22 / 30
11-3 ★
しおりを挟む
涙の溜まる瞳で睨み上げても、トビーには届かない。
両脚を広げられれば、壁を背にしていた身体は腰が前へと滑り、トビーの前へ秘部を突き出すような格好になる。
ルーカスにしか見せたことのないそこへ視線が向けられ、羞恥と屈辱に固く瞼を閉じる。
「後ろ、キレイな色してる。まだそんな使い込まれてないんだ。じゃ、僕が開発してあげるよ」
「な……っ」
トビーが掌を上へ向けると、紫色の禍々しい煙のようなものが出てきた。
徐々に煙は形を持ち始め、先が丸く短い棒のような物体ができた。まるで男性器を模したようなそれに息を飲む。
「ディルド、使ったことある? 僕からのプレゼントだよ」
トビーに握られたそれが、秘部に押しつけられる。冷たい感触に、逃げようと腰を引いたが逃げられるはずもない。
「そのまま突っ込んだら痛いかな?」
「やめ……あああっ」
裂けるようなひどい痛みが後ろから背中へ貫通する。息が上手くできず、喘ぐように叫んだ。
「あ、や……めろ、抜、いっ」
「足りないんじゃないの? もっと奥まで挿れてあげるよ、ほら」
「ひいっ、あ、や――ああ」
無理にディルドを押し込まれ、串刺しにされたのかと思うような衝撃が走る。
「ははっ、痛そうだね」
「ああっ、は、う……ぁあっ、い――」
「何嫌がってるの? ご主人様にもこうされてるんだろ?」
「違……ちがう、こんな……の」
やり方は強引だったが、ルーカスにこれほど乱暴にされたことはなかった。
根底に不器用な優しさがあったことに、ようやく気がつく。注ぎ込まれる快楽も何もない。ただ自分を痛めつけようとするトビーの手が、異形の者のように気持ちが悪かった。
「ご主人様、は……あなたとは、違う。あなたは……自分の、呪術がご主人様に、及ばないからって……僕を使って、八つ当たりしているだけ……っ」
不気味な笑みを浮かべていたトビーから表情が消える。据わった目がこちらを見つめた。
「可愛い顔して、可愛くないこと言うんだね」
「んんーーっ」
ぱちんと再び指を鳴らされると、口が引き結ばれ開かなくなった。
トビーがディルドを握り直し、激しく動かす。動きを増したそれの強い痛みで、後孔が切れるのではないかと恐ろしくなる。
「ん、んんっ! ん……ふっ」
「いいね、その屈辱にまみれた顔。ルーカスにもそんな顔をしてほしいな」
「んーーッッ!」
勢いよくディルドが引き抜かれた。口を塞がれたまま、シェルは必死で息をする。どうにかここから逃げなければ。でもその術が見つからない。
何かがカチャカチャと音がする。恐る恐る目を向けると、トビーがベルトを外そうとしていた。
「次は僕のを挿れてあげようかな」
「んんっ、んーー!」
「自分のペットが僕のおもちゃにされてるの見たら、ルーカスの奴どんな顔するかなあ? 寝取られて意外と興奮しちゃうかも? 獣人のオスと寝る奴だもんな。ははっ」
思い切り身体を捻ると、床に倒れ込んだ。縛られたままの腕で必死に床を這うが、腰を捕まれ引き戻される。
嫌だ、怖い、助けて……
――ご主人様!
両脚を広げられれば、壁を背にしていた身体は腰が前へと滑り、トビーの前へ秘部を突き出すような格好になる。
ルーカスにしか見せたことのないそこへ視線が向けられ、羞恥と屈辱に固く瞼を閉じる。
「後ろ、キレイな色してる。まだそんな使い込まれてないんだ。じゃ、僕が開発してあげるよ」
「な……っ」
トビーが掌を上へ向けると、紫色の禍々しい煙のようなものが出てきた。
徐々に煙は形を持ち始め、先が丸く短い棒のような物体ができた。まるで男性器を模したようなそれに息を飲む。
「ディルド、使ったことある? 僕からのプレゼントだよ」
トビーに握られたそれが、秘部に押しつけられる。冷たい感触に、逃げようと腰を引いたが逃げられるはずもない。
「そのまま突っ込んだら痛いかな?」
「やめ……あああっ」
裂けるようなひどい痛みが後ろから背中へ貫通する。息が上手くできず、喘ぐように叫んだ。
「あ、や……めろ、抜、いっ」
「足りないんじゃないの? もっと奥まで挿れてあげるよ、ほら」
「ひいっ、あ、や――ああ」
無理にディルドを押し込まれ、串刺しにされたのかと思うような衝撃が走る。
「ははっ、痛そうだね」
「ああっ、は、う……ぁあっ、い――」
「何嫌がってるの? ご主人様にもこうされてるんだろ?」
「違……ちがう、こんな……の」
やり方は強引だったが、ルーカスにこれほど乱暴にされたことはなかった。
根底に不器用な優しさがあったことに、ようやく気がつく。注ぎ込まれる快楽も何もない。ただ自分を痛めつけようとするトビーの手が、異形の者のように気持ちが悪かった。
「ご主人様、は……あなたとは、違う。あなたは……自分の、呪術がご主人様に、及ばないからって……僕を使って、八つ当たりしているだけ……っ」
不気味な笑みを浮かべていたトビーから表情が消える。据わった目がこちらを見つめた。
「可愛い顔して、可愛くないこと言うんだね」
「んんーーっ」
ぱちんと再び指を鳴らされると、口が引き結ばれ開かなくなった。
トビーがディルドを握り直し、激しく動かす。動きを増したそれの強い痛みで、後孔が切れるのではないかと恐ろしくなる。
「ん、んんっ! ん……ふっ」
「いいね、その屈辱にまみれた顔。ルーカスにもそんな顔をしてほしいな」
「んーーッッ!」
勢いよくディルドが引き抜かれた。口を塞がれたまま、シェルは必死で息をする。どうにかここから逃げなければ。でもその術が見つからない。
何かがカチャカチャと音がする。恐る恐る目を向けると、トビーがベルトを外そうとしていた。
「次は僕のを挿れてあげようかな」
「んんっ、んーー!」
「自分のペットが僕のおもちゃにされてるの見たら、ルーカスの奴どんな顔するかなあ? 寝取られて意外と興奮しちゃうかも? 獣人のオスと寝る奴だもんな。ははっ」
思い切り身体を捻ると、床に倒れ込んだ。縛られたままの腕で必死に床を這うが、腰を捕まれ引き戻される。
嫌だ、怖い、助けて……
――ご主人様!
0
お気に入りに追加
55
あなたにおすすめの小説
【短編】乙女ゲームの攻略対象者に転生した俺の、意外な結末。
桜月夜
BL
前世で妹がハマってた乙女ゲームに転生したイリウスは、自分が前世の記憶を思い出したことを幼馴染みで専属騎士のディールに打ち明けた。そこから、なぜか婚約者に対する恋愛感情の有無を聞かれ……。
思い付いた話を一気に書いたので、不自然な箇所があるかもしれませんが、広い心でお読みください。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

完結·助けた犬は騎士団長でした
禅
BL
母を亡くしたクレムは王都を見下ろす丘の森に一人で暮らしていた。
ある日、森の中で傷を負った犬を見つけて介抱する。犬との生活は穏やかで温かく、クレムの孤独を癒していった。
しかし、犬は突然いなくなり、ふたたび孤独な日々に寂しさを覚えていると、城から迎えが現れた。
強引に連れて行かれた王城でクレムの出生の秘密が明かされ……
※完結まで毎日投稿します

【完結済み】準ヒロインに転生したビッチだけど出番終わったから好きにします。
mamaマリナ
BL
【完結済み、番外編投稿予定】
別れ話の途中で転生したこと思い出した。でも、シナリオの最後のシーンだからこれから好きにしていいよね。ビッチの本領発揮します。

親友と同時に死んで異世界転生したけど立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話
gina
BL
親友と同時に死んで異世界転生したけど、
立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話です。
タイトルそのままですみません。
捨て猫はエリート騎士に溺愛される
135
BL
絶賛反抗期中のヤンキーが異世界でエリート騎士に甘やかされて、飼い猫になる話。
目つきの悪い野良猫が飼い猫になって目きゅるんきゅるんの愛される存在になる感じで読んでください。
お話をうまく書けるようになったら続きを書いてみたいなって。
京也は総受け。


婚約破棄された悪役令息は従者に溺愛される
田中
BL
BLゲームの悪役令息であるリアン・ヒスコックに転生してしまった俺は、婚約者である第二王子から断罪されるのを待っていた!
なぜなら断罪が領地で療養という軽い処置だから。
婚約破棄をされたリアンは従者のテオと共に領地の屋敷で暮らすことになるが何気ないリアンの一言で、テオがリアンにぐいぐい迫ってきてーー?!
従者×悪役令息
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる