孤独になった俺は女教師とその妹と暮らすことになった

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紗奈蘭さんはカミナリ嫌い

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今日は大雨だった。朝から今までずっと降っていた。特に夜になり更に激しさを増していた。
"私今日は明日の授業の資料作るから遅くなるので先に寝てて"
というメッセージが有梨華先生から来た。
今日家には俺と紗奈蘭さんの2人だけだった。
紗奈蘭さんとは今だにこれといった話はしていない。少し気まずい。

夕食は紗奈蘭さんが作ってくれたので2人で沈黙の中食べた。片付けは俺がしてその間に紗奈蘭さんは風呂に入った。
片付けが終わってしばらくすると紗奈蘭さんが風呂から出て俺は交代するように風呂に入った。

風呂から出ると布団が敷かれていた。
「紗奈蘭さんありがとうございます。」

「別に。ついでだから。」
相変わらず無愛想だ。中々絡みづらい

布団の中に入ると電気を消して目を閉じる。
(有梨華先生いつ帰ってくるのかな。)
俺は有梨華先生の心配をしていた。
すると大きな雷が鳴った。

ゴロゴロズドォオオオオオオン!

この音を聞いて近くに落ちたなと察した。
「きゃぁぁぁっ」
雷が落ちてすぐに紗奈蘭さんが大声で叫んだ。
そして俺の布団に入り込んできた。

「ちょっ、紗奈蘭さん!どうしたんですか?」

「私...カミナリ...苦手...」

「何か意外ですね。」

紗奈蘭さんは俺の腕にしがみついていた。柔らかいものが当たったり良い匂いがする髪のせいで俺はふわっとした気持ちになっていた。

「あの、紗奈蘭さん...」

「言いたいことはわかってる...少しだけ...少しだけだから...」

紗奈蘭さんの意外な一面に少し戸惑いつつもきゅんとしていた。
カミナリは勢いが止まらない。落ちるたびに紗奈蘭さんは叫んで腕を力を強める。
(もう雷落ちるなよ。このままじゃ眠れないから)

明日はふつうに学校がある。早く寝たいが雷のせいで安眠妨害だ。
このままだと明日の授業は悲惨だと思いながら目をつぶっていた。
「太陽は雷怖くないんだね。」

「俺は祖父と2人暮らしで祖父がいない時に何度も雷落ちたことあるから平気です。」

「思ったよりずっと強いんだね....」

「そんなことありませんよ。」

俺たちは少し会話をした後自然と眠っていたみたいだ。起きた頃には朝になっていた。
隣にいた紗奈蘭さんは既にいなかった。
キッチンへ行くと有梨華先生と紗奈蘭さんがいた。有梨華先生はお弁当の準備、紗奈蘭さんは朝食を食べていた。
「おはようございます。」

「太陽くんっおはよっ。」

「太陽おはよう....」

席に着き朝食をテーブルの上に置かれると静かに食べ始めた。
すると有梨華先生は爆弾発言をした。
「そういえばさ太陽くんと紗奈蘭は何で抱き合って寝てたの?」

「ぶほっ。」
俺は咳き込んだ。

「そ、それは...」
紗奈蘭さんは顔を真っ赤にして下を俯いていた。

「俺がカミナリ嫌いだからです。」

「あれ、太陽くんもカミナリ苦手なんだー。確か紗奈蘭もカミナリ苦手だったよね。」
有梨華先生と紗奈蘭さんは姉妹だ。苦手なものを把握していても不思議じゃない。

「うっ...」
紗奈蘭さんをフォローしようと思ったがフォローのしようがなかった。

「今度カミナリが鳴ったら私が太陽くんを抱きしめてあげるからね。」
先生は両手を広げてニコッとした。

俺は顔を真っ赤にして朝食に熱中した。
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