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7 森には近づきません
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「あれは森、ですね」
ボブの指さす先には、確かに人工林とは思えない様な森がある。
「森にはカエルがいるのではないですか?」
うん、いるかもしれない。モリアオガエルって言うくらいだからな。でも、おとぎ話の森って碌なヤツいないよな?
お菓子の家は興味あるけど、栄養状態が良い僕とボブだよ?
『太らせる為に少し飼っておこう』とはならないで、今晩のおかずにされちゃうよね?
赤い頭巾をかぶった女の子が花を摘んでいたら「道草しちゃ駄目ってお母さんに言われなかった?」って余計なアドバイスして、また物語に干渉しちゃいそうだしな。
立ち止まって、森の方へ行くべきか、行かざるべきか、少しだけ迷う。
「歌声が聞こえませんか?」
ボブが手をかざして森の方を見る
「そう?」
耳を澄ませると、かすかに歌声が聞こえるような聞こえない様な・・・・・ これはあれかな?小人さんと暮らしているお姫様の歌声かな?
歌ってるってことは、まだ 継母に見つからずに暮らしているんだよね?
「小人さんの注意をちゃんと聞かないとダメだよ」
位のアドバイスはしちゃいそうだなあ。うん、もうストーリーに干渉するのは止めよう!悪い予感しかしないもんね
「うん、ボブ、これは あれだローレライ?の歌じゃないのかな?」
「ローレライがいるのは 川や海!では カエルも居るのではないですか?」
「じゃあ ボブ、行って捕まえて来てくれるかな?」
「すみません 間違えました 海にカエルは居ませんね?」
「うん、じゃあ ボブ 川だけでも見て来てくれるかな?」
「すみません 考えてみたら あのカエルは沼や池にいそうなタイプでしたよね?」
「そう?」
「ええ そうです」
「じゃあ 池を探しに進もうか?」
「ええ そうしましょう」
賢い従者のアドバイスに従って、僕達は森は回避して先に進むことにした。
「ボブ、僕 疲れて来たんだけど……」
城から、出たこともあまりないようなおとぎ話の王子様である僕はそろそろ疲れて来た。もう、帰ろうかな?
でも「旅に出ます」って言って出て来て 日帰りは無いよな?
カエルにも会ってないし、お姫様にも会ってない。それで日帰り?夕食は僕の分まで用意してあるかな?
「ボブ、ちょっと休も――」
「王子 向うに屋敷が見えます」
ボブが僕の言葉を遮った。
「屋敷?」
本当だ 僕の城ほどじゃないけど、大きな屋敷が見える。
「行ってみようか?そろそろ日が暮れて来たし 一夜の宿を借りることが出来るといいんだけど?」
僕の提案に、ボブが眉を顰める
「王子?お疲れなのは理解致しますが 日が暮れて来た、というお言葉には賛同致しかねます」
「もう うるさい従者だこと!!」
僕は持っても居ない扇(エア扇)で口元を隠して呟いた。
ボブの指さす先には、確かに人工林とは思えない様な森がある。
「森にはカエルがいるのではないですか?」
うん、いるかもしれない。モリアオガエルって言うくらいだからな。でも、おとぎ話の森って碌なヤツいないよな?
お菓子の家は興味あるけど、栄養状態が良い僕とボブだよ?
『太らせる為に少し飼っておこう』とはならないで、今晩のおかずにされちゃうよね?
赤い頭巾をかぶった女の子が花を摘んでいたら「道草しちゃ駄目ってお母さんに言われなかった?」って余計なアドバイスして、また物語に干渉しちゃいそうだしな。
立ち止まって、森の方へ行くべきか、行かざるべきか、少しだけ迷う。
「歌声が聞こえませんか?」
ボブが手をかざして森の方を見る
「そう?」
耳を澄ませると、かすかに歌声が聞こえるような聞こえない様な・・・・・ これはあれかな?小人さんと暮らしているお姫様の歌声かな?
歌ってるってことは、まだ 継母に見つからずに暮らしているんだよね?
「小人さんの注意をちゃんと聞かないとダメだよ」
位のアドバイスはしちゃいそうだなあ。うん、もうストーリーに干渉するのは止めよう!悪い予感しかしないもんね
「うん、ボブ、これは あれだローレライ?の歌じゃないのかな?」
「ローレライがいるのは 川や海!では カエルも居るのではないですか?」
「じゃあ ボブ、行って捕まえて来てくれるかな?」
「すみません 間違えました 海にカエルは居ませんね?」
「うん、じゃあ ボブ 川だけでも見て来てくれるかな?」
「すみません 考えてみたら あのカエルは沼や池にいそうなタイプでしたよね?」
「そう?」
「ええ そうです」
「じゃあ 池を探しに進もうか?」
「ええ そうしましょう」
賢い従者のアドバイスに従って、僕達は森は回避して先に進むことにした。
「ボブ、僕 疲れて来たんだけど……」
城から、出たこともあまりないようなおとぎ話の王子様である僕はそろそろ疲れて来た。もう、帰ろうかな?
でも「旅に出ます」って言って出て来て 日帰りは無いよな?
カエルにも会ってないし、お姫様にも会ってない。それで日帰り?夕食は僕の分まで用意してあるかな?
「ボブ、ちょっと休も――」
「王子 向うに屋敷が見えます」
ボブが僕の言葉を遮った。
「屋敷?」
本当だ 僕の城ほどじゃないけど、大きな屋敷が見える。
「行ってみようか?そろそろ日が暮れて来たし 一夜の宿を借りることが出来るといいんだけど?」
僕の提案に、ボブが眉を顰める
「王子?お疲れなのは理解致しますが 日が暮れて来た、というお言葉には賛同致しかねます」
「もう うるさい従者だこと!!」
僕は持っても居ない扇(エア扇)で口元を隠して呟いた。
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