今日から幼馴染は僕の部屋で暮らすことになる

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告白された健斗

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「あたしけんくんのことが大好き。私と付き合ってください。」


それは告白だった。

健斗の頭は雪の様に真っ白だった。
「嘘だよね?」

「嘘で告白する意味なんてないよ。」
「あたしは本気でけんくんのことが大好き。
「あたしをけんくんの彼女にして?」

「真紀ちゃん....」
「ありがとう。まだ心の整理はつかなくてモヤモヤしてるけどすごく嬉しかった。」

「じゃあ付き合えるってこと?」

「少し...この修学旅行が終わるまでに答え出すから少し待って欲しい。
少しゆっくり考えたいんだ。」

「分かったよ。それまで待つね。」
真紀は健斗の顔見て微笑んだ。

それを見て健斗は少し安心した。
「ごめんね。」
その日スキーと牧場に行くスケジュールだったがけ健斗は常に真紀に対する答えを考えていた。
真剣に答えを出したかった。

夜健斗は人のいない通路で座っていた。月を眺めながら考えていた。

「けんちゃん。」

健斗をたまたま見つけた奈々が駆け寄ってきたのだ。
「けんちゃんなんかいつもと違うね。どうしたの?」

健斗は数秒黙って口を開いた。
「ぼく、告白されたんだよ。真紀ちゃんに。」

奈々はその場で固まった。できれば聞きたくなかった言葉だった。
「そう....なんだ....」
「返答したの?」

「いや、まだなんだ。ぼくの答えが見つからないんだ。」
「ごめん。なんか重いな。ぼく部屋に戻るね。じゃあおやすみ」

健斗は静かに部屋に戻ったのだった。

奈々は健斗が視界から消えるまで見続けていた。
「けんちゃん....」
心の中が空っぽになった気がした。
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