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第九章 それでも、禁呪は許されませんか

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 寝間着姿にされ、ベッドの上に横たえられる。ルチアーノは、真純の唇を優しく啄むと、頬、首筋、鎖骨と、あちこちにキスを落としていく。いつもの手順だ。

 やがて、ルチアーノの手が寝間着の隙間から滑り込み、真純の素肌に触れる。慣れた手つきで乳首を弄られ、何度も名前を囁かれるうち、真純はあっという間に昂っていった。我慢できずに腰をよじれば、ルチアーノがくくっと笑う。

「やはり、そなたは感じやすいな」

 ルチアーノは、真純の寝間着をするりと脱がせた。下衣の上から、その部分を撫でる。しっかりと反応しているのを確かめると、ルチアーノは布越しに、愛おしげに口づけた。

「――んっ……」

 ビクン、と躰が跳ねる。快楽に溺れてしまいそうになるのをどうにか堪えて、真純はルチアーノに話しかけた。

「ルチアーノ……」
「何だ? 物足りないか?」

 ルチアーノは、形を確かめるように、布越しにそれを握っては、柔らかく扱き立てる。挙げ句、すっぽりと口に含んだ。漏れかけた嬌声をのみ込んで、真純はかろうじて訴えた。

「そうじゃ、な……。僕にも、その、愛させて……。ル、ルチアーノ、を……」

 ふと、ルチアーノの動きが止まる。彼は、真純自身から口を離すと、真純をじっと見つめた。

「本気か?」
「はい……。だって、愛の行為、ですよね……? それなら、お互いに愛するべきかな、と……」
「……ほう」

 ルチアーノが躰を起こす。その顔には、何やら意味ありげな微笑が浮かんでいた。

「もっともな理屈だな。なら、マスミの言う通りにするか」
「はい、是非!」

 ルチアーノの気が変わらないうちに、と真純は急いで起き上がった。意外にも素直に、ルチアーノがシーツの上に仰向けになる。よいしょ、と真純は彼の上にまたがった。緩やかに隆起している下腹部を確認し、下衣に手をかける。だがその時、ルチアーノが制止するように手を伸ばした。

「待て。それでは、体勢が逆であろう」
「逆?」

 仰向けになってくれたということは、真純が奉仕するのを許可したのではないのか。するとルチアーノは、真純の腕を引っ張った。くるりと反対方向を向かせられ、がっしりと腰を捕らえられる。真純は、ぎょっとした。真純の股間は、ちょうどルチアーノの顔の上にある状態だ。

「互いに愛するべきと、そなたが申したのであろう?」

 あっという間に下衣を剥ぎ取られ、真純は戦慄した。

(確かに、言ったけど! でも、同時にって意味じゃない!)

「素晴らしいアイデアだな。さすが、マスミだ……。さあ、そなたも」

 真純の性器が、すっぽりとルチアーノの口内に収められる。直接的な刺激に、真純は思わず躰をしならせた。

「――あっ……!」

 震える手で、どうにかルチアーノの下衣を脱がせるも、自らの下半身に神経が行って、まるで集中できない。こんなはずじゃ無かった、と真純は唇を噛んだ。口淫でルチアーノを昂らせて放出させ、その精を取り込もうと目論んでいたのに。

「んっ、んんっ……」

 ルチアーノの舌が、真純の感じる部分を意地悪く刺激する。真純は、瞳を閉じて突っ伏した。
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