やり直し人生は異世界から

ローザ

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異世界残念な食糧事情

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 この回は食後にお読み下さい。
 作中に取り上げている症状は、某健康番組内で紹介された症例で、当時「破裂・炎症・洗浄・怖ぁー」と言う感想と共に覚えていたものです。身体に良く無いというのは間違いないと思うのですが…

 医療関係の方間違っていたらごめんなさい。

   **************************


 森の中に歩いていきながら【探索・植物系食材】。マップ上至る所が点滅している。この森は豊かだな。上を見ても下を見ても食材だらけだよ。
 サーシャさんとリュシウォンさんに説明しながら採取していく。今まで素通りしていた植物の中に食べられる物が有ると知り二人は驚いている。

 野営地の戻る時には二人ともうれしそう。


 初めにゴボウから手をつけますか。水魔法で表面を洗いナイフで笹掻きに切る、風魔法で乾燥させて鍋で香りが立つまで煎ったら布に広げて熱をとる。その間に料理をしよう。



「このお肉はなあに?」
「オークの薫製ですよ」

 私の横でサーシャさんとガストさんがジャガイモの皮を剥いている。短剣使いなだけ有って上手い。

「芽の部分と青いところは取り除いて下さいね、毒素を持ってますから。ナイフの先でクリクリッと……」

 一つ手本を見せる。この世界に包丁の形のナイフは無いからやりにくいな。
 ダンカルさんには洗ったくずの根をスリ鉢が無いので細かく叩き潰して水にさらして貰う。

「ダンカルさん、その濁り水は捨てないで下さいね、その水を使いたいので」
「この水か?言って貰って良かった……捨てちまうとこだった」

 ローリーさんはヨモギをミンチに出来るだけ細かくして貰う。リュシウォンさんにはオークの骨を砕いて貰っている。

 いやぁー皆でやると早いな。

「ロッカちゃんよぉ、薫製って何だい?」
「?お肉の保存方法の一つですよ?みなさんご存じではない?箱の中に下処理をした食材と炭を入れ煙で燻すんです。作るのに1週間から10日かかります」
「保存方法は塩漬けがほとんどよ、2・3日程度の旅なら茹でるのも有りだけど長旅なら塩ね。ロッカちゃんは違うのね」

 ローリーさんとダンカルさんから出来た物を貰う。

「塩漬けも作りますが私的には調味料の一つですね。野菜と一緒にスープとか炒め物。メインはその日に捕まえた肉や魚です、この二つは最近森で作ったんですよ」
「「「「森で?作れるの!」」」」
「……土魔法で…基本の魔法で出来ますよ」

 皆さん一斉に下を向いてしまった。

 ジャガイモを茹でている横にもう一つ竈を作り深鍋を載せる。

「地味で使い道が無いと思っていたのにな…土魔法万能じゃないか」
「農民か、もと農民の冒険者が持っているが、こういう使い方をしている奴は無いからな」

 鍋にオークの骨と水を入れ火魔法を使い素早く沸騰させる。最初の水は捨てもう一度水を入れる。

「沸騰したら丁寧に灰汁を取って下さいね、これを疎かにすると臭いスープになります… 【銀の翼】は今日みたいに途中で森に入って採取したりはしないんですか?」
「目的の有る旅だから基本はしないな。しようとしても何が食べられるのか分からないし」
「その点ロッカちゃんは食材や調理の知識半端ないよな」
「母や祖母に仕込まれましたから」

 茹で上がったジャガイモは熱い内に皆でつぶし、ミンチにしたヨモギ、塩、片栗の代わりに葛で作った濁り水の沈殿物を風魔法で乾燥粉にして混ぜ、フライパンに油を引いて焼く。

 2口…男性陣だと3口ぐらいが良いかな……大きめに作ろう

 辺りに芋の焼ける良い匂いが漂います。続きをガストさんに焼いて貰い、サーシャさんにはスープの続きを教えます。
 先ずはゴボウ。表面を洗い5センチに切りそろえ、半月にして一度水に晒す。

「水に漬けると灰汁が出るからね。…つかぬ事を聞きますが」

 サーシャさんに身を寄せ小声で聞いてみる。

「お腹が張ったりおならが出たり怠かったりとかしませんか?」
「!?……私、病気?」

 私が薬師だと知ったからか、またはどれか症状が有るのか不安な表情をしている。

「それは分かりません。もしかしてって思うものが有るんですが、病気は病気ですけど命が危ないというものでは無いと思います。ズバリ…快便ですか?」
「…………ぁぁ… 出ないの… 出したいんだけど、キツくて。辛いの…」
「有り難うございます。なら、このゴボウ是非食べて下さい。食事が偏るとそのような症状が出る人がいるんです。体質なんですよ」

 サーシャさんの強張った顔から力が抜けたようです。でも、此処で釘を刺しておきましょう。

「お腹の中に食べた物が残っている状態なんです。長年放って置くと腸が破けてしまうことが有ります。繊維質の食物と水分を良く取るようにして下さい」
「はい!沢山食べます!」

 次は採ってきたキノコの処理です。

「水に漬けると風味が飛ぶから軽くサッと洗ってね。小さいものはそのまま、大きいものは指で適当に割いて入れてね。味付けは塩漬け肉と胡椒、ローレルとタイム」

 そしてこれ大事!大きな葉っぱで鍋から立ち上る香りを小山に向かい扇ぐ!
 灰汁を取り取り扇ぐ! するとどうでしょう地の底から魔物達の呻き声が

 つぎ! メニュー変更してオークの串焼き。ベーコンをぶつ切りにして串に刺し、胡椒を振りかける。小山に向かい横一列に薪を組み、串肉を刺していく。表面の油が焦げ香ばしい良い香り。食欲をそそる香りは皆のお腹を刺激して即席の楽団を作り上げる。

 地底の魔物達の呻きも更にます。

 ……フフフ苦しむと良いのだよ。

「…あの盗賊たち呼吸はできるのか?」
「出来てますよ。自分で歩いて牢屋に入ってもらわないとこっちが面倒じゃないですか」

 空気が通ると言う事は当然匂いも通る。美味しい匂いがするのに食べられ無いのは辛いでしょう。

「空きっ腹に匂いだけって言うのは後から胃が痛くなるんですよね。最も、ガストさんの痛みはそんなものじゃ無いんですけどね」
「ロッカちゃん…鬼」
「穴から出すときに体力があったら縛りにくいでしょ?」

 縛って入れて置きたかったけどロープが足りなかったのよね。



 今日のメニューは ジャガイモの芋団子・キノコと野草を入れた塩漬け肉のスープ・オークベーコンの燻り焼き。お茶はゴボウ茶、デザートにアケビを用意しました。魚は朝食に回します。

「うまそー もう食べても良いのか」
「ガスト意地汚いわよ! 落ち着きなさい!」

 皆欠食児みたい。

「冷めないうちに食べよう。サーシャさんスープ注ぎます」
「お願いします」

 恐る恐る深皿を差し出してくのを受け取りなみなみと注いで渡す。

「これがさっきの根っこだよな?」
「根っこ言わないでよ!」
「そんなに警戒するものでも無いんだけど…うんー柔らかくって美味しいー。味も良くしみてる」

 鮮度が良いからなのか、今まで食べた中で一番柔らかい。鼻から抜ける香りもまた最高。

「これがゴボウか、柔らかいのに歯ごたえが良いな」

 二番手にはリュシウォンさんが口を付け、その後は皆一斉に食べ始めた。

「「「「おいしーぃ」」」」

「こんな沢山のキノコ初めてだ!美味いな!オークの串焼きも今まで食べた物と違う!」

 皆せっせと口に運んでくれる。フフフ

「私、土魔法欲しくなったわ… 旅の間の食事って飽きるのよ、工夫しようと思うけど誰に聞いても同じものだから… ロッカちゃん皆に美味しものを食べさせたいの報酬は何とかするから教えてください!」
「俺らからも頼む!」

 教えるのは良いのよ。機材なんてどうでも成るし…… ただ……

「いくつか質問しますがこの中でマジックバックを持っている方はいますか?旅に出られるとき……」

 簡単なヒヤリングをした結果。

 大雑把過ぎる!もっと計画的に用意しようよ。リュシウォンさんも【銀の翼】もマジックバックは持ってるけど使い方が成ってない!カバンの空いた容量に詰めるだけ詰めて生ものから使う。使うのは良いけど工夫が何もされてないのは頂けない。

「此処ではどうにも出来ませんね。町に行ってからで良いですか?簡単な物は今教えますから」
「もちろんよ!ヨロシク!」
「まだ駄目だ!サーシャは依頼をしたんだから報酬を提示しろ。ロッカは自分に不都合がないか報酬が見合っているか話し合え。既に色々と教えて貰っているんだ、此処からは有料だろう」
「「「「あっ!」」」」

 結果。

 私が次の旅の準備をする為【銀の翼】のキッチンを借りる代わりに全ての工程を見せる事にした。そうする事で【銀の翼】は知識を得る事が出来るのだ。
 立場が逆になったが結果オーライ。食材提供でリュシウォンさんも参加になった。


「しかし野営地でロッカと会わなくて良かった。これを見たら激怒してたぞあのお嬢さんは」

 ???…
 【銀の翼】はそれ以上言わない。答えはリュシウォンさんが教えてくれた。依頼中の事だから言い辛いんだって。

「うん? 夕べな野営地で喚いていたんだよ『もーいや! また携帯食なの! 私は熱いスープが飲みたいの、メインはグラビーソースをかけたステーキが食べたい!』てな。限られた荷物で無茶言ってたぞ」

 芸が細かいなぁワザと高い声を出したりして。後で飴を上げよう。

「ああ、其れで居づらくて木の上で休んだんだ」
「ほぉー 気付いてたのか」
「森を出るとき。なんで木の上にいるのかなぁー?って」

 うん、木の上にいた理由が分かった。

「なら後ろを歩いているのも気づいていたな?気にならなかったのか?」
「嫌な感じしないし。道はみんなのものだし?」

 一斉にタメ息つかないでよ!
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