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第六章 終焉と未来

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「城さん、これからどうなるんでしょう」
 優真は、ぽつりと言った。すると氷室は、思いがけないことを言った。
「自首する、と言っていた。カチコミの首謀者としてな」
「ええ!?」
 優真は、思わず氷室にすがった。
「ちょっ……、徹司さん、何とかしてあげてください。絶縁されて、おまけに刑務所に入ることになったら、彼、これからどうすればいいんです?」
「はあ? お前、何言ってやがんだ」
 氷室が、眉間にしわを寄せる。
「どうするもこうするも、あいつの自業自得だろうが。お前を消そうとした奴だぞ? いい加減にしろ」
「でも……」
 優真は、思い出していた。氷室に一生付いて行く、と言っていた城の眼差しは、氷室への憧れと尊敬の念で満ちていた。 それほどまで慕っていた相手を、自らの手で撃ってしまったなんて……。
「それに城は、関係ねえ客たちまで傷つけたんだ。俺はあれを、絶対に許すことはできねえ。とにかく、もうあいつのことは口にすんな」
 氷室は話を終わらせようとしたが、優真はひるまずに続けた。
「僕は、やっぱり城さんが心配です。絶縁されたということは、彼は出所した後、カタギに戻るしかないですよね?」
 破門された元組員たちの場合は、将来組織へ復帰する余地があるが、絶縁の場合は、二度と暴力団組織に戻れないのだ。それがどうした、と言いたげに氷室が片眉を上げる。
「元ヤクザの人って、暴排条例でたくさん社会的制約を受けます。だから僕は、城さんが困っていたら、手を差し伸べたいんです。何なら、生活保護も受けられるように……」
 優真はそこで、ふと言葉を止めた。氷室はなぜか、笑みを浮かべていたのだ。
「……何がおかしいんです?」
「いや、相変わらずだ、と思ってな」
(相変わらず……?)
 おや、と優真は思った。氷室は以前にも、そのフレーズを言わなかったか。ああそうだ、最初に、一緒に山下の家に行った時だ……。
「優真」
 氷室が、じっと優真を見すえる。
「俺がお前を、以前から知っていたとしたらどうする?」
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