孤独になった俺は女教師とその妹と暮らすことになった

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これは恋心

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「有栖川先生。なぜあなたがここに。」
羽田先生は顔が汗ばんでいた。恐怖を感じているように見える。歯を食いしばった表情をしていた。

「羽田先生。さっき言ったじゃないですか。星月くんに変なこと吹き込むのはやめやさいって。」
有梨華先生は羽田先生をギロッと見る。俺の顔は一切見ていない。

「別に吹き込んでないさ。僕は星月くんに殴られたんだよ。被害者は僕だ。」
羽田先生は嘘を言うにも程がある。どこまで嘘をつくつもりなのか分からないがいい加減頭に来ていた。

「太陽くん。帰るわよ。」
有梨華先生は俺の腕を掴んで羽田先生から去っていく。その時の有梨華先生の表情は凛とした顔つきだった。

俺たちは一言も話さずに家に帰った。
今まで有梨華先生と一緒に居た時には味わったことのない雰囲気に空気が重くのしかかった。
家に着き和室に入ると俺と有梨華先生は向かい合った。
「太陽くん...」

「はい。」
有梨華先生の顔はマジだった。これから怒られるかもなーと心の中で覚悟を決めていた。

「私凄く心配したんだから。これからは家に帰ってくれるよね?」
先生は悲しそうな顔で俺をじっと見る。
今にも涙が目から零れそうだ。

「有梨華先生が迷惑でなければ...」

「迷惑なんかじゃないよ!羽田先生が言ってたことは全部デタラメだからっ!」

「でも。」

有梨華先生は俺に抱きついてきた。大きな胸は俺の胸にあたり鼓動が聞こえる。
有梨華先生の顔は見えなかったが泣いているような気がした。

「太陽くんは私の大事な生徒だから....どこにも行っちゃダメ。」

「有梨華先生迷惑かけてすいませんでした。これからもよろしくお願いします。」

どれぐらい経ったかは分からない。俺たちは日が暮れるまでずっと抱き合っていた。
「有梨華先生そろそろ夕食の準備しないと...」

「もう少しだけ...もう少しだけこうさせて...」
有梨華先生の声は優しくて和やかだった。俺は胸がドキドキしていた。先生と抱き合っていると自然と心が落ち着く。

俺はこの生活を失いたくないと思った。
そしてこのドキドキは俺が有梨華先生に恋を抱いているということが分かった。

"俺は有梨華先生が好きだ"


「どうしたの?太陽くん。なんか力がこもってるけど。」

「なんでもありません。」

「そっか。そうだっ!そろそろ夕食作ろっかな。」

有梨華先生は俺を優しくそっと離すと立ち上がり和室を出ようとする。

その時だった。

有梨華先生のスカートのポケットから1枚の写真が落ちた。
俺はその写真を取りめくった。

写真には幼い頃の俺と有梨華先生が写っていた。
「有梨華先生これってどういうことですか?」

俺はその写真を先生に見せる。すると先生の顔はハッとした顔になっていた。
とうとう気づかれてしまったか。というような表情をしていた。

「有梨華先生は昔から俺のことを知っていたということですよね?」
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