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8 至福の時
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「あっ、ヴィ、ヴィクトル、あっ、止めっ……」
弱々しく抗議してみるものの、喘ぎ交じりに言ったのでは、効果も何もあったものではない。案の定、ヴィクトルは意にも介さず、チェーンを巻き付け終えた。そして、さらなる指示を出すではないか。
「上半身が寂しいでしょう? 『自分で乳首を弄りなさい』」
「――! でも……」
手を放したのでは、体を支えられないし、先ほどのコマンドと矛盾する。すると、ヴィクトルが囁いた。
「大丈夫ですよ。こうして、支えていてあげますから」
言いながらヴィクトルは、フェルナンの腹部に腕を回した。フェルナンは、恐る恐る浴槽から手を放すと、自らの胸に持って行った。ほぼヴィクトルに抱き留められるような体勢で、乳首を撫で始める。
「はンッ! あっ、はあぁっ……!」
新たな刺激に、耐えきれず嬌声が漏れる。すると、さらなるコマンドが発せられた。
「『指で挟み付けるようにして、きつく弄りなさい』」
そう言うとヴィクトルは、フェルナンの蕾から指を引き抜いた。ややあって、背中に温かい感触がする。タオルをかけてくれたのだとわかり、フェルナンの胸はじわりと熱くなった。
とはいえ、責め方に容赦は無い。再び挿し込まれた指は、傍若無人にフェルナンの内部を掻き回している。もはや何本挿入されているのかもわからなかった。
「あっ、ああっ、んっ……」
「そう、上手です。『揉んだりこねたりしてみなさい』」
「は、い……」
言いつけに従って、素直に乳首を愛撫する。膨らみきった性器はもう限界に達しつつあり、先端から蜜を垂らしている。放出できない苦しみに、フェルナンは喘いだ。
「苦しいですか?」
フェルナンの首筋にふっと息を吐きかけながら、ヴィクトルが問う。フェルナンは、こくこくと首を振った。
「じゃあ、おねだりしてご覧なさい」
「あっ、ヴィクトル……。お願い、イカせて、ください……」
全身から湧き上がる快感に耐えながらも、フェルナンはかろうじて言葉をつむいだ。
「よろしいでしょう。よく言えました」
次の瞬間、フェルナンを責め苛んでいた指が引き抜かれる。そして、性器を縛めていたチェーンが解かれた。
「ふぁっ。あっ、ああっ――……!!」
大量の白濁が、放出されていく。全身をけいれんさせるフェルナンを、ヴィクトルはしっかりと抱きしめてくれた。
「あ……、はぁっ……」
長い射精の余韻で、なかなか息が整わない。朦朧とし始めたフェルナンだったが、不意に、低い囁きが飛び込んできた。
「フェルナン様。こんな可愛らしいお姿、私以外の人間に見せてはダメですよ……」
(――え?)
聞き違えたかと思った。どういう意味だ。自分たちは、あくまで契約パートナーだというのに。それともドムの本能で、深い意味も無く口にしたのだろうか。
弱々しく抗議してみるものの、喘ぎ交じりに言ったのでは、効果も何もあったものではない。案の定、ヴィクトルは意にも介さず、チェーンを巻き付け終えた。そして、さらなる指示を出すではないか。
「上半身が寂しいでしょう? 『自分で乳首を弄りなさい』」
「――! でも……」
手を放したのでは、体を支えられないし、先ほどのコマンドと矛盾する。すると、ヴィクトルが囁いた。
「大丈夫ですよ。こうして、支えていてあげますから」
言いながらヴィクトルは、フェルナンの腹部に腕を回した。フェルナンは、恐る恐る浴槽から手を放すと、自らの胸に持って行った。ほぼヴィクトルに抱き留められるような体勢で、乳首を撫で始める。
「はンッ! あっ、はあぁっ……!」
新たな刺激に、耐えきれず嬌声が漏れる。すると、さらなるコマンドが発せられた。
「『指で挟み付けるようにして、きつく弄りなさい』」
そう言うとヴィクトルは、フェルナンの蕾から指を引き抜いた。ややあって、背中に温かい感触がする。タオルをかけてくれたのだとわかり、フェルナンの胸はじわりと熱くなった。
とはいえ、責め方に容赦は無い。再び挿し込まれた指は、傍若無人にフェルナンの内部を掻き回している。もはや何本挿入されているのかもわからなかった。
「あっ、ああっ、んっ……」
「そう、上手です。『揉んだりこねたりしてみなさい』」
「は、い……」
言いつけに従って、素直に乳首を愛撫する。膨らみきった性器はもう限界に達しつつあり、先端から蜜を垂らしている。放出できない苦しみに、フェルナンは喘いだ。
「苦しいですか?」
フェルナンの首筋にふっと息を吐きかけながら、ヴィクトルが問う。フェルナンは、こくこくと首を振った。
「じゃあ、おねだりしてご覧なさい」
「あっ、ヴィクトル……。お願い、イカせて、ください……」
全身から湧き上がる快感に耐えながらも、フェルナンはかろうじて言葉をつむいだ。
「よろしいでしょう。よく言えました」
次の瞬間、フェルナンを責め苛んでいた指が引き抜かれる。そして、性器を縛めていたチェーンが解かれた。
「ふぁっ。あっ、ああっ――……!!」
大量の白濁が、放出されていく。全身をけいれんさせるフェルナンを、ヴィクトルはしっかりと抱きしめてくれた。
「あ……、はぁっ……」
長い射精の余韻で、なかなか息が整わない。朦朧とし始めたフェルナンだったが、不意に、低い囁きが飛び込んできた。
「フェルナン様。こんな可愛らしいお姿、私以外の人間に見せてはダメですよ……」
(――え?)
聞き違えたかと思った。どういう意味だ。自分たちは、あくまで契約パートナーだというのに。それともドムの本能で、深い意味も無く口にしたのだろうか。
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