一年前の忘れ物

花房ジュリー

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告白

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 一度触れてしまえば、ためらいは消え失せた。ぎこちない手つきで撫でさするうちに、次第にアレンの息づかいも荒くなってくる。
 ――少しは、感じてくれているのかな……。
 その時、不意にアレンが玲の手をつかんだ。
「ごめん、気持ちよくない?」
「ううん、すごくいいよ。でもそろそろ……」
 アレンは再び玲の身体を仰向けにすると、覆いかぶさってきた。同時に、後ろへと手を伸ばす。長い指が侵入する感覚に、玲は思わず身をすくめた。
「痛い?」
「ううん……大丈夫」
 アレンがローションを使ったおかげで、痛みはそれほど無かった。第一、初めての経験でも無いのだ。しかしやはり、異物が入り込む感覚には、毎回抵抗を覚えてしまうのだった。
 その時、不意に前を握られ、玲はひっと悲鳴を上げた。アレンに愛撫を施しているうちにいつの間にか感じてしまったらしく、それは再びゆるく勃ち上がりかけていたのだ。予期せぬ強烈な刺激に、玲は身もだえた。
「いやだ、両方は止めて……」
「大丈夫、すぐ良くなるから……」
 アレンは玲の言葉を無視して、前後同時に刺激し続ける。執拗にポイントばかり狙って責められ、玲は次第に頭が朦朧とし始めた。
「もう、挿れて……」
 無意識に口を突いて出た台詞に、玲ははっとした。自分から、強請るなんて……。
 しかし、言ってしまったことは取り返せない。次の瞬間、アレンが押し入ってきた。恥ずかしさよりも、待ち望んでいたものが与えられた歓喜の方が勝っていた。玲は思わず、彼の背にしがみついていた。
「レイ、可愛い」
「最高だよ」
「愛してる」
 玲の身体を激しく揺さぶりながら、アレンが囁く。お互いに何度達したかも分からなくなる頃、玲はとうとう意識を手放していた。

 翌朝玲が目を覚ますと、アレンはすでに朝食を用意してくれていた。玲の好物のクラブハウスサンドだ。体も、いつの間にか綺麗に拭き清められていた。
「レイ」
 アレンはベッドの端に腰掛けると、真剣な目で玲を見つめた。
「昨夜のことだけど、一応説明しておきたくて。あれは、決して酒の勢いとかじゃないから」
 玲はドキリとした。
「改めて言うけど、僕はレイが好きだ。真剣に想ってる。僕と付き合ってくれる?」
「アレン……」
 倉木という存在がありながら、自分はアレンに抱かれてしまった。でも、もう自分の気持ちははっきりしている。玲は、アレンの目を見て告げた。
「俺も、アレンが好きだよ」
 アレンの顔がぱっと輝く。彼は玲をきつく抱きしめると、口づけてきた。アレンの腕の中で、玲はある決心をしていた。
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