転生して容量無限のマジックバッグをもらった俺の顛末

牟矢宮鱈人

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転生して容量無限のマジックバッグをもらった俺の顛末

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俺さぁ、異世界に転生するってことでさ、マジックバッグ?インベントリ?をもらったんだよ。神様に。
そう、あのラノベで有名な、容量無限のあれ。
このチート、新しい人生おれ勝ち組!!
どう考えてもそうだろ?そう思うだろ?

でもさ、貰ってみて思ったのは。
『無限』とか『完全』とかってダメだよな。
特にファンタジー世界では。
あれは人間には扱い切れんよ。

いやね、よくラノベで読んだマジックバッグ活用法をさ、俺もやってみようと思ったんだよ。ほら、大きな岩をたくさん入れて、いざという時に敵の頭上から落とすってやつ。
で、でっかいのを見つけたからマジックバッグに入れてみたんだよ。そう、岩だ。


……岩だと思ったんだよ……。


それが実は大地と一体の、星の一部で。
マジックバッグに入れた瞬間星が消えちゃってさ。
ほら、マジックバッグって生物入らないじゃん。
その瞬間、生きとし生けるものすべて、宇宙に放り出されちゃった。

普通の生物は生きられないよね。
気圧、気温、空気…。
これに耐えた本当に数少ない生き物も、宇宙線にやられて。
なんか一種類だけ、平気な顔(?)して飛んで行ったけど、あれはきっと元々宇宙から来た奴だったんだろうな。

星を戻しても、もうどうにもならん。
本来の惑星の位置ってきちんと安定してるじゃん。
それがずれちゃったみたいでさ、少しずつ軌道から外れちゃってんだよね。
それにもう、生きてるものいないし。そこに戻っても、な。

俺?
俺はほら、チートだから。
なんとか結界をはって生きてる。
なんでそんな無駄なことしてるかって?
そりゃ人生の最後に少しでも人様の役に立とうと思ってな。
最後の力振り絞って、結界の中からお前さんに念話を通したってわけ。

『もしお前さんが異世界に行くときにチートスキルをもらうとしても、容量無限のマジックバッグとかはやめとけ』
『多分《無限》、《完全》とかつくやつも危ないよ』

これが俺の教訓な。
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