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6 思いがけない祝福
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「精霊の方々よ。いつも我がレスティリア王国をお守りくださり、感謝申し上げます」
語りかければ、クスクスという笑い声が聞こえた。それはまるでエコーのごとく、重なって響く。どうやら、精霊たちの機嫌は悪くないようだった。
『堅苦しい礼など、必要無い』
『このレスティリアのためなら、いくらでも力になろうぞ』
「それは、力強いお言葉」
一瞬微笑んだ後、フェルナンは表情を引き締めた。
「本日は、ご報告がございます。私はこの度、このレスティリア王国の王太子、すなわち次期国王に選ばれました」
『ほう』
『それはそれは』
再び、精霊たちの声がこだまする。フェルナンは、力強く彼らに語りかけた。
「私はサブです。ドムと偽って王位継承権を得ました。ですが、これまでのどのドムの国王よりも、このレスティリアを良い国にするつもりです。精霊の方々よ、何卒お力をお貸しくださいませんでしょうか」
間髪入れずに、返事が返って来た。
『無論だ』
『当然であろう』
『良き王となることを、期待しておるぞ』
フェルナンは、胸が熱くなった。
(ヴィクトルの言う通りだったかもしれない……)
『お導きかもしれない』という彼の言葉が蘇る。精霊たちは、フェルナンを認めてくれた。そして、応援してくれている……。
精霊たちに感謝の言葉を伝えようとした、その時。礼拝堂内が、パッと明るくなった。眩しいくらいの日の光が、外から射し込んできたのだ。神殿の外では、護衛の騎士たちの騒ぎ声が聞こえる。
「虹だ!」
「なぜこんな唐突に!?」
ベイルが注意したらしく、騎士たちはすぐに静かになった。だがフェルナンは、驚いていた。雨など降らなかったのに、虹が出たというのか。通常はあり得ない話である。
(そうだ、気を散らしてはいけない。精霊たちに、お礼を……)
だが、気付けばフェルナンを取り巻く青い光は、次第に薄くなっていた。フェルナンは、急いで彼らに語りかけた。
「お言葉、ありがとうございます。必ずや、ご期待に応えてみせます」
言い終えるか終えないかで、光は消え失せた。だがその瞬間、フェルナンの耳には、微かにこんな言葉が聞こえた。
『フェルナンよ。そなたは、我々が選びし次期王……』
(選びし!?)
まさか、と思った。だが、精霊の言葉はそれが最後だった。そこはもう、平凡な礼拝堂内に戻っていたのだった。
語りかければ、クスクスという笑い声が聞こえた。それはまるでエコーのごとく、重なって響く。どうやら、精霊たちの機嫌は悪くないようだった。
『堅苦しい礼など、必要無い』
『このレスティリアのためなら、いくらでも力になろうぞ』
「それは、力強いお言葉」
一瞬微笑んだ後、フェルナンは表情を引き締めた。
「本日は、ご報告がございます。私はこの度、このレスティリア王国の王太子、すなわち次期国王に選ばれました」
『ほう』
『それはそれは』
再び、精霊たちの声がこだまする。フェルナンは、力強く彼らに語りかけた。
「私はサブです。ドムと偽って王位継承権を得ました。ですが、これまでのどのドムの国王よりも、このレスティリアを良い国にするつもりです。精霊の方々よ、何卒お力をお貸しくださいませんでしょうか」
間髪入れずに、返事が返って来た。
『無論だ』
『当然であろう』
『良き王となることを、期待しておるぞ』
フェルナンは、胸が熱くなった。
(ヴィクトルの言う通りだったかもしれない……)
『お導きかもしれない』という彼の言葉が蘇る。精霊たちは、フェルナンを認めてくれた。そして、応援してくれている……。
精霊たちに感謝の言葉を伝えようとした、その時。礼拝堂内が、パッと明るくなった。眩しいくらいの日の光が、外から射し込んできたのだ。神殿の外では、護衛の騎士たちの騒ぎ声が聞こえる。
「虹だ!」
「なぜこんな唐突に!?」
ベイルが注意したらしく、騎士たちはすぐに静かになった。だがフェルナンは、驚いていた。雨など降らなかったのに、虹が出たというのか。通常はあり得ない話である。
(そうだ、気を散らしてはいけない。精霊たちに、お礼を……)
だが、気付けばフェルナンを取り巻く青い光は、次第に薄くなっていた。フェルナンは、急いで彼らに語りかけた。
「お言葉、ありがとうございます。必ずや、ご期待に応えてみせます」
言い終えるか終えないかで、光は消え失せた。だがその瞬間、フェルナンの耳には、微かにこんな言葉が聞こえた。
『フェルナンよ。そなたは、我々が選びし次期王……』
(選びし!?)
まさか、と思った。だが、精霊の言葉はそれが最後だった。そこはもう、平凡な礼拝堂内に戻っていたのだった。
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