私の悠々自適な引きこもり生活は、可愛い女の子によって終わりを迎えてしまいました。

神楽咲久來

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第三十五話 やはり私の身体測定はまちがっている。

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「実ちゃんはジャージ姿も可愛いね」
「そりゃどうも」
私と日菜は女子更衣室でジャージに着替えていた。移動するのがめんどくさかったから教室で着替えようと思ったけど、男子が私のことをじろじろ見てきたので日菜から更衣室まで強制的に連れてこられた。
「身体測定なんて何であるんだ? 身長体重なんて個人情報だろ。デリカシーってものを知れ、教師共」
「まぁまぁ。あ、ウチの学校は体力測定と身体測定、健康診断は一緒にやるからね」
「手加減しろよ」
日菜の怪力は恐ろしい (定期)。そして何故健康診断をやる。
「大丈夫だよ、去年はセーブしたから」
「そうか。じゃあ今年は少しぐらい出しても良いんじゃないか?」
さっきは手加減しろと言ったものの、やはり実力というものは知りたいものだ。
「いいよ! 見ててね!」

体育館
「まずは身体測定から始めます。男女別々に行動しますので各自自由に行動する班を作ってください」
担任が椅子の上に乗りながら話す。センセイ身長低いからな・・・・・・。 (138cm)
「実ちゃん、一緒にやろう!」
「来ると思った」
最低二人以上で行動する決まりだから後はいいだろう。 (二人組みで測定する種目もあるため)
「そういえば何で男子も一緒じゃないんだろうね。皆一緒に仲良く行動すれば良いのに」
日菜が純粋無垢な顔をしてつぶやく。
「考えてみろ。身長・体重を測っているときに野蛮な男子がいたらどう思う? それに心音検査をやっているときに男子が覗き込んできたらどうする?」
一応この学園は検診中に下着は脱がないけど。
「そんなに気にするかなぁ」
「お前は羞恥心というのを身に付けろ」
将来悪い男にだまされそうだな。酒の場で酔った勢いで男にお持ち帰りされて・・・・・・。あー、虫唾が走る。
「実ちゃん」
「ん? 冥華か」
銀髪のポニーテールを上下させながらこっちへ来た。その後ろには水星と咲がいた。
「実さん、もし宜しければ私たちと一緒に行きませんか?」
水星が左手を胸に添え聞いてくる。何その清楚系委員長がよくやってそうなポーズ。実際風紀委員長だけど。
「わ、私もぜひお願いします・・・・・・! 一人じゃ、こ、怖くて・・・・・・」
いつもどおり体全体に布を被る咲。もうお前委員長辞めろよ。
「いいですよ! じゃあ皆で行きましょうか!」
「久々に日菜の敬語聞いたな」
※忘れている読者も多いと思うが、天地学園では生徒会のメンバー (主に各委員会の委員長)は一般生徒よりも地位が高い存在なので、名前には様付け、会話の際は敬語で接しなくてはならないのだ。
ただし冥華 (体育委員長)は心が広いので様付け・敬語で話さなくても良いと思っている。
「問題行動はするなよ・・・・・・」

身長・体重測定
「そういえば、水星は去年身長どれくらいだったんだ?」
たまたま隣に立っていた水星に聞いてみる。
「随分舐めた態度ですね・・・・・・。私は高身長なのでこれ以上伸びないとは思います」
私は水星を見てみる。私よりは身長低いが、それでも女子生徒の中ではかなり高いほうだ。
「冥華ちゃんは身長どのくらいあるの?」
日菜が冥華に笑顔で質問する。
「多分去年よりは伸びたと思うよ。沢山寝たからね!」
この二人だけ初等部の児童に見える。
「それでは3年生の生徒はこっちに並んでくださーい」
「あ、行かなきゃ。じゃあまた後でね!」
冥華は日菜に手を振って、列に並ぶ。
「それでは私も行ってきますね」
水星も冥華の後を追い、列へと向かう。
「よく考えたらあの二人3年生だったな」
残った私たち3人は呼ばれるまで雑談をする。
「2年生と1年生もこちらにどうぞー」
雑談する時間ぐらい頂戴よ。
「で、では私は2年生ですので・・・・・・。また後で」
「あぁ、頑張れよ」
私は咲を見送る。
「私たちも並ぼうか」
日菜が私の手を握って列のほうへ引っ張る。

検査後
「さて、皆どうだった?」
測定が終わり、体育館の隅に5人で輪になる。
「私は140cmだったよ。冥華ちゃんは?」
日菜が自分の身長を公開する。本当に小さいな。
「えっと、152cmだった! 水星ちゃんどうだった?」
笑顔で水星に質問する。
「・・・・・・173cmです・・・・・・。また伸びてしまいました・・・・・・」
水星はその場にしゃがみこんでしまった。結構辛いよね。
「何か・・・・・・ごめん」
冥華は珍しく落ち込んでいる。
「じゃあ残りの二人、どうぞ!」
「わ、私は、166cmです・・・・・・」
「私は175cmだ」
私の身長を公表した瞬間、4人がありえないものを見るような目で見てくる。
「おい、どうかしたか?」
「実さん・・・・・・、貴方高身長過ぎませんか?」
水星が引くような顔をする。
「175cmって、そこらへんの男子生徒より身長高いよね?」
冥華が驚いたような顔をして聞いてくる。
「・・・・・・つ、次行こう!」
なお、他のメインキャラの身長 (一部)
八重桜優香 169cm
小倉さゆり 148cm
エヴァ・シャーロット・ソフィアⅦ世 154cm
安達結衣 (副会長) 161cm
国分寺西行 (生徒会長) 180cm
寒河江姫子(学級委員長) 164cm
氷川睡歌 158cm
奏上綾目 172cm

50m走
「やったー! 外だー!」
日菜と冥華は犬のようにはしゃぎまわる。測定前に体力尽きそうだ。
「実ちゃんはどう? 自信ある?」
日菜が走り回りながら大声で聞いてきた。
「別にそこまで走るのは得意じゃない」
日菜と冥華は体力あるからな。
「それじゃあレッツスタート!」
私たちは順番に走った。

結果
「実ちゃん早かったね。やっぱり走るの得意なんじゃない?」
全力で走った結果、私の体はボロボロだ。
「ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・。何でお前はそんなに涼しい顔してるんだよ・・・・・・!」
日菜は本当に走ったのかを疑いたくなるほど、涼しい顔をしていた。
皆の結果 (他のメインキャラも含む)
実 6.01
日菜 5.76
冥華 5.76
水星 7.99
咲 測定を怖がったため辞退
優香 6.13
姫子 8.22
睡歌 走っている最中に寝たので未測定
綾目 9.24

握力測定
「次は握力測定だよ!」
日菜が漫画の司会者のように話す。
「だいぶテンポ良くなったな」
「ではスタート!」
日菜が掛け声を出す。

結果 (両腕の平均)
実 31kg
日菜 測定不能
冥華 測定不能
水星 23kg
咲 18kg
優香 32kg
姫子 21kg
睡歌 寝たため未測定
綾目 25kg
「測定不能って何だ?」
私は人間の筋力について考え出してしまった。

ボール投げの結果
「ついに内部エピソードまで端折ったか」
私はそのほうがテンポが良いから構わないけど。

実 23m
日菜 34m
冥華 34m
水星 20m
咲 9m
優香 25m
姫子 18m
睡歌 寝たため (略)
綾目 19m

その後
「これで全部終わったね」
日菜が私に自分の結果の表を見せてくる。
・・・・・・何だ握力測定のところ『∞』って。センセイの脳遂にバグったか?
「実ちゃんは・・・・・・、全部そこそこだね」
冥華が勝手に私の表を覗き込む。
「女子生徒の中ではかなり高いほうだと思うのだが」
むしろこの二人がおかしいんだよ。将来スポーツ選手にでもなるつもりか?
「実さんには感心しました。一体どのような生活をしてらっしゃるのですか?」
「朝起きて昼に飯食って夜に寝てるだけだよ」
何ならついこの間まで家から一歩も出ない重度の引きこもりだったぞ。
多分生まれつきの体質だろう。
「貴方のその細身の体型のどこにそのような筋肉が・・・・・・」
「わ、私もそのような力が欲しいです・・・・・・」
「やめておけ」
「身体測定も終わったし、皆で食堂に行こう!」
日菜と冥華は食堂へ向かって走り出した。
「実さん、私たちも行きましょうか」
「そうだな。今日は何にしようかな」
お昼は皆でカフェのパンケーキを食べました。
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