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8-1.イイコト
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気が付いたら俺は、どこかのベッドに寝かされていた。
板張りの天井と壁が見える。どこだここは。
確かノアと飲んでいて、酒のまわりが早くて眠くなって……
「フレディ」
「――っ!?」
真横にノアの顔があった。
肘を枕にし、俺の横に添い寝をしている。
「な……、はっ? なんで、ここ」
「覚えていませんか? フレディが酔ってしまわれたので、宿へお連れしました」
最悪だ。推しの前で醜態を晒すなんてみっともない。
「悪い、迷惑かけた。俺もう帰るから」
居たたまれなくてベッドから起き上がると、ノアに肩を掴まれた。
「ノア?」
「言ったでしょう。今日はあなたを帰したくないと」
ぐっと両肩を押され、ベッドに押し倒された!?
真上にいるノアが、紫の瞳で俺を見下ろしている。
「な……え、なんだ……???」
「あなたともっと、深い仲になりたいんですよ」
ふっと口の端で笑った。
そしてその唇が、俺の唇に重なる。
「ん……ふっ」
柔らかく押し当てられた感触に、頭が真っ白になる。
キス……キスじゃないか!?
前世でも今世でも色恋沙汰とは無縁だった。
童貞どころか、これがファーストキスだったんだが!?
呆然と見上げると、ノアの唇が艶めかしく濡れていた。
その唇をぺろりと舐める仕草が、たまらなく色っぽい。
「可愛いですね、フレディ。もしかして、男相手は初めてですか?」
「……っ」
俺の反応に、ノアが薄く笑った。
男相手どころじゃない。俺は誰とも何もしたことないぞ。
「では、優しくして差し上げましょう」
ノアの指先が、俺の指に絡めてくる。
そうして、また顔を近づけ……
「ま、待て! 何しようとしてる!?」
「イイコト、ですよ」
そっと、服の上から俺の中心をなぞるように触れてくる。
さすがに童貞の俺だって、何をされようとしてるかはわかった。
「やめろ! 俺は別にこんなことしたいわけじゃ……っ」
「僕に触られるの、嫌ですか?」
「い、嫌というか……けど、でもこんなっ」
「だったらいいじゃないですか。僕に身を委ねてください」
逃げる間もなく、耳元にノアの唇が当てられた。
「気持ちいいこと、してあげますよ」
板張りの天井と壁が見える。どこだここは。
確かノアと飲んでいて、酒のまわりが早くて眠くなって……
「フレディ」
「――っ!?」
真横にノアの顔があった。
肘を枕にし、俺の横に添い寝をしている。
「な……、はっ? なんで、ここ」
「覚えていませんか? フレディが酔ってしまわれたので、宿へお連れしました」
最悪だ。推しの前で醜態を晒すなんてみっともない。
「悪い、迷惑かけた。俺もう帰るから」
居たたまれなくてベッドから起き上がると、ノアに肩を掴まれた。
「ノア?」
「言ったでしょう。今日はあなたを帰したくないと」
ぐっと両肩を押され、ベッドに押し倒された!?
真上にいるノアが、紫の瞳で俺を見下ろしている。
「な……え、なんだ……???」
「あなたともっと、深い仲になりたいんですよ」
ふっと口の端で笑った。
そしてその唇が、俺の唇に重なる。
「ん……ふっ」
柔らかく押し当てられた感触に、頭が真っ白になる。
キス……キスじゃないか!?
前世でも今世でも色恋沙汰とは無縁だった。
童貞どころか、これがファーストキスだったんだが!?
呆然と見上げると、ノアの唇が艶めかしく濡れていた。
その唇をぺろりと舐める仕草が、たまらなく色っぽい。
「可愛いですね、フレディ。もしかして、男相手は初めてですか?」
「……っ」
俺の反応に、ノアが薄く笑った。
男相手どころじゃない。俺は誰とも何もしたことないぞ。
「では、優しくして差し上げましょう」
ノアの指先が、俺の指に絡めてくる。
そうして、また顔を近づけ……
「ま、待て! 何しようとしてる!?」
「イイコト、ですよ」
そっと、服の上から俺の中心をなぞるように触れてくる。
さすがに童貞の俺だって、何をされようとしてるかはわかった。
「やめろ! 俺は別にこんなことしたいわけじゃ……っ」
「僕に触られるの、嫌ですか?」
「い、嫌というか……けど、でもこんなっ」
「だったらいいじゃないですか。僕に身を委ねてください」
逃げる間もなく、耳元にノアの唇が当てられた。
「気持ちいいこと、してあげますよ」
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