辺境ギルドの解体部へようこそ

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第一章 辺境の村の解体部へようこそ

閑話 夢

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「んぶわぁ!」


叫び声をあげて目を覚ますと馬車の中だった。
ひどい寝汗だ。

「どうしたんやバラシはん、うなされとったみたいやけど」
心配してスピネルが声をかけてくる。

「いや、なんか長い夢を見ていたような・・・」

えらい長い坂を登る夢だった。
この果てしなく長いホニャララ坂をよ・・・みたいな声も聞こえた気がする。

「それはアレや。ミカンの夢魔って奴や。夢に閉じ込められて永遠に戻ってこれないって言われとる。」

そんな物騒な物があるのか。恐ろしい。
しかし永遠に戻れないなら何故戻れたのか。

「おそらく数多の魂がお前を呼び戻したのだろう。」

ガイア髭を撫でながら言う。

「お前にはまだ為すべきことがあるという事だ。」

為すべきこと・・・
これからハミルトン家って貴族の所に行って武器づくり。
という事になるわけだがそれが為すべきことかと考えるとあまりに小さい気もするな。


「そういえば向かう先はどういうところなんだ?詳しい事を聞きそびれていたよ。」

布で汗をぬぐいながら質問する
設備と距離さえ条件に合えば洞窟だろうが監獄だろうが構わんと思っていたが、いざ向かうとなると多少は気になる。

「せやなぁ、森と山に囲まれた風光明媚ないいところやで。」

ほう、観光地っぽい感じか?
日本で言うと軽井沢的な?

「風光明媚ね、うまい言い方だがそれほど甘い場所でもないぞ。魔物の数も強さも段違いだからな。」

マッシュさん、笑いながら言ってるけど結構不穏な情報だよねそれ。
笑いながら話せるという事は脅威というほどではないのだろうけど、いずれにせよサハテイ村ほど安穏とした場所ではなさそうだ。

「あかんあかん、マッシュはん、ネタバレは次回にとっとき」

スピネルがこっちを見ながらにやーと笑う。
何か企んでいる顔だなこれは。

「魔物が多いって事は解体屋もいるって事だよな。スピネル、面白い魔物とかはいないのか?ネタバレしない程度に教えてくれよ。」

オラちょっとワクワクしてきたぞ。

「え~どないしよかな~」

とか言いながらフフンと赤毛をかきあげ魔物の話を始めた。

「まずな、一番メジャーなんは――――」


今馬車の中にいるのは解体屋と魔物研究家と元魔物ハンター達だ。
話が盛り上がらないはずもなく馬車は旅路を進んでゆく。

目的地はもう少し先。
焦った所で意味がない。
それなら気楽に、楽しく行こう。



――――――あとがき――――――

皆様のおかげを持ちまして連載再開が決定しました。
誠にありがとうございます。

想像より達成が早かったためまだ準備が整っておりませんが、連載の再開はお約束します。
もう少々お待ちください。

第二部もがんばるぞー!おー!


なお、この閑話テープは読了後自動的に消滅する。(しません)
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