孤独になった俺は女教師とその妹と暮らすことになった

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有梨華先生と遊園地へ

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「起きて....太陽くん起きて....」
俺の耳元で声が聞こえる。その声はとても綺麗で耳に入るだけで心が癒されるぐらいだった。
目を開けて声の主を見る。
有梨華先生だ。

「先生...」

「太陽くんっ今日は遊園地に行く日でしょ!早く準備しないとね。」

俺は先生に腕を引っ張られて布団から出た。
そして着替えを済ませてキッチンに行った。
朝食は夕食に比べると質素だがそこが俺は良かった。ニコニコしながら朝食を食べていると先生が両手を顎に乗せてじっと目を見てくる。

「有梨華先生何ですか?」

「なんか太陽くんってすごく美味しそうに食べてくれるよねー。私嬉しい。」

俺は先生から嬉しいという言葉を聞いて心がキュッとした。先生にはいつも色々してもらっているからせめて俺は先生を喜ばせたり楽しませたり幸せな気分にしたいと思った。

朝食を食べた後紗奈蘭さんに事情を伝えて家を出た。目指すは遊園地だった。
遊園地に着くと俺は驚いたまま棒立ちしていた。
あまりの人の多さにびっくりした。
「凄い人の数ですね。」

「これぐらいは普通だよ。」
有梨華先生は何のこれしきという感じに見えた。
俺はそもそも遊園地自体片手で数えるぐらいしか行っていないこともありここまで人が来る所と思わなかったがよくよく考えると普通のことなのかもしれないと思った。

俺は有梨華先生の後に付いていく。
先生はスキップしていた。いつもの雰囲気とは全然違っていたのだ。
「まずはこれ乗ろっか。その後はこれ。その次はこれ、その次の次はこれね。」
有梨華先生は地図を広げて乗る予定の所を順番に指で指していく。
かなり先まで考えているみたいだ。

「先生遊園地好きなんですか?」

「そ、そりゃあね。久しぶりに来たし...」
先生は少し恥ずかしそうにしている。
子どものようにはしゃいでいた自分を思い出したのかもしれない。

俺は有梨華先生と色々な乗り物に乗った。乗り慣れていないこともあり元気な先生に比べると俺は疲れ切っていた。
「太陽くんなんか顔老けたねー」

「そりゃあ老けますよ。こんなに乗り物乗ると。」

ある程度乗り物に乗り満足した先生は秋奈先生に頼まれたズコーバックスのカップル限定商品を購入するために一緒に並んだ。
長い列にしばらく並ぶと俺たちの番になった。

「いらっしゃっいませー。お2人はカップルでしょうか?カップル感ありませんねー。」

「私たちカップルですよ。」

「うーんカップルっぽいことしてみてください。」

俺は固まった。カップルっぽいことって何だ。何をすればカップルっぽく見てくれるのか。このままでは限定商品が買えない秋奈先生にバラされる。悪いことしか起きないではないか。

「太陽くん。」

「何ですか?」
俺は有梨華先生の方を見た瞬間、有梨華先生の身体が俺を包み込んだ。ギュッと力強く抱きしめてくれる。胸の鼓動が俺に聞こえる。
俺も先生が頑張っていることに応えるように先生を強く抱きしめた。

「オッケーです。」
店員からのオッケーのサインが出て無事に限定商品をゲットして帰ることができた。帰り道に有梨華先生の案内で秋奈先生の自宅に行き限定商品を渡した。
秋奈先生は俺たちの顔を見てニヤニヤしながらも限定商品に喜んでいた。

秋奈先生に振り回されるのは嫌だなと思った。
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