋波を送られても義理以外にダンス一つ踊らないヴィンセントが、自ら少女に声を掛けていて、益々驚いた。
 その上、足を痛めた少女を、大切そうに嬉しそうに抱え込んでいるのだから。
 おまけに、どさくさに紛れて、その小さな足に騎士のような口づけを捧げていた。
 長年、ヴィンセントに付き従ってきたが、そんな姿は見た事がない。
 ヴェールを掛けている相手に一目惚れでもしたのかと思いきや、会話を聞けば、ヴィンセントと少女は初対面ではないと判った。
 つまりは、十五年前の少女と、再会したと言う事なのだろう。
 そこで、ロビンの脳裏に閃くものがあった。
 彼女が、ヴィンセントの番だ。
 頭の中で勝手に、ヴィンセントは半獣人だから、両親の件があるから、番とは出会わないだろう、と思い込んでいた。
 そんな事は、なかった。
 ヴィンセントは十五年の間、番が成人するのを待っていたのだ。
「その番が、人族でも、か」
 ロビンの言葉を否定せずに、ヴィンセントは、自嘲するように笑った。
 人族は、番を本能で察知する事は出来ない。
 そんな事は、獣人族ならば子供でも判っている。
 シャーロットには、自分がヴィンセントの番である自覚はない。
 純血の獣人族だって、番に出会える者は一握り。
 半獣人のヴィンセントが番に出会ったと、ましてやその相手が人族だと、言った所で、誰が信じるのか。
「お前は、俺とシャーロットの婚姻に否定的だっただろう?」
「他の奴らは、戸惑いつつも、お嬢様に絆されたみてぇだったけどな。それ見てたら、俺一人位は冷静じゃねぇと、って思うだろ」
 盛り上げるだけ盛り上げて、やっぱり結婚出来ませんでした、となった時のダメージを、どうしたら減らせるか、考えていたのだ、と、ロビンは、苦笑する。
「番、なんて言葉を使わなくても、問題がなければそれで良かったが…そんな事、言ってられる状況じゃねぇだろ。番の信憑性なんて…今のお前の顔を見たら、信じざるを得ないと思うけどな」
「別に番じゃなくとも、愛する人がこのような状況に陥ったら、誰でも同じようになるだろう」
「そうだろうな。けど…何て言うか、そうじゃなくて…」
 珍しく、言いよどむ。
「…俺、な。十年前のあの日、イリナを見掛けてるんだ」
 初めて聞く話だった。
「あの日、俺はお前の傍を離れてて、先代様の事故を知ったのは翌日だった。だから、イリナを見掛けた時点では、先代様の死を知らなかった」
「あぁ…」
 十年前の、ヴィンセントの両親が亡くなった夏は、例年よりも雨が多かった。
 ロビンの実家がある狼族の集落の裏山が、大雨の影響で崩れ、土砂の撤去や住宅の再建の為に、ロビンが二週間程、休暇を取って集落に戻っていた事を、ヴィンセントは思い出す。
「日常を取り戻すのに必死だったから、当然、ウィルヘルムの話も知らなかった。だから、イリナを見掛けても、『久々に見たな』位しか思わなかったんだが…顔を見て、ぞっとした」
 イリナは、感情が抜け落ちたような、または逆に感情の上限を振り切ったような、何色にも染まっていない顔をしていた。
 それは、無表情とは違う。
 圧倒的質量を持つ感情を抱えきれず、心の何処かが壊れてしまったように見えた。
 番を見つけたのに添えないと、こんな風に壊れてしまうのか、ならば、自分は番と出会えなくていい、と考えている間に、見失った。
 翌日、領主館が騒ぎになっていると聞いて慌てて戻った時、ヴィンセントの両親の死と同時にイリナの死を知り、あの表情は、番を失った事で受けた衝撃を示していたのか、と気づいた。
「…今のお前は、あの時のイリナと同じ顔をしてる。いつ、衝動的に天の花園に踏み出すか判らない不安定さを感じるんだ」
「俺は…死なない。死ぬわけがない。シャーロットが、ここにいるのに」
「判ってる」
 そのお嬢様を失いかねない状況だから心配してるんだ、とは、ロビンには言えなかった。
「とにかく、少し休め。幾らお前が頑丈でも、終わりの見えない状況での不眠不休は悪手だ。いざって時に、お嬢様を守れなくてどうする。天幕の外に、護衛をつけておくから」
「…判った」
 ヴィンセントが大人しく頷いたのを確認して、ロビンは天幕の外に出る。
「ロビンさん…」
 そこで、思い詰めたような顔のウィルヘルムを見つけて、僅かに口の端を上げて笑った。
「盗み聞きはダメだ、って教わらなかったか?」
「必要な情報は、何処で聞けるか判らない、とも教わりました」
 ロビンは、身振りでウィルヘルムを招くと、領主館へと向かう。
 歩きながら、ウィルヘルムが堪えられないように小さく尋ねた。
「…ほんと、なんですか、シャーロットが、兄さんの番だって」
「誰と誰が番かなんて、本人同士以外は判らねぇ」
 肯定とも否定とも取れる返事をして、ロビンは苦笑する。
「単純に惚れた腫れたってのと、番の絆がどう違うのか、俺には判んねぇよ。番じゃない夫婦だって、片方が先に死ねば、残りは弱るもんだ。でもなぁ…お前も、判るだろ。ヴィンセントがただ、入れ込んでるわけじゃねぇのは」
 ウィルヘルムは、複雑そうな顔で頷いた。
 ウィルヘルムだって、シャーロットの事を想っている。
 もしも、彼女を失ったら、喪失感で暫く立ち上がれないだろう。
 だが、ヴィンセントには、正気を失うと思わせる何かがあった。
 この二つは、似ているようで大きく違う。
「シャーロットが…言ってたんです。兄さんに、番が見つかればいいのに、って」
「…何?」
「兄さんに番がいれば、兄さんは幸せになれる。俺やシャーロットの気持ちを傷つけた、って苦しんでる兄さんが、救われる、って。あいつは…本当に、兄さんの事が最優先で、自分の事は全然、考えてなくて…」
「…そうか」
「だから、俺…番が見つかる事を望んだりするな、お前の心が先に壊れる、って止めて。その後…あんな事に、なって」
 ウィルヘルムは、唇を噛み締めた。
「シャーロットは、自分が番だって知ったら、きっと喜びます」
 何処かホッとしたように息を吐くと、ウィルヘルムは一つ頭を振って、気持ちを切り替える。
「ヘンリクは、知ってるんですか」
 バーナディス家家令であるヘンリクが味方につけば、大分、状況は変わる筈だ。
「知らねぇだろうな。ヴィンセントは誰にも、番の話をしてない」
「番を引き離すのは、可哀そうなんでしょう?」
「お前にそれを言われると、十五年前の先代様の選択を否定する事になる」
 ヴィンセントが、番を理由にシャーロットを求められないのは、それもあるのだろう、と、ウィルヘルムは頷いた。
「でも、兄さんにはまだ、伴侶はいないんだから、そこは問題ない。ただでさえ、シャーロットの安全に不安があるんだから、話すべきです」
「…お前は、それでいいのか?」
 ロビンの言葉に、複数の意味が隠されている事を、ウィルヘルムは感じ取る。
 辺境伯になりたくないのか。
 シャーロットを譲っていいのか。
 母の無念を晴らしたくないのか。
「俺、は…シャーロットの事、可愛いと思ってます。婚約者がいたとしても、相手がシャーロットを不幸にしそうなら、全面対決しようと考える程度には。でも…気づいたんですよね。婚約者の事を、兄さんの事を、一生懸命好きでいるシャーロットだから、好きになったんだろうな、って」
 恋をする女性が、美しく見えるのは当然だ。
 ヴィンセントに恋をしているシャーロットだからこそ、こんなにも気に掛かるのだろう。
 だからこそ、彼女の嘆きに付け入るような真似が出来なかった。
「幸せに、なって欲しいです。シャーロットも、兄さんも」
「…そうだな」
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