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簡易駐屯地2
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ステータス登録を終えて、新家陸佐に簡易駐屯地にいる間は力を貸すという条件で衣食住を無料で提供してもらう約束をした。魔物狩りに関しても、簡易駐屯地の民間人のほとんどが非戦闘員であるため、魔物狩りの人手が足りないらしく、俺たちが倒した魔物のドロップ品を俺たちが貰う、という条件も付け加え承諾した。
話し合いが終わった頃には昼になってしまっていたため食堂に行く、という話になった。
「案内は古野陸尉が適任だろう。取り敢えず食堂から案内をしておいてくれ。」
「分かりました。では、失礼します。お二人は案内するのでしっかりと着いてきてくださいね?」
なんだか俺たちが子供のようにふらふらと自分勝手に歩くと思われてるようだ。心外である……あってるけど。
食堂についた俺と白華は和食セットを注文し、久しぶりのまともな食事に舌鼓を打っていた。
「う~ん。やっぱり、ちゃんとした味の食事は美味しいですねー。」
「そうだよな~。適当な味付けの食事しかできなかったからな、繊細な味の料理は本当に久しぶりだよ。」
「…今までどんな食事をしてきたんです?」
泣くまでとはいかないまでも、普通の食事に感動している俺たちの今までの食事が気になったのか古野陸尉が聞いてきた。
「「え?オークの肉に塩コショウして焼いただけのやつとか?」」
「酷いなんてものじゃないですよね。よくそれで体調崩しませんでしたね。」
若干引いたようで、やばいやつを見る目でこちらを見てきた。
「ひどいですね古野陸尉、頑張って生き抜いたただの民間人そんなこというなんて。」
「みやび。」
「「え?」」
「私の下の名前ですよ。フルネームは『古野 雅』です。これから簡易駐屯地にいる間とはいえ、一緒に戦っていくんですから陸尉はいりません。」
「なら、私たちも下の名前で呼んでくださいね!雅さん。」
「拒否します。さて、食べ終わったのなら案内を再開しますよ。」
「「はーい」」
白華はちぇっ、というような表情だったが少し打ち解けれて嬉しいのかご機嫌だった。
その後も浴場や避難所を見て周り、最後に訓練場という名のグラウンドに来た。自衛官に混じり、民間人も魔法を撃ったり、武器の使い方を教えてもらっていたりして訓練をしていた。
中でも目を引いたのが、迷彩服の上から軽鎧などをつけ、付与付き武器を持った連中だ。まあまあのレベルのようでちょっとは歯ごたえがありそうだ。
「お二人には少し実力を見せてもらおうと思うのですが……ちょうどいますね。分隊集合!」
「「「「「「「応っ」」」」」」」
雅さんがそう声をかけると訓練をしていた中の8人が集まった。
「このお二人は、これからこの駐屯地にいる間だけ戦闘に協力していただけることになった方だ。ほとんどの場合において、我が分隊と共に戦う事になるはずだ、それには互いの実力を見ておく必要がある。レクリエーションもかねて戦ってもらう。その前に自己紹介だけしておく。」
雅さんに促されて俺たちから始める。
「神風凪です。得意武器は刀で、魔法も『一応』使えます。」
「望月白華です。魔法主体で戦います。『一応』剣も扱えます。」
なぜか雅さんが『一応』と言ったところで、まゆをひそめたように見えたが気のせいだろう。
「『舞原 秀吾』です。主に偵察を担当しています。戦闘では、小銃を使っていますが、ナイフや体術なども使えます。」
「『八代 順也』です。主に近接戦闘を担当しています。ライオットシールドとドロップ品のショートソードを使っています。」
「『上代 優斗』です。同じく近接戦闘を担当しています。ドロップ品の刀を使っていますが、魔法も使えます。」
「『井上 美玲』です。同じく近接戦闘を担当しています。魔法主体で戦っていますが、ナイフなども使えます。」
「『井上 日向』です。中距離を担当しています。弓と魔法を使っています。」
「『佐野 祐也』です。同じく中距離を担当しています。小銃と魔法を使っています。」
「『篠田 麻由美』です。バフによる支援と治療を担当しています。小銃を使っています。」
「最後に、古野雅です。近接戦闘を担当しています。刃物なら大体なんでも使いますが、主に刀剣類を得意とします。」
結構近接よりではあるが、かなりバランスの良いパーティー編成のようだ。俺と白華は体をほぐしつつ、雅さんのルールを聞く。
「7対1で行ってもらいます、回復魔法で治せる程度までの怪我なら問題ありません。何か質問は?」
ライオットシールドを持った人が手を挙げる。
「7体1ってことは、分隊長を除いた7人でどっちか1人と戦うってことで間違い無いですかい?」
「えぇ、間違いありません。」
少しどよめく。
「流石にキツイんじゃないですかい?」
雅さんが少し悩む。
「ふむ、それもそうですね。私も入って8体1で行きますか。すみませんが良いですか?」
「「いいですよ~」」
雅さんと俺たちの言葉に隊員が絶句する。今度は刀を持った人が慌てて口を出す。
「いやいや、民間人相手に自衛官が8体1はやばいんじゃないですか!」
その言葉に雅さんは首をかしげていたが、途中で何かに気づいたようだ。
「あぁ、言っていませんでしたが、このお二人は神風流と望月流の後継者なので遠慮は要りませんよ。逆にどうやって粘るか考えた方が良いですよ。」
白華が誇らしげに胸を張る。
かなりかわいい。
そして、なぜか場が凍りつき、目の前の7人が青い顔をしながらガタガタと震え出した。なんか「悪魔がまた」とか「ビックリ人間が…」とか言ってるけど、何をあの爺さんらはしでかしたんだよ。
さすがにこのままでは埒があかないので笑顔で声をかける。
「まっ、頑張りましょう。」
「「「「「「「ヒッ」」」」」」」
なぜか引かれてしまった。解せぬ。
話し合いが終わった頃には昼になってしまっていたため食堂に行く、という話になった。
「案内は古野陸尉が適任だろう。取り敢えず食堂から案内をしておいてくれ。」
「分かりました。では、失礼します。お二人は案内するのでしっかりと着いてきてくださいね?」
なんだか俺たちが子供のようにふらふらと自分勝手に歩くと思われてるようだ。心外である……あってるけど。
食堂についた俺と白華は和食セットを注文し、久しぶりのまともな食事に舌鼓を打っていた。
「う~ん。やっぱり、ちゃんとした味の食事は美味しいですねー。」
「そうだよな~。適当な味付けの食事しかできなかったからな、繊細な味の料理は本当に久しぶりだよ。」
「…今までどんな食事をしてきたんです?」
泣くまでとはいかないまでも、普通の食事に感動している俺たちの今までの食事が気になったのか古野陸尉が聞いてきた。
「「え?オークの肉に塩コショウして焼いただけのやつとか?」」
「酷いなんてものじゃないですよね。よくそれで体調崩しませんでしたね。」
若干引いたようで、やばいやつを見る目でこちらを見てきた。
「ひどいですね古野陸尉、頑張って生き抜いたただの民間人そんなこというなんて。」
「みやび。」
「「え?」」
「私の下の名前ですよ。フルネームは『古野 雅』です。これから簡易駐屯地にいる間とはいえ、一緒に戦っていくんですから陸尉はいりません。」
「なら、私たちも下の名前で呼んでくださいね!雅さん。」
「拒否します。さて、食べ終わったのなら案内を再開しますよ。」
「「はーい」」
白華はちぇっ、というような表情だったが少し打ち解けれて嬉しいのかご機嫌だった。
その後も浴場や避難所を見て周り、最後に訓練場という名のグラウンドに来た。自衛官に混じり、民間人も魔法を撃ったり、武器の使い方を教えてもらっていたりして訓練をしていた。
中でも目を引いたのが、迷彩服の上から軽鎧などをつけ、付与付き武器を持った連中だ。まあまあのレベルのようでちょっとは歯ごたえがありそうだ。
「お二人には少し実力を見せてもらおうと思うのですが……ちょうどいますね。分隊集合!」
「「「「「「「応っ」」」」」」」
雅さんがそう声をかけると訓練をしていた中の8人が集まった。
「このお二人は、これからこの駐屯地にいる間だけ戦闘に協力していただけることになった方だ。ほとんどの場合において、我が分隊と共に戦う事になるはずだ、それには互いの実力を見ておく必要がある。レクリエーションもかねて戦ってもらう。その前に自己紹介だけしておく。」
雅さんに促されて俺たちから始める。
「神風凪です。得意武器は刀で、魔法も『一応』使えます。」
「望月白華です。魔法主体で戦います。『一応』剣も扱えます。」
なぜか雅さんが『一応』と言ったところで、まゆをひそめたように見えたが気のせいだろう。
「『舞原 秀吾』です。主に偵察を担当しています。戦闘では、小銃を使っていますが、ナイフや体術なども使えます。」
「『八代 順也』です。主に近接戦闘を担当しています。ライオットシールドとドロップ品のショートソードを使っています。」
「『上代 優斗』です。同じく近接戦闘を担当しています。ドロップ品の刀を使っていますが、魔法も使えます。」
「『井上 美玲』です。同じく近接戦闘を担当しています。魔法主体で戦っていますが、ナイフなども使えます。」
「『井上 日向』です。中距離を担当しています。弓と魔法を使っています。」
「『佐野 祐也』です。同じく中距離を担当しています。小銃と魔法を使っています。」
「『篠田 麻由美』です。バフによる支援と治療を担当しています。小銃を使っています。」
「最後に、古野雅です。近接戦闘を担当しています。刃物なら大体なんでも使いますが、主に刀剣類を得意とします。」
結構近接よりではあるが、かなりバランスの良いパーティー編成のようだ。俺と白華は体をほぐしつつ、雅さんのルールを聞く。
「7対1で行ってもらいます、回復魔法で治せる程度までの怪我なら問題ありません。何か質問は?」
ライオットシールドを持った人が手を挙げる。
「7体1ってことは、分隊長を除いた7人でどっちか1人と戦うってことで間違い無いですかい?」
「えぇ、間違いありません。」
少しどよめく。
「流石にキツイんじゃないですかい?」
雅さんが少し悩む。
「ふむ、それもそうですね。私も入って8体1で行きますか。すみませんが良いですか?」
「「いいですよ~」」
雅さんと俺たちの言葉に隊員が絶句する。今度は刀を持った人が慌てて口を出す。
「いやいや、民間人相手に自衛官が8体1はやばいんじゃないですか!」
その言葉に雅さんは首をかしげていたが、途中で何かに気づいたようだ。
「あぁ、言っていませんでしたが、このお二人は神風流と望月流の後継者なので遠慮は要りませんよ。逆にどうやって粘るか考えた方が良いですよ。」
白華が誇らしげに胸を張る。
かなりかわいい。
そして、なぜか場が凍りつき、目の前の7人が青い顔をしながらガタガタと震え出した。なんか「悪魔がまた」とか「ビックリ人間が…」とか言ってるけど、何をあの爺さんらはしでかしたんだよ。
さすがにこのままでは埒があかないので笑顔で声をかける。
「まっ、頑張りましょう。」
「「「「「「「ヒッ」」」」」」」
なぜか引かれてしまった。解せぬ。
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