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13-1.真実
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自分で歩くと言っても、ルーカスはシェルを降ろそうとしなかった。
屋敷に帰り、まっすぐ寝室へ連れ込まれる。
広いベッドに腰掛けると、ルーカスに丁寧に身体を拭かれ、寝間着に着替えさせられた。まるで姫のような扱いに、こそばゆくなる。
もとはといえば、自分がトビーを信じてしまったことが原因だ。叱られもせず、こんなに丁寧に扱われていいはずがない。
拭ったタオルを持って部屋を出ようとするルーカスに、シェルが腰を上げた。
「あのっ」
「どうした?」
「今日のこと、本当にごめんなさい。僕が言いつけを守らなかったから、だから……」
パジャマの胸元を握りしめ、ルーカスを見上げた。
「僕に、お仕置き、してください」
「お前……」
おずおずとベッドに四つん這いになり、尻尾を持ち上げた。この格好だけでも恥ずかしいが、ケインの痛みを想像すると身体が震える。それでも、自分は仕置きを受ける必要がある。
黙って見つめるルーカスの視線を、身体中に感じた。ルーカスがベッドの横に立つ。
「いいんだな?」
「はい」
シェルの尻に、ルーカスの掌が添えられた。ビクリとした瞬間、手が離れ服の上から叩かれる。
「……っ!」
「もっとちゃんと、躾ておけば良かったな」
ニ発三発と叩かれ、あまり痛みはないが尻尾をくねらせてしまう。
「お前が出て行ったとわかって、逃げられたと思った。また逃がしてしまったと」
「ご主人様? う……っ」
何故かルーカスが苦しげに言葉を絞り出す。
叩く手が止まったかと思うと、下着ごと着衣を下ろされた。裸の尻は何度も見られているが、それとはまた違う羞恥を感じる。
剥き出しの尻を撫でられると、また平手が飛んでくる。乾いた音を立てて、庇う布のない尻にジンジンと痛みが広がった。
「あーーっ!」
続けざまに叩かれ、腕が崩れた。枕に顔を埋め、尻を高く突き出す格好になる。太股近くを打たれ、鋭い痛みにバランスを崩しそうになったが賢明に耐えた。
「ふ、う……いっ」
小さい悲鳴に涙が混じる。シェルの白い尻が徐々に赤く染まってきた。尻尾を揺らし滲む涙を枕に押し付けていると、耳の横にルーカスの気配を感じた。
「どれだけ心配したと思ってる」
「ご主人さ……いぃっ」
一層強く叩かれ、それから慈しむように赤くなった尻を撫でられる。
身体を抱き起こされたかと思うと、仰向けに押し倒された。呆然としているシェルに、ルーカスが顔を寄せる。
「お前がいなくなって、必死に気配を辿った。あの野郎の気配もあったから不安で仕方なかった。自分が逆恨みをされても何とも思わないが、お前に何かあったらと思うと……生きた心地がしなかった」
「ご主人様……」
屋敷に帰り、まっすぐ寝室へ連れ込まれる。
広いベッドに腰掛けると、ルーカスに丁寧に身体を拭かれ、寝間着に着替えさせられた。まるで姫のような扱いに、こそばゆくなる。
もとはといえば、自分がトビーを信じてしまったことが原因だ。叱られもせず、こんなに丁寧に扱われていいはずがない。
拭ったタオルを持って部屋を出ようとするルーカスに、シェルが腰を上げた。
「あのっ」
「どうした?」
「今日のこと、本当にごめんなさい。僕が言いつけを守らなかったから、だから……」
パジャマの胸元を握りしめ、ルーカスを見上げた。
「僕に、お仕置き、してください」
「お前……」
おずおずとベッドに四つん這いになり、尻尾を持ち上げた。この格好だけでも恥ずかしいが、ケインの痛みを想像すると身体が震える。それでも、自分は仕置きを受ける必要がある。
黙って見つめるルーカスの視線を、身体中に感じた。ルーカスがベッドの横に立つ。
「いいんだな?」
「はい」
シェルの尻に、ルーカスの掌が添えられた。ビクリとした瞬間、手が離れ服の上から叩かれる。
「……っ!」
「もっとちゃんと、躾ておけば良かったな」
ニ発三発と叩かれ、あまり痛みはないが尻尾をくねらせてしまう。
「お前が出て行ったとわかって、逃げられたと思った。また逃がしてしまったと」
「ご主人様? う……っ」
何故かルーカスが苦しげに言葉を絞り出す。
叩く手が止まったかと思うと、下着ごと着衣を下ろされた。裸の尻は何度も見られているが、それとはまた違う羞恥を感じる。
剥き出しの尻を撫でられると、また平手が飛んでくる。乾いた音を立てて、庇う布のない尻にジンジンと痛みが広がった。
「あーーっ!」
続けざまに叩かれ、腕が崩れた。枕に顔を埋め、尻を高く突き出す格好になる。太股近くを打たれ、鋭い痛みにバランスを崩しそうになったが賢明に耐えた。
「ふ、う……いっ」
小さい悲鳴に涙が混じる。シェルの白い尻が徐々に赤く染まってきた。尻尾を揺らし滲む涙を枕に押し付けていると、耳の横にルーカスの気配を感じた。
「どれだけ心配したと思ってる」
「ご主人さ……いぃっ」
一層強く叩かれ、それから慈しむように赤くなった尻を撫でられる。
身体を抱き起こされたかと思うと、仰向けに押し倒された。呆然としているシェルに、ルーカスが顔を寄せる。
「お前がいなくなって、必死に気配を辿った。あの野郎の気配もあったから不安で仕方なかった。自分が逆恨みをされても何とも思わないが、お前に何かあったらと思うと……生きた心地がしなかった」
「ご主人様……」
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