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3 再会と監禁

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 その日純は、父竹彦に呼ばれた。父は神妙な表情で、同級生にレイプされたのは事実か、と尋ねた。
『はい、突然ヒートを起こして……。香月家の家名に泥を塗るような真似をして、申し訳ありませんでした』
 純は、神妙に頭を下げた。だが、てっきりそのことについて非難されると思いきや、父は意外なことを言い出した。
『いや、聞きたいのはそんなことじゃない。お前を犯した少年は、幸運に恵まれたとか。本当か?』
 そうだ、と認めると、父は純に、勇こと『一願さん』の伝説を話して聞かせた。
『しかしまさか、お前みたいな貧相なオメガが、本当に能力を受け継いでいたとはなあ……』
 しみじみと純を見つめた後、父はやにわに純の腕をつかんだ。そのまま、別室へと引きずって行く。その部屋には、すでに布団が敷かれていた。
『なっ……、何を!? まさか……』
 怯える純を、父はためらいもなく押し倒した。
『決まっているだろう。私の願いを叶えてもらうんだよ』
『――そんな! 僕たちは、親子ですよ!? それなのに……』
『構うものか。どうせ、誰でもいいんだろうが。汚らわしいオメガが……』
 信じられなかった。父が冷酷な男だということは知っていたが、まさか禁忌を犯すとは。必死で抵抗していると、異変に気づいた長兄が駆けつけた。他企業で修行中のサラリーマンだ。
『父さん、止めてください! 父さんと純は、血が繋がっているんですよ?』
 長男に説得されて我に返ったのか、竹彦は純を犯すのを思いとどまった。      
 ほっと胸を撫で下ろした純だったが、それは束の間だった。その夜純は、父と二人の兄たちが一室に集まっているのを目撃したのだ。純は、こっそり耳をそばだてた。
『どうしてあの場で止めたんだ』
 父が不満そうな声を上げる。すると長兄は言った。
『血縁者に、『一願さん』が能力を発揮したという記録はないからです。むしろ、交わることで、純の能力に悪い影響が出たら困ります』
 自分を庇ってくれたわけではなかったことに、純は愕然とした。
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