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神の社で待つモノ
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街を出るにあたってやっておきたいことがあり、2人で神社に来ていた。
鳥居を通り、石畳の階段を登り切る。見えてきた社の姿はいつもと変わらぬ姿であった。
「ここは変わってないな。」
「不思議ですね。街はあそこまでボロボロになっているのに、ここだけはいまだに昔の姿で残ってるなんて。」
そんな会話を白華としながらも、参拝する。ちなみに、賽銭箱に入れるのは10円玉だ。ここでどちらかが5円玉なんて入れようものなら、『わからせ』がはじまるだろう。
願い事はいつも変わらない。
「「永遠にこの人と共に在れますように」」
クスッ、と白華が笑う。俺は頭を撫でてやる。
白華が舞いの一節を気まぐれに舞う。俺も興がのり、対となる舞いを舞う。そのまま、舞いを最後まで行う。
終わってから俺たちは抱き合い、ゆったりとした動きでキスをする。キスをやめ、互いを見て微笑み合う。
が、一瞬で冷静になる。ここは、神社である。
「「あ」」
かあっ、と顔が赤くなるのが感じられる。白華を見てみると同じように赤くしていた。動けずにいたそのとき、
「いいものを見せてもらった」
消え入るような声でそんな事を言われたような気がした。そこで、はっ、として本来の目的を思い出す。
神社の本殿の中に入り、御神体として祀られている二振りの刀に触れる。するとなぜか、光の粒子に変わり俺と白華の体に吸い込まれて消えた。
「「えっ?」」
〈魂装『冬夜』と『春朝』を獲得しました〉
〈ステータスが足りないため、『冬夜』と『春朝』は顕現できません〉
困惑してしまった。この二振りの刀は、神風流と望月流の技に特化した刀で二つの流派の人間からすれば垂涎の品なのだ。そもそも、戦国時代に打たれたという古刀が、現代のスキルに反応しているのはかなり不思議な事である。
ともあれ、目的は達成したということで2人で家に帰る。
『その道の先に汝らの望んだ未来が在らん事を』
鳥居を通り、石畳の階段を登り切る。見えてきた社の姿はいつもと変わらぬ姿であった。
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そんな会話を白華としながらも、参拝する。ちなみに、賽銭箱に入れるのは10円玉だ。ここでどちらかが5円玉なんて入れようものなら、『わからせ』がはじまるだろう。
願い事はいつも変わらない。
「「永遠にこの人と共に在れますように」」
クスッ、と白華が笑う。俺は頭を撫でてやる。
白華が舞いの一節を気まぐれに舞う。俺も興がのり、対となる舞いを舞う。そのまま、舞いを最後まで行う。
終わってから俺たちは抱き合い、ゆったりとした動きでキスをする。キスをやめ、互いを見て微笑み合う。
が、一瞬で冷静になる。ここは、神社である。
「「あ」」
かあっ、と顔が赤くなるのが感じられる。白華を見てみると同じように赤くしていた。動けずにいたそのとき、
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消え入るような声でそんな事を言われたような気がした。そこで、はっ、として本来の目的を思い出す。
神社の本殿の中に入り、御神体として祀られている二振りの刀に触れる。するとなぜか、光の粒子に変わり俺と白華の体に吸い込まれて消えた。
「「えっ?」」
〈魂装『冬夜』と『春朝』を獲得しました〉
〈ステータスが足りないため、『冬夜』と『春朝』は顕現できません〉
困惑してしまった。この二振りの刀は、神風流と望月流の技に特化した刀で二つの流派の人間からすれば垂涎の品なのだ。そもそも、戦国時代に打たれたという古刀が、現代のスキルに反応しているのはかなり不思議な事である。
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