巻き込まれて気づけば異世界 ～その配達員器用貧乏にて～

～ワーク～ 異世界では面白おかしく仕事します

物作りは何処もかわらないね

 「大まかに２つに分けてしまいましたけど…  

『下準備は魔法を使って大量に作り、
大事な作業箇所は機材を使って確実に行う』

なんて人もいますので、やり方は人により千差万別。自分にあったやり方を見つけるのも生産者の醍醐味の１つだと思います。

あ、ちなみに私は全ての工程を手作業でやりたいタイプです。」

ふむふむ、あんたの事はどうでも良い。作り方で物の質にも影響はあるのかな？俺は聞いてみた。

「そうですね…  やはり違いはでますね。魔法による製造は手早く大量にできますが質としてはそこそこですね。

その最たる例として、昔の人の作った『魔法工場』ですね。魔法の力により動く機械によって殆どの工程を自動化されているので大量に短時間で作ることができますが質としてはそこそこです。

私の様に１つ１つ手作りだと時間もかかるし、量もそんなにはできません。けれど品質については良いものができていると思います。」

今の話から２つ思ったんだ。

ハンドメイドとマシンメイドの違いはこの世界でもあるらしい。魔法なんてあるからマシンメイドでも超高品質とか作れるのかと思ってたわ。

あとは機械を作ってお金持ちだヒャッホーってのは確実に無理ってこと。この世界は電気のかわりに魔法の力って感じになるわけだな。

「特に質問は無いですか？  なら試しに薬作ってみましょうか。」

メーネはそう言うと手元の紙に何かを書き始めた。

「子供でもわかると思うけど、これが草を使った薬の作り方の基本よね～。」

そう言って何かを書いた紙を俺に渡してきた。そこには

『薬の作り方(草使用)

草を水に入れる→混ぜる→水分だけ取り出す』

と、書かれていた。ワー、カンタンダナー。

「薬草はある？  あるならそれ使ってね。あとは生活魔法を使えば簡単には作れるから。品質も問わないし取り敢えず１つ作ったら講座終了で～す。」

…ちょっと待った。生活魔法って何ぞや？