私は今もクズです。

身から出た錆

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乗れない波。

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 自分で言うのもおかしな話ですが、空気を読む能力には長けています。この状況で何をすればいいか、何を言えばいいかを考え、その場をしのぐ能力は私のような屑には必須と言えるでしょう。
 努力をせずに評価だけ貰いたい屑は、いざとならなければ動かずいざとなった時に考えて動く、いわゆるアドリブ力が求められます。
 どの界隈でいわゆるのか分かりませんが、いわゆるです。

 人間関係においても、今何をすれば相手が喜ぶのか、何をすれば円滑な関係を築けるのか、深く考えなくても感覚で分かるのです。
 大仰に説明しましたが、大体の人がこの能力を持っているのではないでしょうか。そうすることで自分の意見を押し殺し、相手に合わせ、生きていくのが今の社会だと私は思っています。


 分かっているはずなのに。
 そう何度も思うことがあります。私は屑の分際でありながら、心の中に燃えたぎるような正義感を持っています。そのまま燃えて灰になればいいのに、と自分でも思いますが。
 その正義感が時にアドリブ力を上回り、意味もなく自分の立場を崩してしまうことがあります。
 例えば、私が中学生の頃です。小学生からの友達が不良と呼ばれる人種にからかわれているのを見かけた私は、その不良達に言い放ちました。
「暇なことしてないで、ゴミ拾いでもしてろ。あ、お前らがゴミか。じゃあ、拾われてろ」
 ええ、もう、そうです。目も当てられないほどの重症だったと自覚しています。よく分からない言い回しがかっこいいと思っていた私はそうやって不良達に喧嘩を売りました。
 不良達は私のような、良くも悪くも目立たない男にそんなことを言われたものですから、気を悪くし標的を私に変えてきました。

 その場で私を殴ろうとしたのですが、私は即座に近くにいた教師に助けを求め、その場を後にします。
 しかし、怒りの収まらない不良達は放課後、私を待ち伏せていました。私は内心怯えていましたが、偶然にも私はその不良達の先輩と仲が良く、こんなこともあろうかと事前に相談をしており、その場にその先輩を召喚したのです。
 自分達よりも立場の強い先輩に止められ不良達は「覚えてやがれ!」と言わんばかりの表情で去っていったのを覚えています。大丈夫ですよ、私は覚えていますよ。暴力で他人を支配したがるクセに自分達は誰よりも暴力に怯えている貴方達を。

 私も、何かあればすぐに人に頼るクセに、意味の無い正義感を振りかざす臆病者ですので、人のことは言えませんが。

 屑というのはお手軽な達成感を欲しがる習性があるのではないでしょうか。何もしたくないのに、何かを成し遂げるような感動が欲しい。少なくとも私はそんな習性を持っています。
 完全に主観で言わせて貰うならば、だから屑は漫画やアニメ、ゲーム等の創作物を好むのではないでしょうか。

 まぁ、漫画の読みすぎでなければ不良達に吐いたセリフは出てきませんよね。
 漫画の読みすぎにはご注意ください。
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