完結】執事と共に呪い回避の旅に出てみた件~王子様に転生したのにストーリーに干渉したら呪いをかけられる一歩手前です

tobe

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「あのカエルですから、そうやすやすとアヒルに食べられるとも限りませんよ」

「うん そうだね」

「それに私には、まだあのカエルが居そうな場所に心当たりがあります」

「え?!」

「ご案内いたしますから、参りましょう」

僕は、立ちあがる。そうだよね、カエルなんておとぎ話の世界にだって、きっと沢山いるよね?
あのカエルのことだから、しぶとく生き残っているに決まってる。


先に歩くボブの斜め後ろを僕は歩き出す。見覚えのあるような塔が見えて来る。塔の近くでは白い馬が草を食んでいる。そして森への道をスルーする。あれ?これって通った道だよね?

「王子 旅は楽しいですか?」

ボブが振り返る

「うん、いろんな人や、いろんな動物がいて面白かったよ」

「それは 良かったですね」

「子ブタたちはもう家を建てたのかな?」

「さあ、朝の時点ではまだでしたね」


「子ブタは、ストーリーは変えられないって言ってたけど、僕のストーリーは変わっちゃったんだよなあ」

「王子だけの問題じゃありませんよ」

「姉上の事?ん?姉上ってお姫様だよね?」

「王子 記憶喪失ですか?」

「ボブ!僕いいこと考えた!!」

「ああ 子供が言う その『いいこと考えた』は大概 碌なコトじゃないんですよね」

はあっとボブはわざとらしいため息をつくけれど、もう僕は子供じゃないし、けっこういい考えだと思うんだ。

「あのね 僕、お姫様を探しに旅に出たつもりだったけれど、もしかしたら、王子さまを見つけたかもしれない!」

「それは あの 塔で見かけた白馬の王子様ですか?」

ボブの目が、可哀そうな子を見る目になった

「違うよ! ジェリさんだよ 姉上とジェリさん、お似合いじゃない?」

「ジュリ様ですか…」

ボブの歩みがゆっくりになり、何やら考えているみたい。

姉上は『カエルの王子さま』のヒロインだったと思うけど、僕が池に毬を落としちゃったからストーリーが変わっちゃって、王子様が現れない。

ジェリさんは、自分が野獣になった時に魔法を解いてくれる”お姫様”が本当に現れるのかを心配して、その場合ポットや時計になったままの人生を送ることになる使用人の事も気がかりで物語を進められないでいる。

でもさ、先に魔法を解いてくれるお姫様をキープしておけばいいんじゃない?
本人達の気持ちが優先だけどさ、もしお互いが気に入れば、ジェリさんは物語を進めて、姉上が魔法を解くお姫様になって、ジェリさんの屋敷を訪れればいいんだよ

兎に角、その為にはお城に帰んなくちゃね!そして 長年秘密にしていた毬を池に落とした話を告白して、それから
この旅の話と ジェリさんの話をしよう! ん? 旅の話が先なのかな? まあ どっちでもいいかな?

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