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2 アサータ王国へ
8 来ました
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レーナのポシェットに入れられてレーナの部屋に帰った僕はいつもよりも念入りにマオリに健康観察された。
「マダナ、もう勝手に出て行ってはダメよ。本当に心配したのよ!」
「マー」
それは僕も反省しています。
もう一生レーナに会えないくなるかと思ったもんね。よかったレーナがセクウのお見舞いに来てくれて セクウが病気にかかってくれててよかったよね すごい偶然!
「叔母様はなぜセクウ様のところに行くようにって言われたのかしらね?」
「あの方には不思議な力がありますからね」
ん?この偶然にはあのオバサンも影響しているんだ?でも、もうあのオバサンいないよね?どこ行っちゃったんだろう?
「マダナも叔母様にさよならを言いたかった?」
「ナー」
だって、あのオバサンにとっては僕は単なるぬいぐるみでしょ?
「健康状態については問題は無いようですね」
マオリに開放されて僕はレーナの膝の上で大きく伸びをしてから丸くなる。
レーナの膝の上はレーナの匂いがして安心する、優しくなでてくれる手もとっても気持ちがいい。
「レーナ様、学園にはこの離宮から通われますか?それともバルカ様の薦められるように寄宿に入られますか?」
「寄宿には、マダナは連れていけるかしら?」
「難しいでしょうねえ」
「叔母様に相談するべきだったわね」
「そうですね でも肝心なマダナが行方不明でしたから」
「そうねえ……」
僕、レーナに迷惑かけたのかな?レーナがやりたいことするのに邪魔になっているのかなあ……二人の声を遠くに聞きながら僕は眠りに落ちた
**
その夜のうちにセクウからお茶の招待状が届けられ、午後のお茶の頃にレーナは片方のポケットに僕を反対のポケットに例のリボンを入れて東の庭のガゼボを訪れた。
この前の二人がガゼボの外側に待機していたけど他には誰もいないみたい。二人でいいの?セクウって王子なんでしょ?
テーブルの上には見慣れないお菓子やサンドウィッチが並べられている
「お招きありがとうございます」
「こちらこそ、幽霊王子のお茶会にようこそ」
「幽霊って アサータではこんなに素敵な方の事を言うんですね」
あ、セクウの耳が赤くなった
ほんっとに面白くないことにマーナとセクウは気が揃っちゃったみたいで楽しそうに話しては笑っていた。
「ファー」
わざとつまらなそうに大きなあくびをしてやった。
「あら、マダナ退屈なのかしら?」
「そうだ、リボンは持って来てくれましたか?猫の姿であれば少しくらい自由にさせてあげてもいいしょう?」
「また、迷子になるかも――」
「フォド」
セクウがガゼボの外に向かってつぶやくと、バサバサと大きな羽音がしてカラスが下セクウの足元まで下りてきた。セクウがサンドイッチを一つカラスに与え、それを食べるカラスの頭をゆっくりと撫でる。
「レーナ嬢 ボクは動物と話しができるのです。今このカラス、フォドにレーナ嬢の猫が困っていたら助けるように頼みました」
「まあ、それなら安心ね」
レーナが僕の首にリボンを結び僕は紫の猫になった。でもセクウのカラスに見張られるくらいなら、ここに居座ってやる。
「マダナ、もう勝手に出て行ってはダメよ。本当に心配したのよ!」
「マー」
それは僕も反省しています。
もう一生レーナに会えないくなるかと思ったもんね。よかったレーナがセクウのお見舞いに来てくれて セクウが病気にかかってくれててよかったよね すごい偶然!
「叔母様はなぜセクウ様のところに行くようにって言われたのかしらね?」
「あの方には不思議な力がありますからね」
ん?この偶然にはあのオバサンも影響しているんだ?でも、もうあのオバサンいないよね?どこ行っちゃったんだろう?
「マダナも叔母様にさよならを言いたかった?」
「ナー」
だって、あのオバサンにとっては僕は単なるぬいぐるみでしょ?
「健康状態については問題は無いようですね」
マオリに開放されて僕はレーナの膝の上で大きく伸びをしてから丸くなる。
レーナの膝の上はレーナの匂いがして安心する、優しくなでてくれる手もとっても気持ちがいい。
「レーナ様、学園にはこの離宮から通われますか?それともバルカ様の薦められるように寄宿に入られますか?」
「寄宿には、マダナは連れていけるかしら?」
「難しいでしょうねえ」
「叔母様に相談するべきだったわね」
「そうですね でも肝心なマダナが行方不明でしたから」
「そうねえ……」
僕、レーナに迷惑かけたのかな?レーナがやりたいことするのに邪魔になっているのかなあ……二人の声を遠くに聞きながら僕は眠りに落ちた
**
その夜のうちにセクウからお茶の招待状が届けられ、午後のお茶の頃にレーナは片方のポケットに僕を反対のポケットに例のリボンを入れて東の庭のガゼボを訪れた。
この前の二人がガゼボの外側に待機していたけど他には誰もいないみたい。二人でいいの?セクウって王子なんでしょ?
テーブルの上には見慣れないお菓子やサンドウィッチが並べられている
「お招きありがとうございます」
「こちらこそ、幽霊王子のお茶会にようこそ」
「幽霊って アサータではこんなに素敵な方の事を言うんですね」
あ、セクウの耳が赤くなった
ほんっとに面白くないことにマーナとセクウは気が揃っちゃったみたいで楽しそうに話しては笑っていた。
「ファー」
わざとつまらなそうに大きなあくびをしてやった。
「あら、マダナ退屈なのかしら?」
「そうだ、リボンは持って来てくれましたか?猫の姿であれば少しくらい自由にさせてあげてもいいしょう?」
「また、迷子になるかも――」
「フォド」
セクウがガゼボの外に向かってつぶやくと、バサバサと大きな羽音がしてカラスが下セクウの足元まで下りてきた。セクウがサンドイッチを一つカラスに与え、それを食べるカラスの頭をゆっくりと撫でる。
「レーナ嬢 ボクは動物と話しができるのです。今このカラス、フォドにレーナ嬢の猫が困っていたら助けるように頼みました」
「まあ、それなら安心ね」
レーナが僕の首にリボンを結び僕は紫の猫になった。でもセクウのカラスに見張られるくらいなら、ここに居座ってやる。
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