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第二十三話 ノーゲームなんてありえない
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「日菜。聞いてくれ」
「どうしたの? もしかして私への告白?」
私の部屋でお互いに正座をして、向かい合う。私たちの間にシリアスな空気が流れる。
「私・・・・・・、プロゲーマーの臨時のメンバーとして加入したんだ」
「へぇー。それで?」
「それでかよ。もっと面白い反応してくれるかと思ったんだがな」
日菜はゲームなんてしないからその辺には興味が無いのだろう。
「それはいいとして、何で急に臨時の助っ人として加入させられたの?」
「実はな・・・・・・」
昨日の夜。
私はいつも通りネトゲをしていた。
最近ハマっているのは、世界中の人と同時にオンラインプレイが出来るMMORPG。
『エボリューション・ファンタステック・スペース』
職業は300種類。遊び方は十人十色。クエストを攻略するもよし。モンスターを狩ってコレクションするもよし。自分で村を作ってのんびりと過ごすもよし。
ちなみに私はプレイヤー狩りが一番好きだ。
「プレイヤー狩り最高! まぁプレイヤー狩りと言っても喧嘩を売ってきたプレイヤーとか対戦願いを出してきたプレイヤーしか相手にしてないけどね」
何か新しいメールが来ていないか確認するためにメール受信をクリックした。
「お、新しいメールが来てる」
『すごい腕前ですね!
実はそんな貴方にお願いがあります。我がプロゲーマー所属のメンバーがインフルエンザにかかってしまい、今度の大会にあさっての大会に出場できなくなってしまいました。貴方のその腕前を臨時メンバーとして我がチームに貸していただけないでしょうか?』
「・・・・・・またそういうメールか」
実は私宛にこういうメールが来たのは今回が初めてではない。これまで幾度のゲームをやってきたが、必ずこういったメールが来る。
プロゲーマー所属団体の勧誘・雑誌、テレビの取材・女優、モデルのスカウトなど数えたらきりがない。今になって気づいたが、スカウトのメールが来たのは顔出しでやっていたからだった。
「でもなぁ・・・・・・。たまにはそういったプロの世界でのことも知ってみたいしな」
うん。人助けだと思ってやってみるか。それにプロの人たちと対戦することで得られることもたくさんあるかもしれないし」
「というわけなんだ。明日大会だから、日菜も来るか?」
「うん! 私も行ってみたい!」
万歳をして言う日菜。
「よし。決まりだな。明日は早いからもう寝るぞ」
次の日
「ここがゲームの大会会場か・・・・・・」
「何か頭がくらくらするよ・・・・・・」
ゲーム大会の会場は、どこかのネオン街を思わせるようなまぶしさだった。そりゃあ日菜もめまいがするわけだよ。私も頭が痛くなってきたし。
『いよいよ始まります予選大会! この大会を制覇して全国大会へのチケットをゲットするのはどのチームなのでしょうか!』
「実さん・・・・・・でいいかな?」
「あ、はい。あなたは?」
振り向くと、私よりも背の高い美少年が立っていた。肩幅はそこそこ広いぐらいだ。こんな事言いたくないけどあんたプロゲーマーやめてモデルとか男優やったほうが人気出るぞ?
「じゃあ今日はよろしくね。分からないことがあったら何でも聞いて」
「分かりました」
「なぁ・・・・・・、日菜」
「うん。分かってる。最初の対戦カードが、まさかこんな人だったなんて・・・・・・」
私のチームが当たったのは、まさかのアジア大会優勝経験もあるチームだった。
何でこんなハードル高いチームと当たるの!? 私はともかく、こんなチームじゃ無理だって!
『では対戦スタート!』
始まっちゃったよ・・・・・・。こうなったらやるしかないな。
「まずは攻撃力アップだ。坂本!」
「了解」
『まずは攻撃力アップ! 坂本選手が使用した魔法の効果は、『三分間攻撃力4倍』だ!』
「実ちゃん。坂本が攻撃力をあげた今のうちに、ある程度HP削っておいて!」
「了解です」
私は敵プレイヤーに攻撃を仕掛ける。このゲームはオープンワールドなので、戦闘中も戦闘フィールド内を自由に移動できる。ターンは無いので、連続攻撃も仕掛けられる。
「なっ・・・・・・! 守りが堅い・・・・・・」
『おーっと! 対する相手チーム、守りが堅い!』
「攻撃力4倍が通じないなんて! しかも1ダメージも入らない・・・・・・」
どんな防御使ってんだよ・・・・・・。しかも私のレベルは最大値の150だぞ?
「アイテム使用」
『相手プレイヤーもアイテムを使用! 『物理攻撃がヒットした相手を一定の確率で毒状態』だ! これは地味に痛い能力!』
よりによってめんどくさいアイテムを使用してきたな・・・・・・。こういったゲームではHP1が勝負を分ける。
「しまった!」
『攻撃がヒット! そして運がいいことに毒状態に!』
仲間のキャラが苦しそうなエフェクトをとる。確かエリア内に『状態異常回復』のアイテムがあったはずだ。
「・・・・・・え?」
「何でこんなにダメージ喰らってるんだ!? たかだか毒のダメージだろ!?」
『GAME OVER』
『ここで選手が一人脱落!』
状態異常が勝敗を分けるとは言っても、10秒に1~2ダメージ入るくらいだ。こんなにダメージを喰らうのは状態異常が何個も重複したときだ。・・・・・・いや、それでもこんなに一度にダメージは入らない。
「ごめん、みんな・・・・・・」
「気にするな。お前の分も戦場に持っていってやるからな。行こう、実ちゃん」
「あ、あぁ!」
色々不安が残るが、戦いをやめるわけにはいかない。
「アイテムゲット!」
『相手プレイヤー、エリア内アイテム獲得! 効果は『相手プレイヤー石化』だ!』
「まーた面倒なアイテム獲得されたな・・・・・・」
私がそう言っている間に、私のチームのキャラクターが全員石化されてしまった。
「石化じゃ一切の行動が出来ない・・・・・・」
「あぁ。それに、狙われるのはおそらく私だろう」
私は負けを覚悟したが、攻撃されたのはまさかの別の味方だった。
「え? 今の状況だったら絶対に私を狙うはずなのに・・・・・・。相手が馬鹿なのか、それとも・・・・・・」
考えている矢先、ちょうど石化が解けた。
「考えるのは後だ! とにかく今は目の前の敵を倒すことに集中しよう!」
「了解です!」
しかし、作戦無しに戦っても勝てるはずが無く、次々と味方プレイヤーが脱落していく。
「やっぱり・・・・・・何かがおかしい」
これまでの異常な防御力・異常な攻撃力。そしてありえない確立での状態異常発生能力。
「お嬢ちゃん、あんたの実力はその程度だったのか?」
「なめやがって・・・・・・!」
・・・・・・こうなったら、一か八かの賭けに出るか。
「実ちゃん、何をやってるんだい?」
「ちょっとね。私に考えがあるんだ」
「考え?」
リーダーの耳元で私の考えを話した。
「・・・・・・なるほど。確かにね。いいよ、協力するよ」
「ありがとう。じゃあ行くよ!」
「どういう作戦なんだぁ? やってみろよ!」
相手チームのリーダーは手招きで挑発してくる。
「まずは・・・・・・」
『実選手、まずはHPと防御力を犠牲に攻撃力UP! さらにポーションで移動速度3倍! 何をするつもりだ!?』
「こういうことさ!」
私が使った魔法は、『HPを99%削り攻撃力30倍』・『防御力5分間大ダウンさせ、攻撃力を9倍』の能力。この攻撃で仕留められればギリギリ勝てる。
ただし、仕留められなければ確実に私は負ける。いまや私がこのチームを率いてるのだ。私が負ければこのチームの戦闘力は地に落ちる。
「一人撃破! 坂本さん、アイテム拾って!」
「まずい!」
「・・・・・・やっぱりな。おかしいと思った」
相手プレイヤーから奪取したアイテムを確認する。本来ゲームには登場しないアイテムだ。考えられる手段は一つ。
チートだ。
「えーっと何々? 『使用者のレベルを永続で200に上げる』? このゲームのレベルの最大値は150だったな。つまりこれはチート以外考えられないよな?」
おそらく彼らは今までもチートで自分たちの好きなアイテムを使用して勝ち上がってきたのだろう。そしてアイテムの見た目は既存しているアイテムと同じにして、使用した際の能力が表示されるときは、その見た目のアイテムと同じにしたといったところだろうか。
「黙れ・・・・・・!」
相手チームのリーダーのキャラが、私に向かって銃を放つ。
「アイテムゲット」
『実選手、アイテムを二つ同時に獲得! 『無敵』・『洗脳』だ!』
「行ってらっしゃい」
相手が放った銃弾を私は指で操作する。『洗脳』能力はプレイヤー以外にも使える。
「くっ・・・・・・! 俺が負けるはずが・・・・・・」
「いや、お前はとっくに負けている」
自分が所持していた武器を捨て、あらかじめ用意しておいた自分専用の武器に持ち変える。
「お前が負けた原因は3つある。一つ、ゲームで不正をしていたこと。二つ、ゲームを心から楽しまず、勝つことにのみ囚われていたこと。そして、三つ・・・・・・」
私(のキャラクター)は相手に向け刀を振り下ろす。
「私と・・・・・・戦ったことだ」
「ここで相手プレイヤー全員脱落! 実選手たちの勝利です!」
「当然だ」
私が自分たちのチームに胴上げをさえれいると、さっきの相手チームがやってきた。
「実さん。すまなかった」
「は?」
「私たちは実さんの言葉で目が覚めたよ。私たちはこれまでも不正行為をして勝ち上がってきた。でも、実さんの本気でゲームを楽しむ心が伝わったよ。本当に、申し訳ございませんでした!」
そう言うと、相手チーム全員で私に向かって土下座をした。
「ちょ・・・・・・こんなところで土下座されても・・・・・・」
「実さん! これからはあなたのことを姉貴と呼ばせていただきます!」
・・・・・・少し前にもこんなことあったな。
「・・・・・・分かったよ。これからはお前たちのその根性を叩きなおしてやる。ま、今回は戦ってくれて本当にありがとうございました」
私は相手チームのリーダーと握手を交わした。
「どうしたの? もしかして私への告白?」
私の部屋でお互いに正座をして、向かい合う。私たちの間にシリアスな空気が流れる。
「私・・・・・・、プロゲーマーの臨時のメンバーとして加入したんだ」
「へぇー。それで?」
「それでかよ。もっと面白い反応してくれるかと思ったんだがな」
日菜はゲームなんてしないからその辺には興味が無いのだろう。
「それはいいとして、何で急に臨時の助っ人として加入させられたの?」
「実はな・・・・・・」
昨日の夜。
私はいつも通りネトゲをしていた。
最近ハマっているのは、世界中の人と同時にオンラインプレイが出来るMMORPG。
『エボリューション・ファンタステック・スペース』
職業は300種類。遊び方は十人十色。クエストを攻略するもよし。モンスターを狩ってコレクションするもよし。自分で村を作ってのんびりと過ごすもよし。
ちなみに私はプレイヤー狩りが一番好きだ。
「プレイヤー狩り最高! まぁプレイヤー狩りと言っても喧嘩を売ってきたプレイヤーとか対戦願いを出してきたプレイヤーしか相手にしてないけどね」
何か新しいメールが来ていないか確認するためにメール受信をクリックした。
「お、新しいメールが来てる」
『すごい腕前ですね!
実はそんな貴方にお願いがあります。我がプロゲーマー所属のメンバーがインフルエンザにかかってしまい、今度の大会にあさっての大会に出場できなくなってしまいました。貴方のその腕前を臨時メンバーとして我がチームに貸していただけないでしょうか?』
「・・・・・・またそういうメールか」
実は私宛にこういうメールが来たのは今回が初めてではない。これまで幾度のゲームをやってきたが、必ずこういったメールが来る。
プロゲーマー所属団体の勧誘・雑誌、テレビの取材・女優、モデルのスカウトなど数えたらきりがない。今になって気づいたが、スカウトのメールが来たのは顔出しでやっていたからだった。
「でもなぁ・・・・・・。たまにはそういったプロの世界でのことも知ってみたいしな」
うん。人助けだと思ってやってみるか。それにプロの人たちと対戦することで得られることもたくさんあるかもしれないし」
「というわけなんだ。明日大会だから、日菜も来るか?」
「うん! 私も行ってみたい!」
万歳をして言う日菜。
「よし。決まりだな。明日は早いからもう寝るぞ」
次の日
「ここがゲームの大会会場か・・・・・・」
「何か頭がくらくらするよ・・・・・・」
ゲーム大会の会場は、どこかのネオン街を思わせるようなまぶしさだった。そりゃあ日菜もめまいがするわけだよ。私も頭が痛くなってきたし。
『いよいよ始まります予選大会! この大会を制覇して全国大会へのチケットをゲットするのはどのチームなのでしょうか!』
「実さん・・・・・・でいいかな?」
「あ、はい。あなたは?」
振り向くと、私よりも背の高い美少年が立っていた。肩幅はそこそこ広いぐらいだ。こんな事言いたくないけどあんたプロゲーマーやめてモデルとか男優やったほうが人気出るぞ?
「じゃあ今日はよろしくね。分からないことがあったら何でも聞いて」
「分かりました」
「なぁ・・・・・・、日菜」
「うん。分かってる。最初の対戦カードが、まさかこんな人だったなんて・・・・・・」
私のチームが当たったのは、まさかのアジア大会優勝経験もあるチームだった。
何でこんなハードル高いチームと当たるの!? 私はともかく、こんなチームじゃ無理だって!
『では対戦スタート!』
始まっちゃったよ・・・・・・。こうなったらやるしかないな。
「まずは攻撃力アップだ。坂本!」
「了解」
『まずは攻撃力アップ! 坂本選手が使用した魔法の効果は、『三分間攻撃力4倍』だ!』
「実ちゃん。坂本が攻撃力をあげた今のうちに、ある程度HP削っておいて!」
「了解です」
私は敵プレイヤーに攻撃を仕掛ける。このゲームはオープンワールドなので、戦闘中も戦闘フィールド内を自由に移動できる。ターンは無いので、連続攻撃も仕掛けられる。
「なっ・・・・・・! 守りが堅い・・・・・・」
『おーっと! 対する相手チーム、守りが堅い!』
「攻撃力4倍が通じないなんて! しかも1ダメージも入らない・・・・・・」
どんな防御使ってんだよ・・・・・・。しかも私のレベルは最大値の150だぞ?
「アイテム使用」
『相手プレイヤーもアイテムを使用! 『物理攻撃がヒットした相手を一定の確率で毒状態』だ! これは地味に痛い能力!』
よりによってめんどくさいアイテムを使用してきたな・・・・・・。こういったゲームではHP1が勝負を分ける。
「しまった!」
『攻撃がヒット! そして運がいいことに毒状態に!』
仲間のキャラが苦しそうなエフェクトをとる。確かエリア内に『状態異常回復』のアイテムがあったはずだ。
「・・・・・・え?」
「何でこんなにダメージ喰らってるんだ!? たかだか毒のダメージだろ!?」
『GAME OVER』
『ここで選手が一人脱落!』
状態異常が勝敗を分けるとは言っても、10秒に1~2ダメージ入るくらいだ。こんなにダメージを喰らうのは状態異常が何個も重複したときだ。・・・・・・いや、それでもこんなに一度にダメージは入らない。
「ごめん、みんな・・・・・・」
「気にするな。お前の分も戦場に持っていってやるからな。行こう、実ちゃん」
「あ、あぁ!」
色々不安が残るが、戦いをやめるわけにはいかない。
「アイテムゲット!」
『相手プレイヤー、エリア内アイテム獲得! 効果は『相手プレイヤー石化』だ!』
「まーた面倒なアイテム獲得されたな・・・・・・」
私がそう言っている間に、私のチームのキャラクターが全員石化されてしまった。
「石化じゃ一切の行動が出来ない・・・・・・」
「あぁ。それに、狙われるのはおそらく私だろう」
私は負けを覚悟したが、攻撃されたのはまさかの別の味方だった。
「え? 今の状況だったら絶対に私を狙うはずなのに・・・・・・。相手が馬鹿なのか、それとも・・・・・・」
考えている矢先、ちょうど石化が解けた。
「考えるのは後だ! とにかく今は目の前の敵を倒すことに集中しよう!」
「了解です!」
しかし、作戦無しに戦っても勝てるはずが無く、次々と味方プレイヤーが脱落していく。
「やっぱり・・・・・・何かがおかしい」
これまでの異常な防御力・異常な攻撃力。そしてありえない確立での状態異常発生能力。
「お嬢ちゃん、あんたの実力はその程度だったのか?」
「なめやがって・・・・・・!」
・・・・・・こうなったら、一か八かの賭けに出るか。
「実ちゃん、何をやってるんだい?」
「ちょっとね。私に考えがあるんだ」
「考え?」
リーダーの耳元で私の考えを話した。
「・・・・・・なるほど。確かにね。いいよ、協力するよ」
「ありがとう。じゃあ行くよ!」
「どういう作戦なんだぁ? やってみろよ!」
相手チームのリーダーは手招きで挑発してくる。
「まずは・・・・・・」
『実選手、まずはHPと防御力を犠牲に攻撃力UP! さらにポーションで移動速度3倍! 何をするつもりだ!?』
「こういうことさ!」
私が使った魔法は、『HPを99%削り攻撃力30倍』・『防御力5分間大ダウンさせ、攻撃力を9倍』の能力。この攻撃で仕留められればギリギリ勝てる。
ただし、仕留められなければ確実に私は負ける。いまや私がこのチームを率いてるのだ。私が負ければこのチームの戦闘力は地に落ちる。
「一人撃破! 坂本さん、アイテム拾って!」
「まずい!」
「・・・・・・やっぱりな。おかしいと思った」
相手プレイヤーから奪取したアイテムを確認する。本来ゲームには登場しないアイテムだ。考えられる手段は一つ。
チートだ。
「えーっと何々? 『使用者のレベルを永続で200に上げる』? このゲームのレベルの最大値は150だったな。つまりこれはチート以外考えられないよな?」
おそらく彼らは今までもチートで自分たちの好きなアイテムを使用して勝ち上がってきたのだろう。そしてアイテムの見た目は既存しているアイテムと同じにして、使用した際の能力が表示されるときは、その見た目のアイテムと同じにしたといったところだろうか。
「黙れ・・・・・・!」
相手チームのリーダーのキャラが、私に向かって銃を放つ。
「アイテムゲット」
『実選手、アイテムを二つ同時に獲得! 『無敵』・『洗脳』だ!』
「行ってらっしゃい」
相手が放った銃弾を私は指で操作する。『洗脳』能力はプレイヤー以外にも使える。
「くっ・・・・・・! 俺が負けるはずが・・・・・・」
「いや、お前はとっくに負けている」
自分が所持していた武器を捨て、あらかじめ用意しておいた自分専用の武器に持ち変える。
「お前が負けた原因は3つある。一つ、ゲームで不正をしていたこと。二つ、ゲームを心から楽しまず、勝つことにのみ囚われていたこと。そして、三つ・・・・・・」
私(のキャラクター)は相手に向け刀を振り下ろす。
「私と・・・・・・戦ったことだ」
「ここで相手プレイヤー全員脱落! 実選手たちの勝利です!」
「当然だ」
私が自分たちのチームに胴上げをさえれいると、さっきの相手チームがやってきた。
「実さん。すまなかった」
「は?」
「私たちは実さんの言葉で目が覚めたよ。私たちはこれまでも不正行為をして勝ち上がってきた。でも、実さんの本気でゲームを楽しむ心が伝わったよ。本当に、申し訳ございませんでした!」
そう言うと、相手チーム全員で私に向かって土下座をした。
「ちょ・・・・・・こんなところで土下座されても・・・・・・」
「実さん! これからはあなたのことを姉貴と呼ばせていただきます!」
・・・・・・少し前にもこんなことあったな。
「・・・・・・分かったよ。これからはお前たちのその根性を叩きなおしてやる。ま、今回は戦ってくれて本当にありがとうございました」
私は相手チームのリーダーと握手を交わした。
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