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スキルは考える
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その夜、その事を白華に話すと嬉々として了承してくれた。
「「ふへ、ふへへ。どうしよっかなぁ」」
〈マスターが変質者になってるんですが〉
「「失礼な!これでも真面目に考えてます~。」」
現在は、部屋でゆったりとタナトスの体のデザインを考えているところである。サラッと思考を白華と共有して妄想を膨らませていたのだが、2人の性癖がてんこ盛りになりそうだ。
そこから2時間ほど。やっとデザインが完成した。簡単に言うと、黒髪黒目の身長140センチ程度の少女なのだが、そこからが難航していたのだ。「服は洋風がいい」「いや和風がいい」などなど。最終的には、黒のワンピースに銃火器(魔道具含む)といった風になった。
で、それをタナトスを通して俺の改造スキルでオプションパーツにして完成である。能力値は器用さ重視のスピードタイプになった。まあ、俺たちのステータスが上がれば能力値も上がるらしいので問題ない。
オプションパーツはすぐにできたのだが、
「「じー。(わくわく、てかてか)」」
〈わかりました。使えばいいんでしょう?〉
「「やったね!!(ハイタッチ)」」
渋っていたタナトスの説得(精神攻撃?)に成功した。中身が入るとクワッといった感じに目を開け、思ったより眩しかったようで、目が~となっていた。
「ん、んん。あー、あー。これ聞こえてます?」
見た目通りの可愛い声が聞こえてきた。
「「うん!聞こえてるよ、タナトス!」」
「な、ならよかったです。」
結構押し気味の俺たちにタナトスは引いているようだ。ちなみに、しっかりと食事も出来る仕様らしいのでタナトスも楽しめるはず。
2人が寝た後、タナトスは2人のマスターの間で考え事をしていた。
自分はただのスキルだったはずだ。それなのにいつのまにか感情を持ち、肉体まで得てしまった。これだけでも特異的だが、ユニークスキルでありながら『2人同時に同一スキルとして所有されている。』という点が1番の問題であった。
いくらぶっ飛んだ能力を待つマスターと言えど、法則を歪めることはできないはずだ。と、そこまで考えて気づいた「スキルを共有しているのでは?」と、ありえない話ではない。
魂が繋がっている、という前提条件さえ満たせば理論上不可能ではない。が、しかし自然に繋がるのは双子などの場合のみのはずなので、マスターは自分たちの意思で繋げた事になる。
「それはあまりにも……」
もう一度、自らのアクセスできる情報の塊に触れて検索する。
検索にヒットするのは一つの儀式のみ、その名は『魂の楔』またの名を『隷属魔法』。魂に消えぬ楔を焼き付けて隷属させる禁断の儀式、それには隷属する側に痛みとも表せぬ激痛を伴う。しかし、片方だけでは意味がない、互いに使うことにより互いが主となり奴隷となる。
いくら互いを愛しているといえど、それはもう"愛"ではなく"狂気"だ。
魂を繋げるということは、互いが互いを追い求めるということだ。片方が死ねば、もう片方もそれを追うように死ぬ、片方がある世界で生まれれば、もう片方もその世界で生まれる。
魂が消え、本当の死を迎えるまで逃げることはできない。
そんな狂気じみたマネは親に想いを邪魔され拗れて駆け落ちした若者でもしないだろう。
「………マスターならやりかねない。」
まあ、妥当だよね。だってベッタリを軽く通り越して共依存してるもん。喧嘩だってほとんどしないし、そもそも思考を同調してるレベルでいつも息ぴったりだし、たかだか十数年一緒に生きたところで出来ることでは無い。それに"そう"仮定した場合に納得できることが多すぎる。
私は改めて常識の外を悠々と歩くマスター2人に戦慄しながら眠ることになった。
「「ふへ、ふへへ。どうしよっかなぁ」」
〈マスターが変質者になってるんですが〉
「「失礼な!これでも真面目に考えてます~。」」
現在は、部屋でゆったりとタナトスの体のデザインを考えているところである。サラッと思考を白華と共有して妄想を膨らませていたのだが、2人の性癖がてんこ盛りになりそうだ。
そこから2時間ほど。やっとデザインが完成した。簡単に言うと、黒髪黒目の身長140センチ程度の少女なのだが、そこからが難航していたのだ。「服は洋風がいい」「いや和風がいい」などなど。最終的には、黒のワンピースに銃火器(魔道具含む)といった風になった。
で、それをタナトスを通して俺の改造スキルでオプションパーツにして完成である。能力値は器用さ重視のスピードタイプになった。まあ、俺たちのステータスが上がれば能力値も上がるらしいので問題ない。
オプションパーツはすぐにできたのだが、
「「じー。(わくわく、てかてか)」」
〈わかりました。使えばいいんでしょう?〉
「「やったね!!(ハイタッチ)」」
渋っていたタナトスの説得(精神攻撃?)に成功した。中身が入るとクワッといった感じに目を開け、思ったより眩しかったようで、目が~となっていた。
「ん、んん。あー、あー。これ聞こえてます?」
見た目通りの可愛い声が聞こえてきた。
「「うん!聞こえてるよ、タナトス!」」
「な、ならよかったです。」
結構押し気味の俺たちにタナトスは引いているようだ。ちなみに、しっかりと食事も出来る仕様らしいのでタナトスも楽しめるはず。
2人が寝た後、タナトスは2人のマスターの間で考え事をしていた。
自分はただのスキルだったはずだ。それなのにいつのまにか感情を持ち、肉体まで得てしまった。これだけでも特異的だが、ユニークスキルでありながら『2人同時に同一スキルとして所有されている。』という点が1番の問題であった。
いくらぶっ飛んだ能力を待つマスターと言えど、法則を歪めることはできないはずだ。と、そこまで考えて気づいた「スキルを共有しているのでは?」と、ありえない話ではない。
魂が繋がっている、という前提条件さえ満たせば理論上不可能ではない。が、しかし自然に繋がるのは双子などの場合のみのはずなので、マスターは自分たちの意思で繋げた事になる。
「それはあまりにも……」
もう一度、自らのアクセスできる情報の塊に触れて検索する。
検索にヒットするのは一つの儀式のみ、その名は『魂の楔』またの名を『隷属魔法』。魂に消えぬ楔を焼き付けて隷属させる禁断の儀式、それには隷属する側に痛みとも表せぬ激痛を伴う。しかし、片方だけでは意味がない、互いに使うことにより互いが主となり奴隷となる。
いくら互いを愛しているといえど、それはもう"愛"ではなく"狂気"だ。
魂を繋げるということは、互いが互いを追い求めるということだ。片方が死ねば、もう片方もそれを追うように死ぬ、片方がある世界で生まれれば、もう片方もその世界で生まれる。
魂が消え、本当の死を迎えるまで逃げることはできない。
そんな狂気じみたマネは親に想いを邪魔され拗れて駆け落ちした若者でもしないだろう。
「………マスターならやりかねない。」
まあ、妥当だよね。だってベッタリを軽く通り越して共依存してるもん。喧嘩だってほとんどしないし、そもそも思考を同調してるレベルでいつも息ぴったりだし、たかだか十数年一緒に生きたところで出来ることでは無い。それに"そう"仮定した場合に納得できることが多すぎる。
私は改めて常識の外を悠々と歩くマスター2人に戦慄しながら眠ることになった。
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