巻き込まれて気づけば異世界 ～その配達員器用貧乏にて～

～ノーブル～ 偉い人？そんなんしらね

胸くそわるいお宅訪問(５)

 俺は黒塊から目を離さない様にしながら考えていた。やっぱ実体の無さそうなもんだからなぁ…  魔力パンチや魔力キックのほうが効きそうだなぁ(ただの魔力を纏った格闘)

黒塊の雰囲気が変わった、動くか？  そう感じたのと同時に黒塊は動き出した。俺はこちらに向かってきた奴から叩き潰すつもりで体全体に魔力を纏った。しかし黒塊は思いもよらない方向へと動いていた。



塊はなぜか俺の目の前に横一列背の順で並んでいます…  どうも紋のついていた人の形を模倣しているようです。背の高さが大人から子供くらい差があるし、俺から向かって一番左…  コイツの体の凹凸は完璧俺に話しかけてきた女と同じだもんな。

まぁ休んでください、俺がそう言うと綺麗にみんな揃って休めの姿勢になった。お前らはどこの体育会系だ。

それで？  俺とやる戦うんだろ？  俺がそう言うと塊は全員ブンブンと顔を横にふっている。なんだよ？  じゃあいったいどうしたいんだよ？

そう思っているとリーダー塊が手を挙げる。はいどうぞ…  って何を言いたいのかさっぱりわからん！  先生わかります？  

あ、わかるんすね。何々…  紋をつけた術者より俺の力の方が数倍も上なため反射という形で納めてもらいたい？  俺が確認すると塊たちは頭を上下に動かして肯定している。

別にこちらに被害がなければ俺はいいぞ。俺がそういうと塊たちは綺麗に動きを揃えてこちらへ礼をした。礼をし終わるとピュンピュンと一斉に飛び始め天井へ吸い込まれていった。

…うん、奴隷紋解除完了だ、質問は受け付けない。俺は収納から複製しながらジャージを人数分取り出す。

なんとこのジャージ、見た目はただの小豆色の芋ジャージなんですが…  なんと魔法パワーによるサイズ自動調節と自動補修のついた素敵ジャージなのです！

「…なんかダサいけど久々に肌を隠せる服を着たわ…」

うるさい、一言余計だ。さてと…  これからからこの館から出てく予定の使用人たちと会わせっから。後はその人たちと一緒に行動してくれ。

次はなにしようかなぁ…