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第十五話 生徒会だョ! 全員集合!
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前回までのあらすじ!
私はセンセイに押し付けられた仕事をしに、地下倉庫に向かった。するとそこに謎の少女がいて、いろいろあって濡れ衣を着せられた。そして風紀委員長たちから取り押さえられ、生徒会の専用の建物へと担ぎ込まれた。
・・・・・・詳しくは第十四話を見よう!
そして私たちが今いるのは・・・・・・
「こいつが例の問題児か」
「どのような処遇を下すかな~? わっくわくするな~!」
「・・・・・・」
生徒会役員のおひざもとですよ。
「あわわわわわわ・・・・・・」
日菜がもう滝のように涙を流している。
「日菜、この人たちって全員・・・・・・」
「うん・・・・・・。全員生徒会のお方だよ・・・・・・」
私たちが会話をしていると、
「そこ! 私語禁止!」
短髪で、緑髪の女子生徒が手に持っていた鞭を打ってきた。
「痛っ! 日菜、この人は・・・・・・?」
「彼女は、『日向 美濃 (ひゅうが みのう)』様だよ。『厚生委員長』であられるお方だよ」
「じゃああの人は?」
次に、何故か生徒会の建物全体を何度も何度も拭いている金髪で長髪の男子生徒を指さす。
「『氷室 堅城(けんじょう)』様。『衛生委員長』である方だよ」
「この人は?」
さっきからずっとゲタゲタ笑いながら、走りまわったり、踊ったりしている正直に言うとちょっと頭のおかしい銀髪の女子生徒を指さした。
「『西園寺 冥華(めいか)』様。『体育委員長』のお方」
「じゃああの人は・・・・・・」
部屋の隅で毛布をかぶりうずくまりながら、携帯型ゲーム機で遊ぶ黒髪長髪の少女を指さす。
「『星宮 咲』様。『会計・経費委員長』」
いろんな人がいるんだな・・・・・・。ていうかいつまで私たち縄で巻かれてるの? いい加減腰が痛いんだけど。
その隣には、見慣れた『警備委員長』と『風紀委員長』が並んでいる。
「静粛にしろ」
男子生徒が低い声で言い放つ。
「直に生徒会長様がお見えになる」
もう一人の白髪の女子生徒がそう言う。
その瞬間、この建物全体の空気が重くなる。誰も一言も発さなくなり、21人の生徒会役員が会議の円卓机の前に頭をたれる。
「・・・・・・っ!」
重すぎる・・・・・・。こんなに空気が重い状況は生まれて初めてだ。いつも能天気な日菜でさえ、冷や汗をたらしまくり、目が痙攣している。
「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」
「そこの女子生徒。汚い息を吐くな。生徒会が汚れる」
衛生委員長がそう日菜に言い放つと、突然、女子生徒に目にも止まらぬ速度で顎に蹴りを入れられ衛生委員長が吹き飛ばされた。頭からは血が垂れている。
「衛生委員長。口を慎め」
「申し訳ありません・・・・・・、副会長様」
女子生徒にそう言われ、ふらふらになりながらも円卓机の前に戻り頭を垂れる。
「生徒会長様のおなりだ」
女子生徒と男子生徒が同時に言葉を発する。
頭を上げると、漆黒のマントを身につけ、英国紳士のような制服を着た長身の女子生徒が奥から入室してきた。
「・・・・・・」
先ほどよりもさらに空気が重くなった。生徒会長の威圧・威厳が合わさり、この世のものとは思えない空気になってしまった。
気を抜いたら、一瞬で押しつぶされそうな雰囲気だ。
「・・・・・・臨時閣議を始める。全員席に着け」
「ハッ!」
全員が声をそろえて言う。各委員長が円卓机に着席し、その周りを10人ほどの執行委員が取り囲む。
生徒会長は机に思いっきり足を乗せている。
「まずは・・・・・・この生徒二人の処遇についてか。どういうことか説明しろ、風紀委員長」
「御意。この者達は、高等部地下倉庫の壁を破壊した罪に問われています」
何で裁判始まってんの?
あと何度も言うけど、私たち無罪だからね? あのロリガキに濡れ衣着せられただけだからな?
「よってこの者達の即時退学を要求します」
「退学!?」
私たちは声をそろえて叫ぶ。
「黙れ!」
すぐに周りにいた執行委員の方々に取り押さえられたけどね。
「そこの女子生徒二人、何か反論はあるか?」
「わ、私たちは何もしておりません! 地下倉庫に住んでいる女の子に濡れ衣を着せられただけなのです! ですから、どうかお慈悲を!」
おぉ・・・・・・、日菜もなかなか喋れるんじゃねえかよ。まぁ自分の今後の人生がかかってるから仕方ないか・・・・・・
「なるほど。ではすぐに執行委員のものを調査に出す。これが嘘なのであれば、君たち二人の即時退学を決定する」
生徒会長は目配せで、自分の周りにいた執行委員3名を行かせる。
「御意!」
「あ、ありがとうございます! 生徒会長様!」
「まだお前たちの罪が晴れたわけではない。それまでこの建物から一歩たりとも出られると思うな」
「分かりました」
30分後
戻ってきた執行委員が、月を連れて戻ってきた。
「報告です。この者たちが言っていたことは本当であり、この者が真犯人でございます!」
「ご苦労」
「ちょっと! 何で急にこんなところにつれてきたんだよ! 早く戻らないと学園の警備システムが管理できないんだけど! つまり今学園は裸同然なんだよ!」
「口を慎め。愚か者」
「っ! 生徒会長様・・・・・・」
生徒会長を一目見た瞬間、硬直してしまった。目も痙攣してしまっている。
「久しぶりだな、月。拾ってやった恩も忘れ、学園破壊とはいいご身分だな」
「ち、違います! あれは警備システムの防衛のためなので仕方ないことなのです! どうかご理解を!」
「ほう・・・・・・防衛か・・・・・・。ならば何故、無関係な一般生徒まで攻撃する? あやつらは完全に無関係のはずだが」
「そ、それは・・・・・・」
完全に反論できなくなってしまった。
「まぁ、月がいなければ学園の警備システム及び、学園のサイバーセキュリティーが管理できない。今回は見逃すこととする。ただし二度目はない」
「はい! ありがとうございます!」
そう泣きながら言うと、月は執行委員と共に地下倉庫へ戻っていった。
「・・・・・・ん? ちょっと待て。お前たち、月をどうやってここまで連れてきた?」
生徒会長の顔が険しくなった。
「いや、普通に両腕を拘束してつれてまいりましたが・・・・・・」
「馬鹿者! 月を日光に当てるなとあれほど言っただろう!」
「し、しまった! 申し訳ございません!」
「今すぐ、日に当たらないところへ連れて行け! その後、全身を布で包み地下倉庫へと帰して来い!」
「ハッ!」
月を生徒会の建物の倉庫へと連れて行ってしまった。
「あのー・・・・・・生徒会長様、これは一体・・・・・・」
「あぁ、月は直射日光を浴びると一瞬で日焼けしてしまうからな・・・・・・その上、何年間も日光を浴びていないから、急に日光を見ると目が焼けるんだよ。本当にどうやってここまで連れてきたのか・・・・・・」
「あはは・・・・・・。月も大変だな・・・・・・」
「生徒会長様、私たちはこれからどうすれば・・・・・・」
日菜がおずおずと質問する。
「あぁ、お前たちは帰ってよい。時間の無駄になってしまってすまなかったな」
生徒会長は私たちのほうを向き、頭を下げる。
「そ、そんな生徒会長様! 頭をお上げください! 生徒会長様は何も悪くありません!」
「いや、悪いことをしたらきちんと謝るのは人間として当たり前の行為だ」
おや? 意外と礼儀正しい生徒会長だな・・・・・・。さすがに会議用の円卓机に足を乗せながら会議をするのはどうかと思うが。
「では、失礼致します」
「あぁ、ちょっと待て。日菜は帰ってよいが、実は残れ。話がある」
「はい?」
「で、何のようだ?」
机の前に立ち、会長に質問する。
「貴様! 生徒会長様に向かってなんだその口の聞き方は!」
「黙れ、衛生委員長」
「すみません・・・・・・」
これで二度目じゃん。衛生委員長、どんだけ叱られるんだよ。
「警備委員長から聞いている。お前、生徒会に入らないか?」
「え?」
「今なら、空いている三人目の『副会長』の座もある。お前の身分は確保済みだ。どうだ? 生徒会に入るつもりはないか?」
「・・・・・・」
今なら、生徒会の身分も高いところをとっておいてくれている。今入れば今後の私の学校生活は180度変わるだろう。
「・・・・・・考えさせてくれ」
「何!? 貴様、生徒会長様の勧誘を断るだと!?」
私の隣にいた執行委員の一人が声を荒げる。
「・・・・・・承知した。今は待とう。今日のところは帰ってよい」
「どうも」
私が生徒会の建物を出ようとした時。
「実。お前の活躍、これからも期待しているぞ」
「・・・・・・」
私は軽く笑いながら、生徒会を後にした。
私はセンセイに押し付けられた仕事をしに、地下倉庫に向かった。するとそこに謎の少女がいて、いろいろあって濡れ衣を着せられた。そして風紀委員長たちから取り押さえられ、生徒会の専用の建物へと担ぎ込まれた。
・・・・・・詳しくは第十四話を見よう!
そして私たちが今いるのは・・・・・・
「こいつが例の問題児か」
「どのような処遇を下すかな~? わっくわくするな~!」
「・・・・・・」
生徒会役員のおひざもとですよ。
「あわわわわわわ・・・・・・」
日菜がもう滝のように涙を流している。
「日菜、この人たちって全員・・・・・・」
「うん・・・・・・。全員生徒会のお方だよ・・・・・・」
私たちが会話をしていると、
「そこ! 私語禁止!」
短髪で、緑髪の女子生徒が手に持っていた鞭を打ってきた。
「痛っ! 日菜、この人は・・・・・・?」
「彼女は、『日向 美濃 (ひゅうが みのう)』様だよ。『厚生委員長』であられるお方だよ」
「じゃああの人は?」
次に、何故か生徒会の建物全体を何度も何度も拭いている金髪で長髪の男子生徒を指さす。
「『氷室 堅城(けんじょう)』様。『衛生委員長』である方だよ」
「この人は?」
さっきからずっとゲタゲタ笑いながら、走りまわったり、踊ったりしている正直に言うとちょっと頭のおかしい銀髪の女子生徒を指さした。
「『西園寺 冥華(めいか)』様。『体育委員長』のお方」
「じゃああの人は・・・・・・」
部屋の隅で毛布をかぶりうずくまりながら、携帯型ゲーム機で遊ぶ黒髪長髪の少女を指さす。
「『星宮 咲』様。『会計・経費委員長』」
いろんな人がいるんだな・・・・・・。ていうかいつまで私たち縄で巻かれてるの? いい加減腰が痛いんだけど。
その隣には、見慣れた『警備委員長』と『風紀委員長』が並んでいる。
「静粛にしろ」
男子生徒が低い声で言い放つ。
「直に生徒会長様がお見えになる」
もう一人の白髪の女子生徒がそう言う。
その瞬間、この建物全体の空気が重くなる。誰も一言も発さなくなり、21人の生徒会役員が会議の円卓机の前に頭をたれる。
「・・・・・・っ!」
重すぎる・・・・・・。こんなに空気が重い状況は生まれて初めてだ。いつも能天気な日菜でさえ、冷や汗をたらしまくり、目が痙攣している。
「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」
「そこの女子生徒。汚い息を吐くな。生徒会が汚れる」
衛生委員長がそう日菜に言い放つと、突然、女子生徒に目にも止まらぬ速度で顎に蹴りを入れられ衛生委員長が吹き飛ばされた。頭からは血が垂れている。
「衛生委員長。口を慎め」
「申し訳ありません・・・・・・、副会長様」
女子生徒にそう言われ、ふらふらになりながらも円卓机の前に戻り頭を垂れる。
「生徒会長様のおなりだ」
女子生徒と男子生徒が同時に言葉を発する。
頭を上げると、漆黒のマントを身につけ、英国紳士のような制服を着た長身の女子生徒が奥から入室してきた。
「・・・・・・」
先ほどよりもさらに空気が重くなった。生徒会長の威圧・威厳が合わさり、この世のものとは思えない空気になってしまった。
気を抜いたら、一瞬で押しつぶされそうな雰囲気だ。
「・・・・・・臨時閣議を始める。全員席に着け」
「ハッ!」
全員が声をそろえて言う。各委員長が円卓机に着席し、その周りを10人ほどの執行委員が取り囲む。
生徒会長は机に思いっきり足を乗せている。
「まずは・・・・・・この生徒二人の処遇についてか。どういうことか説明しろ、風紀委員長」
「御意。この者達は、高等部地下倉庫の壁を破壊した罪に問われています」
何で裁判始まってんの?
あと何度も言うけど、私たち無罪だからね? あのロリガキに濡れ衣着せられただけだからな?
「よってこの者達の即時退学を要求します」
「退学!?」
私たちは声をそろえて叫ぶ。
「黙れ!」
すぐに周りにいた執行委員の方々に取り押さえられたけどね。
「そこの女子生徒二人、何か反論はあるか?」
「わ、私たちは何もしておりません! 地下倉庫に住んでいる女の子に濡れ衣を着せられただけなのです! ですから、どうかお慈悲を!」
おぉ・・・・・・、日菜もなかなか喋れるんじゃねえかよ。まぁ自分の今後の人生がかかってるから仕方ないか・・・・・・
「なるほど。ではすぐに執行委員のものを調査に出す。これが嘘なのであれば、君たち二人の即時退学を決定する」
生徒会長は目配せで、自分の周りにいた執行委員3名を行かせる。
「御意!」
「あ、ありがとうございます! 生徒会長様!」
「まだお前たちの罪が晴れたわけではない。それまでこの建物から一歩たりとも出られると思うな」
「分かりました」
30分後
戻ってきた執行委員が、月を連れて戻ってきた。
「報告です。この者たちが言っていたことは本当であり、この者が真犯人でございます!」
「ご苦労」
「ちょっと! 何で急にこんなところにつれてきたんだよ! 早く戻らないと学園の警備システムが管理できないんだけど! つまり今学園は裸同然なんだよ!」
「口を慎め。愚か者」
「っ! 生徒会長様・・・・・・」
生徒会長を一目見た瞬間、硬直してしまった。目も痙攣してしまっている。
「久しぶりだな、月。拾ってやった恩も忘れ、学園破壊とはいいご身分だな」
「ち、違います! あれは警備システムの防衛のためなので仕方ないことなのです! どうかご理解を!」
「ほう・・・・・・防衛か・・・・・・。ならば何故、無関係な一般生徒まで攻撃する? あやつらは完全に無関係のはずだが」
「そ、それは・・・・・・」
完全に反論できなくなってしまった。
「まぁ、月がいなければ学園の警備システム及び、学園のサイバーセキュリティーが管理できない。今回は見逃すこととする。ただし二度目はない」
「はい! ありがとうございます!」
そう泣きながら言うと、月は執行委員と共に地下倉庫へ戻っていった。
「・・・・・・ん? ちょっと待て。お前たち、月をどうやってここまで連れてきた?」
生徒会長の顔が険しくなった。
「いや、普通に両腕を拘束してつれてまいりましたが・・・・・・」
「馬鹿者! 月を日光に当てるなとあれほど言っただろう!」
「し、しまった! 申し訳ございません!」
「今すぐ、日に当たらないところへ連れて行け! その後、全身を布で包み地下倉庫へと帰して来い!」
「ハッ!」
月を生徒会の建物の倉庫へと連れて行ってしまった。
「あのー・・・・・・生徒会長様、これは一体・・・・・・」
「あぁ、月は直射日光を浴びると一瞬で日焼けしてしまうからな・・・・・・その上、何年間も日光を浴びていないから、急に日光を見ると目が焼けるんだよ。本当にどうやってここまで連れてきたのか・・・・・・」
「あはは・・・・・・。月も大変だな・・・・・・」
「生徒会長様、私たちはこれからどうすれば・・・・・・」
日菜がおずおずと質問する。
「あぁ、お前たちは帰ってよい。時間の無駄になってしまってすまなかったな」
生徒会長は私たちのほうを向き、頭を下げる。
「そ、そんな生徒会長様! 頭をお上げください! 生徒会長様は何も悪くありません!」
「いや、悪いことをしたらきちんと謝るのは人間として当たり前の行為だ」
おや? 意外と礼儀正しい生徒会長だな・・・・・・。さすがに会議用の円卓机に足を乗せながら会議をするのはどうかと思うが。
「では、失礼致します」
「あぁ、ちょっと待て。日菜は帰ってよいが、実は残れ。話がある」
「はい?」
「で、何のようだ?」
机の前に立ち、会長に質問する。
「貴様! 生徒会長様に向かってなんだその口の聞き方は!」
「黙れ、衛生委員長」
「すみません・・・・・・」
これで二度目じゃん。衛生委員長、どんだけ叱られるんだよ。
「警備委員長から聞いている。お前、生徒会に入らないか?」
「え?」
「今なら、空いている三人目の『副会長』の座もある。お前の身分は確保済みだ。どうだ? 生徒会に入るつもりはないか?」
「・・・・・・」
今なら、生徒会の身分も高いところをとっておいてくれている。今入れば今後の私の学校生活は180度変わるだろう。
「・・・・・・考えさせてくれ」
「何!? 貴様、生徒会長様の勧誘を断るだと!?」
私の隣にいた執行委員の一人が声を荒げる。
「・・・・・・承知した。今は待とう。今日のところは帰ってよい」
「どうも」
私が生徒会の建物を出ようとした時。
「実。お前の活躍、これからも期待しているぞ」
「・・・・・・」
私は軽く笑いながら、生徒会を後にした。
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