孤独になった俺は女教師とその妹と暮らすことになった

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苺にプレゼントをあげたくて

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水泳部に仮入部してから1週間が経った。
俺は羽田先生の地獄のメニューを割とこなせるようになっていた。羽田先生はそれを見て歯ぎしりをしている。恐らく気に入らないということは見て分かる。
そして有梨華先生も俺を見て安心したのか見学に来る回数がかなり減っていた。

そんなある日の昼休み俺は屋上で昼食を食べていた。すると苺がやって来た。
「あっ!太陽また屋上でお弁当食べてるっ」

「苺か。屋上は落ち着いて好きなんだよなー。」

「ふ~ん。じゃあ私も屋上で食べよっかな~。今日はお弁当とおやつ作ってきたよ。じゃ~ん。」
苺が布を広げるとファンシーなキャラ弁と綺麗に飾られたおやつがあった。

「すごいな。素直に尊敬するわ。」

「えへへ。褒められたぁ~。嬉しいなぁ~。」
苺はほっぺたを赤くして照れていた。

苺が屋上に来て俺と弁当を食べるということばほぼ毎日のルーティーンとなっていた。
それだけじゃない帰る時も水泳部の練習が終わるまで学校で残っているし水泳部の練習で疲れて授業中にうとうとしてノートがあまり取れなかった時は率先して写させてくれた。
勉強に苦しんでいると熱心に教えてくれたこともあった。
苺はなぜ俺にここまでしてくれるのか全く予想がつかなかった。

だから俺は日頃の感謝を込めて苺に何かしてあげようと思った。

学校に行く前に俺は近くのお店でクッキーを買って昼休みに渡そうと思った。
簡単な感謝を込めたメッセージを書いた紙切れを挿入して俺は準備をした。
「早く昼休みにならないかなー。」
苺のリアクションが気になってそわそわしていた。



昼休みを告げるチャイムが鳴り俺は廊下を出て屋上へと向かおうとしたその矢先だ。
「やあ。星月 太陽」
最悪のタイミングで羽田先生と遭遇した。

「何ですか?」

「こんなものを持って何をするつもりなのかなー?さしずめ女の子にあげるのかな?ふっそんなものは君には向いていない。」
羽田先生はクッキーの袋を俺から取り上げると地面に投げ捨てて靴で踏み潰した。
紙切れはビリビリに破かれた。

「君は調子に乗りすぎだ。有梨華先生だけじゃなくてほかの女にも手を出すなんてな。いい加減ウザいんだよ。」

「それはこっちのセリフだ。」
俺は気がつけば羽田先生の胸ぐらを掴んでいた。

「これは、これはなあっ!苺に渡す大切なクッキーだったんだよっ!」
俺は涙を流しながら羽田先生の胸ぐらを掴み叫んでいた。
今日という今日は許せなかった。
俺は羽田先生にとうとう怒りをぶつけた。
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