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大舞踏会の名の通り、広間の中央ではダンスを続ける人々、そして、その周囲では、各自の社交に勤しむ人々がいる。
王族もまた、にこやかに人々と言葉を交わしている。
そんな中で、リンジーは一人、苛立っていた。
ダンスの時間になれば、何としても、アーヴァインと一曲、踊るつもりだった。
国賓であるリンジーの要望を、主催国の王子であるアーヴァインが断れる筈がない。
だが、ダンスが始まる直前になって、アーヴァインはナシエルに何か声を掛けたかと思うと、リンジーが引き留める前に、席を外してしまったのだ。
リンデンバーグ人の中で長身のアーヴァインの姿は、目立つ。
特に今日は、サーラで着ていた礼装とはまた趣の異なる姿で、リンジーは、思わず、恍惚と溜息を零した位だ。
挨拶に訪れる人々に足を止める事なく、にこやかな笑みだけで躱した彼が、バルコニーへと姿を消すまで、ずっと、目で追っていた。
追い掛けたかったが、ナシエルと、彼の側近候補である青年達に次々と話し掛けられて、抜け出す事が出来なかった。
ナシエルは、王太子イグナスの唯一の子であり、いずれは国王となる身。
そして、彼の側近ともなれば、次代のリンデンバーグを担う高位貴族達。
リンジーの言動一つで、彼等との関係が良くも悪くも左右される。
リンデンバーグを訪れた主目的は、アーヴァインとの婚約成立ではあるものの、サーラ王族を代表して来ている以上、母国の名を汚すわけにはいかない。
サーラ国王である伯父にも、今回の訪問で粗相をしたら、アーヴァインとの婚約どころか、サーラ王族としての身分も考えなくてはならない、ときつく厳命されている。
成人した以上、これまでのような振る舞いが許されない事位は、理解していた。
ナシエル達と言葉を交わしながら、横目でアーヴァインが姿を消したバルコニーの扉を窺う。
暫くすると、アーヴァインと銀髪の女性――一度だけ、目通りを許したヴィヴィアン・ブライトンが姿を現した。
まさか、あれだけ念を押しておいたのに、未だにアーヴァインに接触しようとするとは。
怒りが湧いたが、彼女が臣下の礼を執り、アーヴァインが何か一言返し、あっさりと離れた事で、胸を撫で下ろす。
アーヴァインは、身分を隠してヴィヴィアンに接していたと聞いた。
やはり、一時の遊びだったのだろう。
本気で彼女を選ぶわけがないのだ。
出身は、商人から成り上がった男爵家。
そして、現在は伯爵夫人。
夫と不仲だろうが、知った事ではない。
王族とは家柄も不釣り合いだし、既婚者など、もっての外。
だから、大丈夫、上手く行く。
楽団の演奏が、変わった。
閉会へと向かう空気に、人々は名残惜しそうに言葉を交わしながら、開会時と同じ席次へと移動を始める。
国中の貴族当主夫妻が集まる、年に一度の盛大な夜会。
開会時には不在だった次期当主が加わった家もあり、大勢の人間が入り乱れている。
だから、気づいた者は少なかった。
ブライトン伯爵の隣に、その妻の姿がない事を。
「今年も、恙なく大舞踏会を終えられる事を、喜ばしく思う」
厳かなエイデンの声に、人々が頭を下げる。
「新たに迎える年もまた、皆にとって、幸い多からん事を」
例年であれば、この後、閉会宣言だ。
だが、今年は国賓として招かれているリンジーがいる。
成人王族として、初めて一人で公務に臨む隣国の王女に、花を持たせようとしたのだろう。
リンジーは、エイデンの愛する亡妻の姪でもあるのだ。
前に出るよう促されたリンジーは、ちら、と伯母ジゼルと目を見交わして頷いた。
「リンデンバーグ貴族の皆様。今宵は、素晴らしい会にご招待頂き、嬉しく思っております。母の母国であるリンデンバーグで、思い出深い年越しの夜を過ごす事が出来た事に、感謝致します」
胸を張り、だが、初々しさは損なわないように。
好感を持たせる笑みを浮かべ、人々に親しみを抱かせるよう、僅かな緊張を滲ませながら。
ジゼルと散々練習した挨拶は、リンジー渾身の出来栄えだった。
さぁ、いよいよ、本番だ。
「今宵、皆様に、喜ばしいご報告がもう一つございます」
一度、言葉を切って。
「アーヴァイン殿下の、ご婚約についてです」
そして、満面の笑顔で言い切った。
リンデンバーグ全貴族家当主の前で、アーヴァインとリンジーの婚約を宣言する。
婚約を否定しようものなら、国賓であるリンジーに恥を掻かせる事になる。
国家間の関係を思えば、ただでさえ、リンデンバーグでの立場が弱いアーヴァインに、そんな事が出来る筈もない。
鬼ごっこは、終わりだ。
もう、逃がさない。
だが。
「リンジー王女殿下、その先は、私の口から」
続けようとしたリンジーの言葉は、アーヴァイン本人にやんわりと妨げられた。
にこやかな微笑みに、リンジーは言葉を失う。
もう随分長い間、こんな柔らかな表情を見せてくれる事はなかった事を、思い出した。
「私、アーヴァイン・コンラート・リンデンバーグは、今宵、婚約を結ぶ事を、皆に報告する」
静かに、だが、堂々とした宣言に、おぉ、と、広間がどよめいた。
婚約者として、咄嗟に思い浮かんだ姿は、人それぞれ。
今期の社交期に、王都に出て来ていない貴族が、ヴィヴィアンとの噂など、知る筈もない。
アーヴァインの顔を、恍惚と見上げるリンジーを見れば、彼女がアーヴァインを好いているのは、手に取るように判る。
だが、気が逸り、一歩、進み出ようとしたリンジーを振り向く事なく、アーヴァインは、広間へと手を差し伸べた。
「ヴィヴィアン・ランドリック侯爵令嬢。こちらに」
ランドリック侯爵夫妻の影から現れた姿に、リンジーの顔が歪んだ。
目立つ銀髪に、開会時は注視していたにも関わらず、何故、気を払わなくなってしまったのか。
そうだ。
バルコニーでアーヴァインと別れた姿を見て、もう大丈夫、と安心したから…。
同時に、ヴィヴィアンが『侯爵令嬢』と呼ばれた事に、違和感を覚える。
開会時、ヴィヴィアンは、伯爵位の者が並ぶ場所に、確実にいたのに。
だが、ランドリック侯爵夫妻は、嬉しそうにヴィヴィアンを促し、アーヴァインへと押し遣ろうとしている。
公爵位の者達が、彼女が通る道を開けた。
一部の者は、戸惑うように、一部の者は、面白そうに、サンテリオ公爵は、苦々しい顔で。
王族のみが立てる壇上に、ヴィヴィアンが上がる事は出来ない。
アーヴァインは、躊躇なく壇を降りると、前へと進み出たヴィヴィアンの手を、宝物を押し抱くように掬い上げ、自然に彼女の腰を抱き寄せた。
黒の礼装のアーヴァインと、白銀のドレスのヴィヴィアン。
決して揃いの衣装ではないのに統一感があるのは、同じ時に、同じ工房で、ヴィヴィアンが提案して作ったものだからだ。
「実は、求婚を受け入れて貰えたのは、つい先程の事なのだ。だから、発表は後日に、と考えていた。だが…優しい従妹殿は、皆の祝福を望んでくれたようだな」
愛おしそうにヴィヴィアンを見遣った後、アーヴァインが投げ掛けてきた視線の鋭さに、リンジーは竦んだ。
慌てて目を逸らし、会場内の反応を確認する。
ヴィヴィアンと、他の貴族達は同じ高さにいる為、彼女の姿が見えている者は少ない。
だが、こんな暴挙が許される筈もない、との確信は、半数近くの貴族がキラキラした目をしている事で、打ち崩された。
「…アーヴァイン殿下、そのご婦人は、ヴィヴィアン・ブライトン伯爵夫人でしょう…?わたくし、お茶会に招いた事があるのです。彼女の事は存じ上げておりますのよ」
リンジーの声にならなかった声は、ジゼルに代弁される。
「えぇ。以前はそう呼ばれていた事もあります」
「以前、は…?」
「ブライトン伯爵との婚姻は、実態がなく、無効であったと認められました。そして、現在は、ランドリック侯爵家の養女です。彼女は、とても聡明な女性ですから、ランドリック侯爵が殊の外、目を掛けてくれているのですよ」
身分違いも、既婚者である事も、指摘はさせない。
アーヴァインの強い眼差しに、ジゼルは口を閉じた。
「予定外の公表となったが、慶事と言う事で、温かく受け止めてやって欲しい。若い二人の今後に、祝福を」
最後の締めは、国王エイデン。
こうして、茫然とするトビアス、唖然とするスタンリー、憮然とするジゼルとリンジーをよそに、大きな拍手と共に、大舞踏会は幕を下ろしたのだった。
王族もまた、にこやかに人々と言葉を交わしている。
そんな中で、リンジーは一人、苛立っていた。
ダンスの時間になれば、何としても、アーヴァインと一曲、踊るつもりだった。
国賓であるリンジーの要望を、主催国の王子であるアーヴァインが断れる筈がない。
だが、ダンスが始まる直前になって、アーヴァインはナシエルに何か声を掛けたかと思うと、リンジーが引き留める前に、席を外してしまったのだ。
リンデンバーグ人の中で長身のアーヴァインの姿は、目立つ。
特に今日は、サーラで着ていた礼装とはまた趣の異なる姿で、リンジーは、思わず、恍惚と溜息を零した位だ。
挨拶に訪れる人々に足を止める事なく、にこやかな笑みだけで躱した彼が、バルコニーへと姿を消すまで、ずっと、目で追っていた。
追い掛けたかったが、ナシエルと、彼の側近候補である青年達に次々と話し掛けられて、抜け出す事が出来なかった。
ナシエルは、王太子イグナスの唯一の子であり、いずれは国王となる身。
そして、彼の側近ともなれば、次代のリンデンバーグを担う高位貴族達。
リンジーの言動一つで、彼等との関係が良くも悪くも左右される。
リンデンバーグを訪れた主目的は、アーヴァインとの婚約成立ではあるものの、サーラ王族を代表して来ている以上、母国の名を汚すわけにはいかない。
サーラ国王である伯父にも、今回の訪問で粗相をしたら、アーヴァインとの婚約どころか、サーラ王族としての身分も考えなくてはならない、ときつく厳命されている。
成人した以上、これまでのような振る舞いが許されない事位は、理解していた。
ナシエル達と言葉を交わしながら、横目でアーヴァインが姿を消したバルコニーの扉を窺う。
暫くすると、アーヴァインと銀髪の女性――一度だけ、目通りを許したヴィヴィアン・ブライトンが姿を現した。
まさか、あれだけ念を押しておいたのに、未だにアーヴァインに接触しようとするとは。
怒りが湧いたが、彼女が臣下の礼を執り、アーヴァインが何か一言返し、あっさりと離れた事で、胸を撫で下ろす。
アーヴァインは、身分を隠してヴィヴィアンに接していたと聞いた。
やはり、一時の遊びだったのだろう。
本気で彼女を選ぶわけがないのだ。
出身は、商人から成り上がった男爵家。
そして、現在は伯爵夫人。
夫と不仲だろうが、知った事ではない。
王族とは家柄も不釣り合いだし、既婚者など、もっての外。
だから、大丈夫、上手く行く。
楽団の演奏が、変わった。
閉会へと向かう空気に、人々は名残惜しそうに言葉を交わしながら、開会時と同じ席次へと移動を始める。
国中の貴族当主夫妻が集まる、年に一度の盛大な夜会。
開会時には不在だった次期当主が加わった家もあり、大勢の人間が入り乱れている。
だから、気づいた者は少なかった。
ブライトン伯爵の隣に、その妻の姿がない事を。
「今年も、恙なく大舞踏会を終えられる事を、喜ばしく思う」
厳かなエイデンの声に、人々が頭を下げる。
「新たに迎える年もまた、皆にとって、幸い多からん事を」
例年であれば、この後、閉会宣言だ。
だが、今年は国賓として招かれているリンジーがいる。
成人王族として、初めて一人で公務に臨む隣国の王女に、花を持たせようとしたのだろう。
リンジーは、エイデンの愛する亡妻の姪でもあるのだ。
前に出るよう促されたリンジーは、ちら、と伯母ジゼルと目を見交わして頷いた。
「リンデンバーグ貴族の皆様。今宵は、素晴らしい会にご招待頂き、嬉しく思っております。母の母国であるリンデンバーグで、思い出深い年越しの夜を過ごす事が出来た事に、感謝致します」
胸を張り、だが、初々しさは損なわないように。
好感を持たせる笑みを浮かべ、人々に親しみを抱かせるよう、僅かな緊張を滲ませながら。
ジゼルと散々練習した挨拶は、リンジー渾身の出来栄えだった。
さぁ、いよいよ、本番だ。
「今宵、皆様に、喜ばしいご報告がもう一つございます」
一度、言葉を切って。
「アーヴァイン殿下の、ご婚約についてです」
そして、満面の笑顔で言い切った。
リンデンバーグ全貴族家当主の前で、アーヴァインとリンジーの婚約を宣言する。
婚約を否定しようものなら、国賓であるリンジーに恥を掻かせる事になる。
国家間の関係を思えば、ただでさえ、リンデンバーグでの立場が弱いアーヴァインに、そんな事が出来る筈もない。
鬼ごっこは、終わりだ。
もう、逃がさない。
だが。
「リンジー王女殿下、その先は、私の口から」
続けようとしたリンジーの言葉は、アーヴァイン本人にやんわりと妨げられた。
にこやかな微笑みに、リンジーは言葉を失う。
もう随分長い間、こんな柔らかな表情を見せてくれる事はなかった事を、思い出した。
「私、アーヴァイン・コンラート・リンデンバーグは、今宵、婚約を結ぶ事を、皆に報告する」
静かに、だが、堂々とした宣言に、おぉ、と、広間がどよめいた。
婚約者として、咄嗟に思い浮かんだ姿は、人それぞれ。
今期の社交期に、王都に出て来ていない貴族が、ヴィヴィアンとの噂など、知る筈もない。
アーヴァインの顔を、恍惚と見上げるリンジーを見れば、彼女がアーヴァインを好いているのは、手に取るように判る。
だが、気が逸り、一歩、進み出ようとしたリンジーを振り向く事なく、アーヴァインは、広間へと手を差し伸べた。
「ヴィヴィアン・ランドリック侯爵令嬢。こちらに」
ランドリック侯爵夫妻の影から現れた姿に、リンジーの顔が歪んだ。
目立つ銀髪に、開会時は注視していたにも関わらず、何故、気を払わなくなってしまったのか。
そうだ。
バルコニーでアーヴァインと別れた姿を見て、もう大丈夫、と安心したから…。
同時に、ヴィヴィアンが『侯爵令嬢』と呼ばれた事に、違和感を覚える。
開会時、ヴィヴィアンは、伯爵位の者が並ぶ場所に、確実にいたのに。
だが、ランドリック侯爵夫妻は、嬉しそうにヴィヴィアンを促し、アーヴァインへと押し遣ろうとしている。
公爵位の者達が、彼女が通る道を開けた。
一部の者は、戸惑うように、一部の者は、面白そうに、サンテリオ公爵は、苦々しい顔で。
王族のみが立てる壇上に、ヴィヴィアンが上がる事は出来ない。
アーヴァインは、躊躇なく壇を降りると、前へと進み出たヴィヴィアンの手を、宝物を押し抱くように掬い上げ、自然に彼女の腰を抱き寄せた。
黒の礼装のアーヴァインと、白銀のドレスのヴィヴィアン。
決して揃いの衣装ではないのに統一感があるのは、同じ時に、同じ工房で、ヴィヴィアンが提案して作ったものだからだ。
「実は、求婚を受け入れて貰えたのは、つい先程の事なのだ。だから、発表は後日に、と考えていた。だが…優しい従妹殿は、皆の祝福を望んでくれたようだな」
愛おしそうにヴィヴィアンを見遣った後、アーヴァインが投げ掛けてきた視線の鋭さに、リンジーは竦んだ。
慌てて目を逸らし、会場内の反応を確認する。
ヴィヴィアンと、他の貴族達は同じ高さにいる為、彼女の姿が見えている者は少ない。
だが、こんな暴挙が許される筈もない、との確信は、半数近くの貴族がキラキラした目をしている事で、打ち崩された。
「…アーヴァイン殿下、そのご婦人は、ヴィヴィアン・ブライトン伯爵夫人でしょう…?わたくし、お茶会に招いた事があるのです。彼女の事は存じ上げておりますのよ」
リンジーの声にならなかった声は、ジゼルに代弁される。
「えぇ。以前はそう呼ばれていた事もあります」
「以前、は…?」
「ブライトン伯爵との婚姻は、実態がなく、無効であったと認められました。そして、現在は、ランドリック侯爵家の養女です。彼女は、とても聡明な女性ですから、ランドリック侯爵が殊の外、目を掛けてくれているのですよ」
身分違いも、既婚者である事も、指摘はさせない。
アーヴァインの強い眼差しに、ジゼルは口を閉じた。
「予定外の公表となったが、慶事と言う事で、温かく受け止めてやって欲しい。若い二人の今後に、祝福を」
最後の締めは、国王エイデン。
こうして、茫然とするトビアス、唖然とするスタンリー、憮然とするジゼルとリンジーをよそに、大きな拍手と共に、大舞踏会は幕を下ろしたのだった。
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