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後日談
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「あほか」
「!?」
ぽかりと叩かれたのはミリヤムだった。驚いたような表情をしている娘を、軽い音で叩いた白豹の男──イグナーツはしらっと呆れたような顔で見ている。
「何がクローディア親衛隊だ。初めて聞いたわそんなもの。だいたい、なんで俺がお前の悪巧みの片棒担がないといけないんだよ。俺はギズルフ様の結婚式に出席する為に領都に来たんだぞ?」
「ですから! その結婚式が上手い事運ぶように……あの若様と来たら、人が育児に追われているうちにまたクローディア様に調子ぱずれなことなさったらしくてですね……」
それは城の小姓っ子たちからの通報だった。
『ギズルフ様がまたそわそわしてた』
『なんかたくさんお金つかってアデリナ様におこられてた』
『たくさんお城のしよう人をかりだしてアタウルフ様にもおこられた』
『そしてぜんぜんこりてない』
と。
「よくよく調べていただいたら(サラ&カーヤ)どうやらクローディア様に大量の贈り物をなさったらしく……」
「お前相変わらず余計なことばっかりしてるな……いいじゃねぇか。もうすぐご結婚される仲でおありなんだから──」と言いかけたイグナーツはミリヤムに思いっきり尻尾を掴まれた。
「ぐっ……」
「よっかありませんよ!?」
仄暗い目のミリヤムは、イグナーツが「戦士の尾をつかむなっつってんだろ!!」という抗議を聞いていない。
「あのしゃかりき若様ときたらっ、ご自身の年収の殆どをそれにつぎ込まれていたんですよ!? そりゃあ、膨大な財産をお持ちといってもですね!? そんな浪費を結婚直前に見せられたクローディア様が、お可哀想にマリッジブルーにでもなられたらどうしてくれるんですか!? 美女の憂いは美しいですけどもね!? 若様の贈り物リスト見ます!? 花嫁でなくてもマリッジなブルーで蒼白になりそうなんですけど!? 手当たり次第にも程があります!!」
ミリヤムはそう言って持っていた長い長い長ーい紙を握り締めて怒っている。どうやらそれは、今回ギズルフがクローディアの為に購入した品物の控えらしい。そこに並ぶ文字は豆粒くらいの大きさだというのに、その紙の長さはミリヤムが、万歳と持ち上げて、それでも床の上でまだたわむくらいの長さがあった。
その下の端を持ち上げてリストを見たイグナーツも流石に呆れている。
「ドレスから装飾品、剣に薬……おいおい、馬と牛って書いてあんだけど……」
「……若様がクローディア様にまた贈り物をしたいとか言ってたのは知ってたんですよ、私にも用意を相談に来られましたからね。ええ、私も微力ながらご協力いたしました。前回の“獲物おしつけ事件”の失敗もございますし、いかに育児中と言っても、若様を放っておく方が胃に来ます……でもまさか私に相談した以外にもこんなに品物を用意していたとは……牛て!」
どこからその発想が!? とミリヤムは悔しそうにテーブルの上を叩いている。
「仕方ねぇだろ、お前子供生まれたばっかりだし……それで……今日はその双子達はどうしたんだよ」
俺、ヴォルデマー様の子供見たいんだけど、とイグナーツがそわそわ部屋の中を見回している。
領都に戻ってきたと思ったら、早々にミリヤムに召集されたイグナーツはまだ双子と会っていなかった。ヴォルデマー大好きイグナーツは、彼の息子達に会うのを心底楽しみにしていた。てっきりミリヤムがこの応接間に一緒に連れてきてくれるものだとばかり思っていたイグナーツは双子を探してきょろきょろしている。が──
「ああ……ランドルフとルドルフなら……ルカスに拉致られました」
「はぁ!?」
驚くイグナーツにミリヤムは「いえ散歩です」と言いなおす。
「あの母性溢るる騎士さんはですね、『馬鹿は寝てろ』とか言いながら、『ちょっとは太陽の光に当てたほうが夜よく寝るんじゃ……』とかぶつぶつ言いながら双子を抱っこして出て行きました。大丈夫、ルカス育児上手いですよ、何気に。おかん属性なので」
「おか……あ、ああ……なるほど、ルカス殿はお前に気を使ってるんだな、恐らく……」
「私の新米母ぶりを見ると苛々するらしいです……はー……イグナーツ様、どなたかいませんか。あのルカスの母性をまるっと受け止めて下さりそうな大らかなお嬢様は……少しくらいずぼらなお嬢様の方が似合いだと思うんですがねえ……剣も使えて家事も育児も出来ますよ。いかがですか」
「ずぼら令嬢ねぇ……」
二人は真剣な顔を突き合わせて考え込んだ。
そしてああだこうだ言い尽くした頃二人は我に帰る。
「!? そうだ! クローディア親衛隊……!!」
「!? だから俺……ヴォルデマー様の子供見てーんだけど……!?」
ルカスの嫁を探している場合ではなかった、という顔をするミリヤムをイグナーツが睨んでいる。
結局、呑気で無駄な時間を過ごした二人は、慌ててギズルフを探しに出る事にした。
しかし──未だ、夜禄に睡眠を取れていないミリヤムはすぐに力尽きる。
先陣切って駆け出したかと思えば、廊下の途中でへたり込み、「お、おえ……」とか言っている娘をイグナーツが耳を倒して覗き込む。
「おい……大丈夫かミリヤム」
「眠気のピークが襲ってまいりました!! 不思議です! 走っていても眠いとは……恐るべし睡眠欲……」
青い顔でぐらぐらしている娘に、イグナーツが仕方ねえなぁと眉間に皺をよせてぼやいている。
そして彼はミリヤムの前に腰を落し、後ろを振り返った。
「ほら、負ぶされ。俺が背負って歩いたほうが早い」
「し、しかし……」
「いいから黙って負ぶわれろ! お前に何かあったらヴォルデマー様が心配なさるだろう!? 母親に何かあったら、ヴォルデマー様の可愛いお子らに誰が乳をやるのだ! ほら、こい!」
「う、ううぅ……相変わらずのヴォルデマー様愛……ありがたやありがたや……」
ミリヤムは促されて、その背に覆いかぶさった。イグナーツはミリヤムを背負って軽々と立ち上がると、「よし」と、前方を向く。
「さっさとギズルフ様をみつけるぞ!」
「おー! …………お、ぉえっ」
「っ!? やめろ!」
そんな二人を──
遠くから呆然と見ている者がいた。
黒い毛並みのその人狼の足元には、二人の仲良さげ(?)な様子を目撃し取り落としたらしい剣が鞘ごと転がっている。
人狼は驚きの表情を徐々に険しいものに変えると、如何にも気分が悪いというような顔つきでつぶやいた。
「…………俺の保護対象が……俺様以外の者の背に……担がれている!?」
ぐるる……と、(何故だか)面白く無さそうな黒き人狼は、金色の瞳でイグナーツを睨んでいる。
「!?」
ぽかりと叩かれたのはミリヤムだった。驚いたような表情をしている娘を、軽い音で叩いた白豹の男──イグナーツはしらっと呆れたような顔で見ている。
「何がクローディア親衛隊だ。初めて聞いたわそんなもの。だいたい、なんで俺がお前の悪巧みの片棒担がないといけないんだよ。俺はギズルフ様の結婚式に出席する為に領都に来たんだぞ?」
「ですから! その結婚式が上手い事運ぶように……あの若様と来たら、人が育児に追われているうちにまたクローディア様に調子ぱずれなことなさったらしくてですね……」
それは城の小姓っ子たちからの通報だった。
『ギズルフ様がまたそわそわしてた』
『なんかたくさんお金つかってアデリナ様におこられてた』
『たくさんお城のしよう人をかりだしてアタウルフ様にもおこられた』
『そしてぜんぜんこりてない』
と。
「よくよく調べていただいたら(サラ&カーヤ)どうやらクローディア様に大量の贈り物をなさったらしく……」
「お前相変わらず余計なことばっかりしてるな……いいじゃねぇか。もうすぐご結婚される仲でおありなんだから──」と言いかけたイグナーツはミリヤムに思いっきり尻尾を掴まれた。
「ぐっ……」
「よっかありませんよ!?」
仄暗い目のミリヤムは、イグナーツが「戦士の尾をつかむなっつってんだろ!!」という抗議を聞いていない。
「あのしゃかりき若様ときたらっ、ご自身の年収の殆どをそれにつぎ込まれていたんですよ!? そりゃあ、膨大な財産をお持ちといってもですね!? そんな浪費を結婚直前に見せられたクローディア様が、お可哀想にマリッジブルーにでもなられたらどうしてくれるんですか!? 美女の憂いは美しいですけどもね!? 若様の贈り物リスト見ます!? 花嫁でなくてもマリッジなブルーで蒼白になりそうなんですけど!? 手当たり次第にも程があります!!」
ミリヤムはそう言って持っていた長い長い長ーい紙を握り締めて怒っている。どうやらそれは、今回ギズルフがクローディアの為に購入した品物の控えらしい。そこに並ぶ文字は豆粒くらいの大きさだというのに、その紙の長さはミリヤムが、万歳と持ち上げて、それでも床の上でまだたわむくらいの長さがあった。
その下の端を持ち上げてリストを見たイグナーツも流石に呆れている。
「ドレスから装飾品、剣に薬……おいおい、馬と牛って書いてあんだけど……」
「……若様がクローディア様にまた贈り物をしたいとか言ってたのは知ってたんですよ、私にも用意を相談に来られましたからね。ええ、私も微力ながらご協力いたしました。前回の“獲物おしつけ事件”の失敗もございますし、いかに育児中と言っても、若様を放っておく方が胃に来ます……でもまさか私に相談した以外にもこんなに品物を用意していたとは……牛て!」
どこからその発想が!? とミリヤムは悔しそうにテーブルの上を叩いている。
「仕方ねぇだろ、お前子供生まれたばっかりだし……それで……今日はその双子達はどうしたんだよ」
俺、ヴォルデマー様の子供見たいんだけど、とイグナーツがそわそわ部屋の中を見回している。
領都に戻ってきたと思ったら、早々にミリヤムに召集されたイグナーツはまだ双子と会っていなかった。ヴォルデマー大好きイグナーツは、彼の息子達に会うのを心底楽しみにしていた。てっきりミリヤムがこの応接間に一緒に連れてきてくれるものだとばかり思っていたイグナーツは双子を探してきょろきょろしている。が──
「ああ……ランドルフとルドルフなら……ルカスに拉致られました」
「はぁ!?」
驚くイグナーツにミリヤムは「いえ散歩です」と言いなおす。
「あの母性溢るる騎士さんはですね、『馬鹿は寝てろ』とか言いながら、『ちょっとは太陽の光に当てたほうが夜よく寝るんじゃ……』とかぶつぶつ言いながら双子を抱っこして出て行きました。大丈夫、ルカス育児上手いですよ、何気に。おかん属性なので」
「おか……あ、ああ……なるほど、ルカス殿はお前に気を使ってるんだな、恐らく……」
「私の新米母ぶりを見ると苛々するらしいです……はー……イグナーツ様、どなたかいませんか。あのルカスの母性をまるっと受け止めて下さりそうな大らかなお嬢様は……少しくらいずぼらなお嬢様の方が似合いだと思うんですがねえ……剣も使えて家事も育児も出来ますよ。いかがですか」
「ずぼら令嬢ねぇ……」
二人は真剣な顔を突き合わせて考え込んだ。
そしてああだこうだ言い尽くした頃二人は我に帰る。
「!? そうだ! クローディア親衛隊……!!」
「!? だから俺……ヴォルデマー様の子供見てーんだけど……!?」
ルカスの嫁を探している場合ではなかった、という顔をするミリヤムをイグナーツが睨んでいる。
結局、呑気で無駄な時間を過ごした二人は、慌ててギズルフを探しに出る事にした。
しかし──未だ、夜禄に睡眠を取れていないミリヤムはすぐに力尽きる。
先陣切って駆け出したかと思えば、廊下の途中でへたり込み、「お、おえ……」とか言っている娘をイグナーツが耳を倒して覗き込む。
「おい……大丈夫かミリヤム」
「眠気のピークが襲ってまいりました!! 不思議です! 走っていても眠いとは……恐るべし睡眠欲……」
青い顔でぐらぐらしている娘に、イグナーツが仕方ねえなぁと眉間に皺をよせてぼやいている。
そして彼はミリヤムの前に腰を落し、後ろを振り返った。
「ほら、負ぶされ。俺が背負って歩いたほうが早い」
「し、しかし……」
「いいから黙って負ぶわれろ! お前に何かあったらヴォルデマー様が心配なさるだろう!? 母親に何かあったら、ヴォルデマー様の可愛いお子らに誰が乳をやるのだ! ほら、こい!」
「う、ううぅ……相変わらずのヴォルデマー様愛……ありがたやありがたや……」
ミリヤムは促されて、その背に覆いかぶさった。イグナーツはミリヤムを背負って軽々と立ち上がると、「よし」と、前方を向く。
「さっさとギズルフ様をみつけるぞ!」
「おー! …………お、ぉえっ」
「っ!? やめろ!」
そんな二人を──
遠くから呆然と見ている者がいた。
黒い毛並みのその人狼の足元には、二人の仲良さげ(?)な様子を目撃し取り落としたらしい剣が鞘ごと転がっている。
人狼は驚きの表情を徐々に険しいものに変えると、如何にも気分が悪いというような顔つきでつぶやいた。
「…………俺の保護対象が……俺様以外の者の背に……担がれている!?」
ぐるる……と、(何故だか)面白く無さそうな黒き人狼は、金色の瞳でイグナーツを睨んでいる。
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