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1 フォレサクレ王国
10 一緒に行けるの?
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「レーナ 落ち着いたかい」
「ええ 叔父様にはみっともない姿を見せてしまいましたわ 少し混乱してしまいましたの」
「赤ん坊の時にはもっと元気に泣いていたレーナを知っているからね 気にしなくていいよ」
「まあ それは赤ちゃんの時ですわ」
「俺はレーナに少しでも普通の子供に近い生活や経験をしてほしいと思っているんだ。明日もう一度話をしよう」
辺境伯がカップのお茶をぐっと飲みほした。
「いいえ わたくしの心は決まりました。先ほどの涙は、城で存在を隠され続けてきた過去のわたくしと、隠され続けるはずだった未来のわたくしへの涙です すこしだけお詫びの気持ちとそれからたくさんの期待の気持ちですわ」
「今決めてしまっていいのかい?」
「はい、わたくしはもう隠された姫で居たくはありませんわ」
レーナはきっぱりと言った。そうだよね、よその国へ行けばレーナはただの可愛い貴族令嬢として過ごせるんだ。可愛いって噂されちゃったり、同じような年ごろの女の子と友達になって、学校へ行ったり、かっこいい男の子の噂話をしたりするんだ。
そしたら、僕のことなんてどうでもよくなっちゃうのかな?
そうだよね、僕はコドモトビネコでレーナは人間だもの、魔獣よりも人間の友達の方がいいよね?お話だってできるし、そうだよね 魔獣しか友達がいないなんて、今までが可笑しいんだよ
「ナー」
「マダナも一緒に行くのよ」
「え?マダナもかい?」
辺境伯が驚いた顔をした。
「マダナを置いては行けませんわ」
「ナー」
ダメだよ、レーナ、僕はちゃんと待っていられるから大丈夫だから レーナだけでも行かなくちゃ ダメだよ。
「ナー」
僕はミルクの残ったお皿の横から、辺境伯の方にジャンプした。突然だったのにちゃんと辺境伯は僕をその大きな両手の中に包み込んだ
ほら、大丈夫だよ 辺境伯なら僕の事ちゃんと ちゃんと面倒見てくれるよ 安心していいよ レーナ
「マー」
なのに、目から水が出てきた。おかしいなあ やっぱりこの部屋 雨漏りするんじゃない? 雨漏りの水が目に入ったんだよ きっと
「お前は生まれた時から どれだけ俺の手を焼かせるんだい」
辺境伯がため息をついていうけれど、僕はレーナやマオリに世話になっているけれど、辺境伯に何かしてもらった覚えはないんだけど?
「ナー」
一応、抗議の声を上げて 辺境伯を睨んだ、つもりだけどこんなに水がたまった目じゃあ怖くないよなあ
それまで黙ってやり取りを見ていたマオリが辺境伯に近づいた
「モリーオ辺境伯様 少しお話したいことがございます」
「うん、じゃあ、レーナ、マオリを借りるよ おやすみ レーナ」
「おやすみなさい 叔父様」
辺境伯は僕をレーナに返して、僕ごとレーナを抱きしめた。
「マオリ、今日はもう ここには戻らなくていいわ おやすみ マオリ」
「おやすみなさいませ レーナ様」
レーナはなんでも一人で出来る。
僕はそれをレーナが賢くて立派だからって思っていたんだけど、もしかしてそれも隠された姫だから、一人でやらざるを得ないから、だったのかなって思い当たった。
せっかくのレーナのチャンスを僕のせいで潰しちゃだめだよね。
「ええ 叔父様にはみっともない姿を見せてしまいましたわ 少し混乱してしまいましたの」
「赤ん坊の時にはもっと元気に泣いていたレーナを知っているからね 気にしなくていいよ」
「まあ それは赤ちゃんの時ですわ」
「俺はレーナに少しでも普通の子供に近い生活や経験をしてほしいと思っているんだ。明日もう一度話をしよう」
辺境伯がカップのお茶をぐっと飲みほした。
「いいえ わたくしの心は決まりました。先ほどの涙は、城で存在を隠され続けてきた過去のわたくしと、隠され続けるはずだった未来のわたくしへの涙です すこしだけお詫びの気持ちとそれからたくさんの期待の気持ちですわ」
「今決めてしまっていいのかい?」
「はい、わたくしはもう隠された姫で居たくはありませんわ」
レーナはきっぱりと言った。そうだよね、よその国へ行けばレーナはただの可愛い貴族令嬢として過ごせるんだ。可愛いって噂されちゃったり、同じような年ごろの女の子と友達になって、学校へ行ったり、かっこいい男の子の噂話をしたりするんだ。
そしたら、僕のことなんてどうでもよくなっちゃうのかな?
そうだよね、僕はコドモトビネコでレーナは人間だもの、魔獣よりも人間の友達の方がいいよね?お話だってできるし、そうだよね 魔獣しか友達がいないなんて、今までが可笑しいんだよ
「ナー」
「マダナも一緒に行くのよ」
「え?マダナもかい?」
辺境伯が驚いた顔をした。
「マダナを置いては行けませんわ」
「ナー」
ダメだよ、レーナ、僕はちゃんと待っていられるから大丈夫だから レーナだけでも行かなくちゃ ダメだよ。
「ナー」
僕はミルクの残ったお皿の横から、辺境伯の方にジャンプした。突然だったのにちゃんと辺境伯は僕をその大きな両手の中に包み込んだ
ほら、大丈夫だよ 辺境伯なら僕の事ちゃんと ちゃんと面倒見てくれるよ 安心していいよ レーナ
「マー」
なのに、目から水が出てきた。おかしいなあ やっぱりこの部屋 雨漏りするんじゃない? 雨漏りの水が目に入ったんだよ きっと
「お前は生まれた時から どれだけ俺の手を焼かせるんだい」
辺境伯がため息をついていうけれど、僕はレーナやマオリに世話になっているけれど、辺境伯に何かしてもらった覚えはないんだけど?
「ナー」
一応、抗議の声を上げて 辺境伯を睨んだ、つもりだけどこんなに水がたまった目じゃあ怖くないよなあ
それまで黙ってやり取りを見ていたマオリが辺境伯に近づいた
「モリーオ辺境伯様 少しお話したいことがございます」
「うん、じゃあ、レーナ、マオリを借りるよ おやすみ レーナ」
「おやすみなさい 叔父様」
辺境伯は僕をレーナに返して、僕ごとレーナを抱きしめた。
「マオリ、今日はもう ここには戻らなくていいわ おやすみ マオリ」
「おやすみなさいませ レーナ様」
レーナはなんでも一人で出来る。
僕はそれをレーナが賢くて立派だからって思っていたんだけど、もしかしてそれも隠された姫だから、一人でやらざるを得ないから、だったのかなって思い当たった。
せっかくのレーナのチャンスを僕のせいで潰しちゃだめだよね。
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