猫とお姉さんと幽霊

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なぜここに

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「ニャ、ニャー!ニャー?」

「どうしたの猫?」

「ニゃー?」

「ああ、ここね。ここは双葉荘。築60年のアパートで、幽霊が出るらしくて入居者は私だけなんだって。」

「ニャン。」

絶対興味本位だ。

「あ、大家さんいた。おーい大家さーん!」

「なんだい?102号室のお姉さんじゃないかい。どうしたんだい?」

シワが目立つお婆さんが出てきた。山姥の様な厳つい顔をしている。

「タスマニアデビルっていう猫を飼いたいんだけど。」

お姉さん、さっき光る板を見て雑種って……
「え?あの生き物は別名フクロアナグマとか呼ばれてなかったかい?」

「ではペットとして飼えないのですか?」

「いや、その子はどう見ても普通の猫さ。」

「それじゃあ!」

「ああ、問題ないよ。入れる前に大家の私に見せたんだ。ルール違反もしてないよ。」

大家さんがそう言うと、お姉さんはホッと胸を撫で下ろした。

「良かった。実は今日、大家さんいないかとひやひやしてたの。」

「こんな大雨の日に外出るのがおかしいよ。」
 やれやれとばかりに、両手をひらひらさせる大家さん。

そりゃそうだ。

「そうですね。」

「ところでお姉さんと猫、泥だらけじゃないか。早く銭湯にでも入ってくるといい。」

大雨の日である。この雨の中、わざわざ濡れに行くのは正直おかしいと思う。

「そうですね。猫、行こうか。」

もう一度言う。今外の天気は大雨である。
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