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2 アサータ王国へ
19 ちょっとお願い
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「レーナに会えるよ」
レーナ!今日は金曜日なのかな?
翌日、セクウはベッドの上でお世話係に身なりを整えてもらって、顔色はあまりよくないし髪の艶も無いけれど、まあ 見られるようになった。
僕は、セクウが撫でつけてくれたけれど、窓に映る僕は毛並みが悪くて冴えない。セクウが気が付く都度目ヤニもとってくれるんだけど、かっこ悪いなあ
トントントン 寝室のドアがノックがされてドアを開けたのは見覚えがある護衛。開けられたドアからレーナとマオリ。
護衛は寝室までは入らないで開けられたままの居室のドアのところまで戻った。
「お加減はいかがですか?」
「こんな 見苦しい姿で申し訳ない」
「いいえ」
「マー」
僕がセクウの胸から顔を出そうとした時、セクウが僕を抱き締めた
「マダナ 悪いんだけど ちょっとボクの身代わりになってくれない?」
え?何言ってんのセクウ
「レーナと何話していいか分からない 今日のボクはいつも以上にどうしていいかわからない」
しょうがないなあ
「ありがとう ボク 少し眠るね」
え?眠る?
セクウが僕をレーナに渡そうとする。レーナが手を伸ばす。レーナの手がセクウの、ぼくの手に触れた。
これは、セクウの手?僕の手?僕が抱いている毛並みの悪いコドモトビネコは僕?
それとも知らないコドモトビネコ?
「申し訳ない。ぼくが臥せっている間、マダナの世話をするものが居なくて」
ぼくの口が勝手に動く
「マー」
レーナの腕の中で力なく鳴いたのは僕?
あれ?世界がぐるぐるするよ?
レーナがマオリが何か叫んでいる
薄明り、紫がかった薄明り、夢の中なのかな?
えーと、ここはどこだろう?
あ、クラス分けテスト受けなくっちゃ コドモトビネコも塾へ行くのかな?
コドモトビネコ?ってなんだっけ?
『魔獣でしょ?』
あ?セクウ?
『じゅく とか くらすわけてすとって何?マダナの前世の事?』
うん、そうだよ。
こことは似ているけど違う世界で僕は人間だったんだ。クラス分けテストの日にね
黒猫が前を横切ってさ その呪いかな? 今世で紫紺のコドモトビネコになるなんてさ?
『呪い?むしろご褒美でしょ? 誰だって次に生まれ変わったら猫になりたいって思ってるんだから』
そうなの?
『そうだよ』
この世界、少なくともアサーダではそうなのかな?
半分だけ、僕は納得した。
『だから、マダナは黒猫を傷つけてなんていないないよ。ただ、何らかの衝撃でマダナの中に入ったんじゃないのかな?それぞれの世界を飛び越えるのは意外に難しくないのかも知れないね。そして今君はセクウの中にいるんだよ』
セクウの中?ちょっと待って?どうゆうこと?
『あのね、マダナが最初に僕の部屋に不法侵入してきた時に君はボクに捕まった。同時にすぐに僕の精神世界に入ってきた。その時は魔獣ってそいういうもの、なのかと思ったけれどそもそも、マダナは他のモノの精神世界に入るのが上手って特性があるのかもしれないね』
特性?そんなの得意とか不得意とかあるのか?
僕は眉を寄せる。
『よかったよ、マダナがそんな特性持っていて。よろしくね、ボクの身代わり』
は?待て、そんなの引き受けた覚えないよ
『しょうがないなあ って言ったでしょ?ボクが身代わりを頼んだ時に』
そんなこと言った?
『うん、承諾されなかったら、どんな魔法使いだって身代わりをやってもらうなんてことは出来ないでしょ?』
えええええええええええええええええええええええええええええええ
『もう、手遅れ』
いやいやいやいや、詐欺でしょ?僕戻るよ、身代わりなんて冗談じゃない!
ふっと明かりが消えるように世界が真っ暗になった。
レーナ!今日は金曜日なのかな?
翌日、セクウはベッドの上でお世話係に身なりを整えてもらって、顔色はあまりよくないし髪の艶も無いけれど、まあ 見られるようになった。
僕は、セクウが撫でつけてくれたけれど、窓に映る僕は毛並みが悪くて冴えない。セクウが気が付く都度目ヤニもとってくれるんだけど、かっこ悪いなあ
トントントン 寝室のドアがノックがされてドアを開けたのは見覚えがある護衛。開けられたドアからレーナとマオリ。
護衛は寝室までは入らないで開けられたままの居室のドアのところまで戻った。
「お加減はいかがですか?」
「こんな 見苦しい姿で申し訳ない」
「いいえ」
「マー」
僕がセクウの胸から顔を出そうとした時、セクウが僕を抱き締めた
「マダナ 悪いんだけど ちょっとボクの身代わりになってくれない?」
え?何言ってんのセクウ
「レーナと何話していいか分からない 今日のボクはいつも以上にどうしていいかわからない」
しょうがないなあ
「ありがとう ボク 少し眠るね」
え?眠る?
セクウが僕をレーナに渡そうとする。レーナが手を伸ばす。レーナの手がセクウの、ぼくの手に触れた。
これは、セクウの手?僕の手?僕が抱いている毛並みの悪いコドモトビネコは僕?
それとも知らないコドモトビネコ?
「申し訳ない。ぼくが臥せっている間、マダナの世話をするものが居なくて」
ぼくの口が勝手に動く
「マー」
レーナの腕の中で力なく鳴いたのは僕?
あれ?世界がぐるぐるするよ?
レーナがマオリが何か叫んでいる
薄明り、紫がかった薄明り、夢の中なのかな?
えーと、ここはどこだろう?
あ、クラス分けテスト受けなくっちゃ コドモトビネコも塾へ行くのかな?
コドモトビネコ?ってなんだっけ?
『魔獣でしょ?』
あ?セクウ?
『じゅく とか くらすわけてすとって何?マダナの前世の事?』
うん、そうだよ。
こことは似ているけど違う世界で僕は人間だったんだ。クラス分けテストの日にね
黒猫が前を横切ってさ その呪いかな? 今世で紫紺のコドモトビネコになるなんてさ?
『呪い?むしろご褒美でしょ? 誰だって次に生まれ変わったら猫になりたいって思ってるんだから』
そうなの?
『そうだよ』
この世界、少なくともアサーダではそうなのかな?
半分だけ、僕は納得した。
『だから、マダナは黒猫を傷つけてなんていないないよ。ただ、何らかの衝撃でマダナの中に入ったんじゃないのかな?それぞれの世界を飛び越えるのは意外に難しくないのかも知れないね。そして今君はセクウの中にいるんだよ』
セクウの中?ちょっと待って?どうゆうこと?
『あのね、マダナが最初に僕の部屋に不法侵入してきた時に君はボクに捕まった。同時にすぐに僕の精神世界に入ってきた。その時は魔獣ってそいういうもの、なのかと思ったけれどそもそも、マダナは他のモノの精神世界に入るのが上手って特性があるのかもしれないね』
特性?そんなの得意とか不得意とかあるのか?
僕は眉を寄せる。
『よかったよ、マダナがそんな特性持っていて。よろしくね、ボクの身代わり』
は?待て、そんなの引き受けた覚えないよ
『しょうがないなあ って言ったでしょ?ボクが身代わりを頼んだ時に』
そんなこと言った?
『うん、承諾されなかったら、どんな魔法使いだって身代わりをやってもらうなんてことは出来ないでしょ?』
えええええええええええええええええええええええええええええええ
『もう、手遅れ』
いやいやいやいや、詐欺でしょ?僕戻るよ、身代わりなんて冗談じゃない!
ふっと明かりが消えるように世界が真っ暗になった。
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