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第十八話 ホップ・ステップ・転ぶ
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「よし! 授業終わりぃ~!」
今日は平和な一日だった。なぜか日菜もいなかったので、本当に何事も無く平和に終わった。
「そうと決まれば飯だ、飯!」
何事も無かったことを神に感謝しながら、食堂へとダッシュする。
「結局おにぎりかよ・・・・・・いつものことだけど」
結局いつもどおり食堂のラーメンを食べ逃し、いつもどおりの明太子のおにぎりを買った。
ま、何事も無かったし。それが一番だ。
久々の休日と思い、寝転がると・・・・・・
「キャアア!」
「何だ!?」
突然周りが騒がしくなった。ゆっくりと飯食おうと思ってたのに・・・・・・
急いで人だかりに向かうと、そこにいたのは、
「あっ! 実ちゃん、ハロー!」
「・・・・・・」
「ハロー」じゃねえよ。今度は一体何やったんだよ。
しかも隣に体育委員長いるし。
「いやー、屋上で体育委員長様と一緒に遊んでたんだけど、降りるのめんどくさいから屋上から飛び降りた!」
「へ、へぇー・・・・・・そうなのか・・・・・・」
もはや呆れるよ。何だよその決断力と運動神経は。ウチの学校の本校舎の高さ、894メートルだぞ?
「楽しいから実ちゃんもやってみない?」
「やらん!」
「そんな~・・・・・・体育委員長様からも何かおっしゃってください!」
「日菜ちゃん、そんなに敬語使わなくていいよ~。私たちもう友達でしょ?」
「うーん・・・・・・。そうだね! じゃあこれからは冥華ちゃんって呼ぶよ!」
だから何だよその決断力は。
「とにかく・・・・・・そんな危ない行為はもうやめてくれ。本気で怪我するぞ」
「大丈夫だよ! 私以前、東京スカ○ツリーのてっぺんから飛び降りたことあったんだもん!」
「何故!?」
「確か、昔応募したバラエティー番組の企画で当選したんだけどね。そこで命綱なしバンジージャンプやったんだ!」
今すぐそのテレビ局通報しようかな。
「実さんは、これからどうするの?」
「まだ飯食い中なんだよ。邪魔しないでくれ。あと本当にもう飛び降りるなよ?」
「うん! じゃあこれからはもうちょっと下の階から飛び降りるね!」
「飛び降りることしか頭に無いのか!?」
さすがに喉も辛いな・・・・・・。そりゃあ毎日大声でツッコミをいれているんだもんな。帰りにのど飴買って帰ろ。
「実さんはおにぎりなんだね! いいな~、私もご飯派なんだけどお母さんがパンしか作らないんだもん! お家がパン屋さんだから仕方ないよね・・・・・・」
「冥華ちゃんもご飯派なんだね」
「うん! メロンパンが好きかな~」
「ご馳走様」
付き合ってられん。さっさと退散しよう。
「で、何でお前らまで一緒にいるんだよ」
帰り道、RPGのパーティ見たいな感じで歩く二人に対して、抑揚を抑えた口調で質問する。
「友達・・・・・・仲間になったんだから、一緒に行動するのは当然でしょ!」
「だからって何でずっと私の後ろを一列で歩くんだよ! ドラ○エのパーティか!?」
余談だけど、私もドラ○エの大ファンなんだけどさぁ!? 女しかいないパーティってどうなのよ!? 全然ドラマ性も何も無いじゃん! いや、現実に男はいらんよ!?
「大丈夫! 実ちゃんになにかあったら、私と冥華ちゃんが拳で語り合うから!」
それ、もはや格闘ゲームじゃん。魔法使えよ。もしくは空飛ぶ鯨召喚しろよ。
「冥華ちゃんと私がいれば、どんな敵が来ても負けないよ!」
「そうだよ! 私、全ての武道の段位で最高の段位取ってるから!」
それはどうでもいい。
「あー・・・・・・そうかよ。じゃあとりあえず帰るぞ」
本当に日菜が二人いるような感じだ・・・・・・。私、いつか過労で倒れるぞ・・・・・・?
「でも今日は何事も無かったからよかったね! 楽しかったな~」
「問題を起こした張本人が言うセリフじゃない。確かに、これといった大きな問題は起こらなかったけど。この後何も起こらないでくれ・・・・・・」
と、何事も無かった日にそのようなことを祈ることは決してしてはならない。
なぜなら・・・・・・
「おい・・・・・・。どこ見て歩いてんだよ・・・・・・。殺すぞ?」
逆になって叶うからだ。
「悪かったな・・・・・・。ていうか、あんたウチの学校の生徒か?」
「見りゃ分かるだろ。ここにちゃんと制服着てるだろ」
いや分かるか。堂々と上からパーカー羽織って見えるわけないだろ。
あとタバコ吸うな。
「あれ? あんた、『八重桜 優香』じゃん。まだウチの学校に居たんだね」
「誰だそれ?」
「ウチの学校で一番の不良生徒だよ。授業には出ない・それどころか学校をサボる・ピアスを空ける・酒は飲む・タバコは吸うの問題児だよ。生徒会でも手を焼いているんだけどね・・・・・・」
「生徒会も大変なんだね・・・・・・」
「話が終わったんなら、さっさと帰ってくんない?」
そう言いながら優香は、二本目のタバコに火をつける。
「だからタバコを吸うな。未成年が吸うものではない」
「うるさいな・・・・・・本気で殺すぞ?」
「お? やるか?」
久々に体が動かせるな・・・・・・。体がなまってきていたところだったから丁度良い。
「実ちゃん! ここは私たちが!」
「天地学園生徒会、体育委員長の名において、生徒に裁きを下すよ!」
「ちょいちょい! お前らがやると本気で殺しかねないんだよ! ていうか二人がかりだなんて殺す気満々じゃねえかよ! あと、逮捕権限と裁きを下すのは風紀委員長の役目だ」
「でも風紀委員長いないよ?」
「じゃあここは代わりに体育委員長の私が! いっくよ~!」
「話を聞け・・・・・・って言っても無駄か」
「こ、このガキ・・・・・・!」
結果、体育委員長の圧勝。
「これに懲りたらタバコなんてやめるんだな。おとなしく真っ当な人生にしろ」
「・・・・・・真っ当ね。今更遅いんだよ」
「え? 何で?」
日菜が首をかしげる。
「お前らには関係ない。おとなしくするからさっさとどっか行け」
「だめだよ。・・・・・・ほら? 言ってごらん。何でも受け止めるよ」
「何でだよ」
「生徒会の名において、生徒の悩みや苦しみを解決するのは当然のことだよ!」
珍しく良いこと言ってるな・・・・・・。これが普段の生活であったらいいのに・・・・・・
「・・・・・・私は、少年院育ちなんだよ」
「少年院? 何それ」
「まぁ・・・・・・ざっくりと言うと、子供の刑務所のようなものだ。ていうか日菜、それぐらい知っとけ」
「いろいろやっちまったからな。当たり前のことだけど」
タバコを吸いながらそう話す優香。
「何でそんなことしちゃったの? 何か嫌なことでもあったの?」
「嫌なことなんてねえよ。ただ、ストレスが溜まってたんだよ。毎日毎日親に暴行されていたからな」
「・・・・・・」
「はじめは万引き。それからサイバー犯罪、自転車窃盗。そして傷害だよ。笑えるよな。自分のストレス発散のために、他人を犠牲にして」
笑っていない笑いを見せる。その姿に、ただただ怒りが走った。
「優香」
「何だ?」
私は思いっきり優香の頬を叩いた。
「痛っ・・・・・・何すんだテメェ!」
「さっきから黙って聞いてりゃ、お前は自分のことを全部他人のせいにしてるだけじゃねえかよ! 「笑えるよな」? あぁ、笑えるよ! こんなにも馬鹿な人は初めて見たよ! 今まで見たお笑い芸人の何千倍も笑えるよ!」
「お前・・・・・・!」
「実ちゃん、もうやめて! 優香ちゃんがかわいそうだよ!」
日菜が私の腕を引っ張る。だが、私はそれを振りほどいた。
「日菜、お前は黙ってろ。何でお前のストレス発散のためにこっちが犠牲になんなきゃいけないんだよ! 他人に迷惑かけるのも大概にしろ! お前の親のことなんてこっちが知るわけねえだろ。それならとっとと、児童相談所にでも行けばよかったいい話だろ!?」
「っ・・・・・・!」
「お前は結局、過去の自分に執着してるだけだろ? 自分のやった罪とも向き合わずな。甘ったれてんじゃねぇよ!」
「うるさい!」
そう叫ぶと、優香は私の頬をお返しとばかりに殴りつけた。
「うっ・・・・・・」
「実ちゃん!」
「できんじゃねぇかよ。ちゃんと、正々堂々と拳で」
「!」
「それが出来たんだったら、次は拳じゃなくて、その別の力で立ち向かえ。自分のクズの親にな。私にも分かるぞ。お前ほどじゃないけど、こっちの親もゴミのような人間だったからな」
「・・・・・・勝手だよな。大人って。自分たちの都合のいいように動かない子供は、すぐに処分する」
「あぁ。だから、私たちが変えていくんだよ。まだ何色にも染まっていない私たちがな」
「・・・・・・面白いな」
「それが出来たのなら、私たちはもう立派な「友達」だ」
「友達・・・・・・」
『優香ちゃん近づかないで!』
『こっちに寄るな!』
『あの子には近づいちゃだめよ? 殴られちゃうからね』
『お前と友達だなんて、サルとでも馴れ合ってろよ』
あたしが近づけば、皆が逃げていく。石を投げつけられ、陰口を言われ。
私が欲しかったもの。今、やっと見つけた気がする。
「分かった。今からお前とはダチだ。絶対に逃げるんじゃねえぞ?」
「当たり前だろ」
私たちは、お互いに出せる本気の力で拳をぶつけ合った。
今日は平和な一日だった。なぜか日菜もいなかったので、本当に何事も無く平和に終わった。
「そうと決まれば飯だ、飯!」
何事も無かったことを神に感謝しながら、食堂へとダッシュする。
「結局おにぎりかよ・・・・・・いつものことだけど」
結局いつもどおり食堂のラーメンを食べ逃し、いつもどおりの明太子のおにぎりを買った。
ま、何事も無かったし。それが一番だ。
久々の休日と思い、寝転がると・・・・・・
「キャアア!」
「何だ!?」
突然周りが騒がしくなった。ゆっくりと飯食おうと思ってたのに・・・・・・
急いで人だかりに向かうと、そこにいたのは、
「あっ! 実ちゃん、ハロー!」
「・・・・・・」
「ハロー」じゃねえよ。今度は一体何やったんだよ。
しかも隣に体育委員長いるし。
「いやー、屋上で体育委員長様と一緒に遊んでたんだけど、降りるのめんどくさいから屋上から飛び降りた!」
「へ、へぇー・・・・・・そうなのか・・・・・・」
もはや呆れるよ。何だよその決断力と運動神経は。ウチの学校の本校舎の高さ、894メートルだぞ?
「楽しいから実ちゃんもやってみない?」
「やらん!」
「そんな~・・・・・・体育委員長様からも何かおっしゃってください!」
「日菜ちゃん、そんなに敬語使わなくていいよ~。私たちもう友達でしょ?」
「うーん・・・・・・。そうだね! じゃあこれからは冥華ちゃんって呼ぶよ!」
だから何だよその決断力は。
「とにかく・・・・・・そんな危ない行為はもうやめてくれ。本気で怪我するぞ」
「大丈夫だよ! 私以前、東京スカ○ツリーのてっぺんから飛び降りたことあったんだもん!」
「何故!?」
「確か、昔応募したバラエティー番組の企画で当選したんだけどね。そこで命綱なしバンジージャンプやったんだ!」
今すぐそのテレビ局通報しようかな。
「実さんは、これからどうするの?」
「まだ飯食い中なんだよ。邪魔しないでくれ。あと本当にもう飛び降りるなよ?」
「うん! じゃあこれからはもうちょっと下の階から飛び降りるね!」
「飛び降りることしか頭に無いのか!?」
さすがに喉も辛いな・・・・・・。そりゃあ毎日大声でツッコミをいれているんだもんな。帰りにのど飴買って帰ろ。
「実さんはおにぎりなんだね! いいな~、私もご飯派なんだけどお母さんがパンしか作らないんだもん! お家がパン屋さんだから仕方ないよね・・・・・・」
「冥華ちゃんもご飯派なんだね」
「うん! メロンパンが好きかな~」
「ご馳走様」
付き合ってられん。さっさと退散しよう。
「で、何でお前らまで一緒にいるんだよ」
帰り道、RPGのパーティ見たいな感じで歩く二人に対して、抑揚を抑えた口調で質問する。
「友達・・・・・・仲間になったんだから、一緒に行動するのは当然でしょ!」
「だからって何でずっと私の後ろを一列で歩くんだよ! ドラ○エのパーティか!?」
余談だけど、私もドラ○エの大ファンなんだけどさぁ!? 女しかいないパーティってどうなのよ!? 全然ドラマ性も何も無いじゃん! いや、現実に男はいらんよ!?
「大丈夫! 実ちゃんになにかあったら、私と冥華ちゃんが拳で語り合うから!」
それ、もはや格闘ゲームじゃん。魔法使えよ。もしくは空飛ぶ鯨召喚しろよ。
「冥華ちゃんと私がいれば、どんな敵が来ても負けないよ!」
「そうだよ! 私、全ての武道の段位で最高の段位取ってるから!」
それはどうでもいい。
「あー・・・・・・そうかよ。じゃあとりあえず帰るぞ」
本当に日菜が二人いるような感じだ・・・・・・。私、いつか過労で倒れるぞ・・・・・・?
「でも今日は何事も無かったからよかったね! 楽しかったな~」
「問題を起こした張本人が言うセリフじゃない。確かに、これといった大きな問題は起こらなかったけど。この後何も起こらないでくれ・・・・・・」
と、何事も無かった日にそのようなことを祈ることは決してしてはならない。
なぜなら・・・・・・
「おい・・・・・・。どこ見て歩いてんだよ・・・・・・。殺すぞ?」
逆になって叶うからだ。
「悪かったな・・・・・・。ていうか、あんたウチの学校の生徒か?」
「見りゃ分かるだろ。ここにちゃんと制服着てるだろ」
いや分かるか。堂々と上からパーカー羽織って見えるわけないだろ。
あとタバコ吸うな。
「あれ? あんた、『八重桜 優香』じゃん。まだウチの学校に居たんだね」
「誰だそれ?」
「ウチの学校で一番の不良生徒だよ。授業には出ない・それどころか学校をサボる・ピアスを空ける・酒は飲む・タバコは吸うの問題児だよ。生徒会でも手を焼いているんだけどね・・・・・・」
「生徒会も大変なんだね・・・・・・」
「話が終わったんなら、さっさと帰ってくんない?」
そう言いながら優香は、二本目のタバコに火をつける。
「だからタバコを吸うな。未成年が吸うものではない」
「うるさいな・・・・・・本気で殺すぞ?」
「お? やるか?」
久々に体が動かせるな・・・・・・。体がなまってきていたところだったから丁度良い。
「実ちゃん! ここは私たちが!」
「天地学園生徒会、体育委員長の名において、生徒に裁きを下すよ!」
「ちょいちょい! お前らがやると本気で殺しかねないんだよ! ていうか二人がかりだなんて殺す気満々じゃねえかよ! あと、逮捕権限と裁きを下すのは風紀委員長の役目だ」
「でも風紀委員長いないよ?」
「じゃあここは代わりに体育委員長の私が! いっくよ~!」
「話を聞け・・・・・・って言っても無駄か」
「こ、このガキ・・・・・・!」
結果、体育委員長の圧勝。
「これに懲りたらタバコなんてやめるんだな。おとなしく真っ当な人生にしろ」
「・・・・・・真っ当ね。今更遅いんだよ」
「え? 何で?」
日菜が首をかしげる。
「お前らには関係ない。おとなしくするからさっさとどっか行け」
「だめだよ。・・・・・・ほら? 言ってごらん。何でも受け止めるよ」
「何でだよ」
「生徒会の名において、生徒の悩みや苦しみを解決するのは当然のことだよ!」
珍しく良いこと言ってるな・・・・・・。これが普段の生活であったらいいのに・・・・・・
「・・・・・・私は、少年院育ちなんだよ」
「少年院? 何それ」
「まぁ・・・・・・ざっくりと言うと、子供の刑務所のようなものだ。ていうか日菜、それぐらい知っとけ」
「いろいろやっちまったからな。当たり前のことだけど」
タバコを吸いながらそう話す優香。
「何でそんなことしちゃったの? 何か嫌なことでもあったの?」
「嫌なことなんてねえよ。ただ、ストレスが溜まってたんだよ。毎日毎日親に暴行されていたからな」
「・・・・・・」
「はじめは万引き。それからサイバー犯罪、自転車窃盗。そして傷害だよ。笑えるよな。自分のストレス発散のために、他人を犠牲にして」
笑っていない笑いを見せる。その姿に、ただただ怒りが走った。
「優香」
「何だ?」
私は思いっきり優香の頬を叩いた。
「痛っ・・・・・・何すんだテメェ!」
「さっきから黙って聞いてりゃ、お前は自分のことを全部他人のせいにしてるだけじゃねえかよ! 「笑えるよな」? あぁ、笑えるよ! こんなにも馬鹿な人は初めて見たよ! 今まで見たお笑い芸人の何千倍も笑えるよ!」
「お前・・・・・・!」
「実ちゃん、もうやめて! 優香ちゃんがかわいそうだよ!」
日菜が私の腕を引っ張る。だが、私はそれを振りほどいた。
「日菜、お前は黙ってろ。何でお前のストレス発散のためにこっちが犠牲になんなきゃいけないんだよ! 他人に迷惑かけるのも大概にしろ! お前の親のことなんてこっちが知るわけねえだろ。それならとっとと、児童相談所にでも行けばよかったいい話だろ!?」
「っ・・・・・・!」
「お前は結局、過去の自分に執着してるだけだろ? 自分のやった罪とも向き合わずな。甘ったれてんじゃねぇよ!」
「うるさい!」
そう叫ぶと、優香は私の頬をお返しとばかりに殴りつけた。
「うっ・・・・・・」
「実ちゃん!」
「できんじゃねぇかよ。ちゃんと、正々堂々と拳で」
「!」
「それが出来たんだったら、次は拳じゃなくて、その別の力で立ち向かえ。自分のクズの親にな。私にも分かるぞ。お前ほどじゃないけど、こっちの親もゴミのような人間だったからな」
「・・・・・・勝手だよな。大人って。自分たちの都合のいいように動かない子供は、すぐに処分する」
「あぁ。だから、私たちが変えていくんだよ。まだ何色にも染まっていない私たちがな」
「・・・・・・面白いな」
「それが出来たのなら、私たちはもう立派な「友達」だ」
「友達・・・・・・」
『優香ちゃん近づかないで!』
『こっちに寄るな!』
『あの子には近づいちゃだめよ? 殴られちゃうからね』
『お前と友達だなんて、サルとでも馴れ合ってろよ』
あたしが近づけば、皆が逃げていく。石を投げつけられ、陰口を言われ。
私が欲しかったもの。今、やっと見つけた気がする。
「分かった。今からお前とはダチだ。絶対に逃げるんじゃねえぞ?」
「当たり前だろ」
私たちは、お互いに出せる本気の力で拳をぶつけ合った。
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