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神楽さんと
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神楽さんの提案に俺は勿論承諾した。もうすぐ仕事が終わるという事で本を眺めながら神楽さんを待っていた。時計が午後六時半になった時、仕事終わりの神楽さんが本屋の外に出て来た。
「成田さん、お待たせしましたー 」
「では、行きますか。何か行きたい所は? 」
「えっと、私の家の近くになるんですけど....」
俺は神楽さんの家の近くにあるという喫茶店に入った。柚月とは喫茶店には滅多に来ない。一年に一回ぐらいだ。
「良い所っすね 」
「はい。私の大好きな所です。此処に来ると嫌な事を忘れられるんです 」
「嫌な事? 」
「はい....嫌な事があるといつも此処に来てコーヒーを飲んで....頭の中をリセットするんです 」
「じゃあ、今は嫌な事があるってことすね? 」
「あっ、今日は違いますよーははっ....成田さん何飲みますか? 私のおすすめはですねーカフェモカですよー 」
神楽さんの目が泳いだ事は見逃さなかった。神楽さんにはきっと何か嫌な事があったに違いない。でも、それを聞くのは俺ではない気がした。
俺と神楽さんはカフェモカを注文した。店内は大人ってぽいBGMが流れており雰囲気は俺も結構好きだなーと思った。
「成田さんって漫画のアシスタントどんな感じですか? 」
「実は、ヤバいんですよね。これだけでは食っていけないので一応コンビニでバイトしてますね 」
「大変ですね....」
「夢を叶える為ですから仕方ないっすねーははっ 」
「嫌な事があった時....成田さんならどうしますか? 」
神楽さんはじっと俺を見る。神楽さんからの視線が嬉しい筈なのに何処か緊張感がある。
「俺なら....そうっすね 」
答えを考えているとカフェモカが来た。俺と神楽さんはカフェモカを受け取るとすぐに口へ運んだ。
「あっ、これ美味しい 」
「ですよね! 私これ大好きなんです 」
緊張感のある暗い顔から一転してカフェモカを飲む神楽さんの顔は満面の笑みだった。
◇
喫茶店を出た俺たちは神楽さんの家と俺の家の方に別れる道に向かって歩いていた。
「神楽さん、さっきの話なんですけど 」
「はい? 」
「俺だったら好きな事をして気持ちを切り替えます。さっきの神楽さんみたいに 」
「えっ? 」
「何かあったんですよね? 神楽さん 」
悩んで末に俺は神楽さんに何があったか問い詰める事にした。
「成田さん、お待たせしましたー 」
「では、行きますか。何か行きたい所は? 」
「えっと、私の家の近くになるんですけど....」
俺は神楽さんの家の近くにあるという喫茶店に入った。柚月とは喫茶店には滅多に来ない。一年に一回ぐらいだ。
「良い所っすね 」
「はい。私の大好きな所です。此処に来ると嫌な事を忘れられるんです 」
「嫌な事? 」
「はい....嫌な事があるといつも此処に来てコーヒーを飲んで....頭の中をリセットするんです 」
「じゃあ、今は嫌な事があるってことすね? 」
「あっ、今日は違いますよーははっ....成田さん何飲みますか? 私のおすすめはですねーカフェモカですよー 」
神楽さんの目が泳いだ事は見逃さなかった。神楽さんにはきっと何か嫌な事があったに違いない。でも、それを聞くのは俺ではない気がした。
俺と神楽さんはカフェモカを注文した。店内は大人ってぽいBGMが流れており雰囲気は俺も結構好きだなーと思った。
「成田さんって漫画のアシスタントどんな感じですか? 」
「実は、ヤバいんですよね。これだけでは食っていけないので一応コンビニでバイトしてますね 」
「大変ですね....」
「夢を叶える為ですから仕方ないっすねーははっ 」
「嫌な事があった時....成田さんならどうしますか? 」
神楽さんはじっと俺を見る。神楽さんからの視線が嬉しい筈なのに何処か緊張感がある。
「俺なら....そうっすね 」
答えを考えているとカフェモカが来た。俺と神楽さんはカフェモカを受け取るとすぐに口へ運んだ。
「あっ、これ美味しい 」
「ですよね! 私これ大好きなんです 」
緊張感のある暗い顔から一転してカフェモカを飲む神楽さんの顔は満面の笑みだった。
◇
喫茶店を出た俺たちは神楽さんの家と俺の家の方に別れる道に向かって歩いていた。
「神楽さん、さっきの話なんですけど 」
「はい? 」
「俺だったら好きな事をして気持ちを切り替えます。さっきの神楽さんみたいに 」
「えっ? 」
「何かあったんですよね? 神楽さん 」
悩んで末に俺は神楽さんに何があったか問い詰める事にした。
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